12日のニューヨーク外国為替市場でドル円は3営業日ぶりに反落。終値は145.45円と前営業日NY終値(146.16円)と比べて71銭程度のドル安水準だった。米労働省が発表した11月米消費者物価指数(CPI)がほぼ予想通りの内容となり、インフレの鈍化が確認されると全般ドル売りが先行。前日の安値144.78円を下抜けて一時144.74円と日通し安値を更新した。ただ、米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.14%台から4.24%台まで上昇すると、一転ドル買い戻しが優勢に。23時30分過ぎには145.85円付近まで持ち直した。主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは103.49の安値から104.10の高値まで持ち直した。
ユーロドルは続伸。終値は1.0794ドルと前営業日NY終値(1.0765ドル)と比べて0.0029ドル程度のユーロ高水準だった。欧州時間発表の12月独ZEW景況感指数が予想を上回ったことを手掛かりにユーロ買い・ドル売りが先行。米CPI発表直後に全般ドル売りが強まると、一時1.0827ドルと日通し高値を付けた。ただ、買い一巡後はすぐに上値が重くなった。米長期金利が低下幅を縮めた流れに沿ってユーロ売り・ドル買いが出ると、1.0767ドル付近まで下押しした。
ユーロ円は3日ぶりに反落。終値は157.00円と前営業日NY終値(157.34円)と比べて34銭程度のユーロ安水準。20時30分過ぎに一時156.64円付近まで値を下げたものの、4時30分過ぎには157.22円付近まで下げ渋った。
本日のドル円相場は、米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果公表を前に動きにくい展開が予想される。もっとも、引き続き来週18-19日に行われる日銀政策決定会合への観測記事などが市場を動意づける可能性もあることには要警戒となる。
FOMCに関しては、政策金利を5.25-5.50%に据え置く予想が98.4%となるなど、予想を翻すことはないだろう。ただし、12月はドットプロットも公表されることで、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の会見同様に注目度が高い。
日銀政策決定会合については、昨日も海外勢は日経新聞の「12月に解除を事前予告し、フォワードガイダンスを同時に修正する見方もある」との観測記事に反応し、円を買い戻していた。日本の政治状況は、政治資金パーティをめぐる問題で安倍派4閣僚の交代となりそうだが、同時に本日の日経新聞が記載しているように「アベノミクス転換期」、すなわち日銀による金融緩和路線の終了も現実味を帯び、政治・経済ともに脱安倍路線となりそうだ。昨日の本邦金利市場は5年債の入札が順調だったことで、債券が買われた(利回りは低下した)ように、12月にゼロ金利解除をすることを期待する声は少ない。一方で、2024年上期での解除は非常に可能性が高まっている。
市場が過度に円買いのニュースに反応するのは、昨年12月の日銀政策決定会合で当日の高値から7円弱の円高・ドル安が進行したことも一因。市場流動性が悪い12月相場で、日銀が今後の解除方針を打ち出すようなことがある場合は、再び昨年と同じ動きを繰り返す可能性があり、円買いの逃げ場を探しているようだ。
本日の経済指標では、日銀の企業短期経済観測調査(短観)が発表される。かつては円相場を最も動意づけた指標だが、ここ最近の反応は鈍かった。しかしながら、日銀がゼロ金利解除に向かっているとされる中で、業況判断指数(DI)が好結果だった場合のポジティブサプライズになれば、市場は敏感に反応しそうだ。
本日は他のアジア、オセアニア国からは主だった経済指標の発表は予定されていない。しかしながら、豪政府から中間予算が発表されることには注目しておきたい。
※時刻表示は日本時間
<国内>
○08:50 ☆ 日銀・企業短期経済観測調査(短観、12月調査)
☆ 大企業製造業の業況判断指数(DI、予想:10)
◎ 大企業非製造業の業況判断指数(DI、予想:27)
◎ 大企業製造業DI・3月見込み(予想:9)
◎ 大企業非製造業DI・3月見込み(予想:25)
◎ 大企業全産業設備投資計画(前年度比、予想:12.4%)
<海外>
○16:00 ☆ 10月英国内総生産(GDP、予想:前月比横ばい)
○16:00 ◎ 10月英鉱工業生産指数(予想:前月比▲0.1%/前年比1.1%)
○16:00 ◎ 10月英製造業生産高(予想:前月比横ばい)
