8日のニューヨーク外国為替市場でドル円は反発。終値は144.95円と前営業日NY終値(144.13円)と比べて82銭程度のドル高水準だった。11月米雇用統計は労働需給の引き締まりを示す良好な内容となった。米国の早期利下げ観測の後退とともに、米10年債利回りが4.2700%前後まで上昇したことをながめ、一時145.21円まで本日高値を更新。その後は143.70円台まで失速する場面も見られるなど神経質に上下したものの、不安定な値動きが落ち着くと145.00円前後まで再び買い戻された。
ユーロドルは反落。終値は1.0763ドルと前営業日NY終値(1.0794ドル)と比べて0.0031ドル程度のユーロ安水準だった。米雇用統計の発表直後はドル買いの流れに沿って1.0724ドルまで下押しした。もっとも、その後は一時1.0780ドル台まで切り返すなど、1.07ドル台で上下する神経質な動きとなり、一方的に売りが進む展開にはならなかった。
ユーロ円は10営業日ぶりに反発。終値は156.05円と前営業日NY終値(155.58円)と比べて47銭程度のユーロ高水準だった。米雇用統計後に154.80円台まで弱含んだものの、売りが一巡するとドル円の上昇につれて円売り・ユーロ買いが進んだ。米国株の上昇も相場の下支えとなり、取引時間の終盤に156.09円まで本日高値を更新した。
ドル円は7日の植田日銀総裁の発言をきっかけに日銀がマイナス金利解除に動くとの観測が強まり、一日で高値