○16:00 ◇ 10月英商品貿易収支/英貿易収支(予想:143.00億ポンドの赤字/21.50億ポンドの赤字)
○17:00 ◎ 11月南アフリカ消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.1%/前年比5.6%)
○18:30 ◎ 11月南アフリカSACCI企業信頼感指数
○19:00 ◎ 10月ユーロ圏鉱工業生産(予想:前月比▲0.3%/前年比▲4.6%)
○20:00 ◇ 10月南アフリカ小売売上高(予想:前年同月比0.9%)
○21:00 ◇ MBA住宅ローン申請指数
○22:30 ◎ 11月米卸売物価指数(PPI、予想:前月比0.1%/前年比1.0%)
◎ 食品とエネルギーを除くコア指数(予想:前月比0.2%/前年比2.2%)
○14日00:30 ◇ EIA週間在庫統計
○14日01:00 ☆ 7-9月期ロシア国内総生産(GDP)改定値(予想:前年比5.5%)
○14日04:00 ☆ 米連邦公開市場委員会(FOMC)、終了後政策金利発表(予想:5.25-5.50%で据え置き)
○14日04:00 ◎ FOMC、経済・金利見通し発表
○14日04:30 ☆ パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、定例記者会見
○14日06:30 ☆ ブラジル中銀、政策金利発表(予想:11.75%に引き下げ)
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。
12日23:43 イエレン米財務長官
「インフレ率がFRBの目標まで下がらない理由はない」
「労働市場は依然堅調だが、冷え込んでいる」
「インフレは有意に低下している」
13日00:39 バイデン米大統領
「CPIの結果はインフレに対する継続的な前進を示している」
※時間は日本時間
<ドル円=基準–転換線レンジ切り下がりに沿う重い流れ予想>
下影陰線引け。昨日145.11円に位置していた一目均衡表・転換線を下抜け一時144.74円と、前日11日安値144.78円をわずかながら割り込む場面もあった。
145円台を回復して転換線を再び上回ったものの、低下が続く見込みの同線を追うように下値を探る展開を想定しやすい。戻り局面に控える一目・基準線も146.81円も横ばいがら低下へ向かうことが予想され抵抗になる。基準線と転換線に挟まれたレンジ前後の緩やかな動きかもしれないが、同レンジの切り下がりに沿った重い流れが予想される。
レジスタンス1 146.18(12/12高値)
前日終値 145.45
サポート1 144.74(12/12安値)
サポート2 144.15(12/7-11上昇幅の半値押し)
<ユーロドル=強弱判断の分かれめ200日線回復しきれない>
上影小陽線引け。まだ上昇の可能性を残す一目均衡表・基準線1.0837ドルへ近づくように1.0827ドルまで上値を試した。しかし相場の強弱を判断する上の分かれめ200日移動平均線1.0825ドルを越えたところで頭打ち。反落しており200日線目線での相場の強さを回復できない。相場の強さを回復しきれないまま、低下継続が見込まれる一目・転換線1.0819ドル前後の重さに押される展開が予想できる。
レジスタンス1 1.0866(21日移動平均線)
前日終値 1.0794
サポート1 1.0742(12/11安値)
<ポンド円=雲の中で低下が続く見込みの転換線を追うか>
下影陰線引け。11日には上限が上昇中の一目均衡表・雲を上抜けた。しかし押し戻されて昨日は雲の上限182.72円近辺でNYを引けている。本日早朝は183.07円へ切り上がった雲の上限を下回って推移。現水準183.10円から雲の中へ突入して低下が続く見込みの一目・転換線の動きに沿うように失速するリスクを念頭に置いておくべきか。
レジスタンス1 183.59(12/12高値)
前日終値 182.74
サポート1 182.12(日足一目均衡表・雲の下限)
<NZドル円=転換・基準線と雲に挟まれたレンジで安定欠く>
下影陰線引け。一目均衡表・基準線と転換線が重なっている89.61円を付近の抵抗をこなしきれず一時89円割れとなった。転換線・基準線が推移する水準と一目均衡表・雲に挟まれたレンジ中心の動きではあるが動意が安定しない。88.36円前後で推移する90日移動平均線や薄い雲を再び試しにいく展開も視野に入れておきたい。
レジスタンス1 89.66(12/11高値)
前日終値 89.21
サポート1 88.68(12/7-11上昇幅の半値押し)
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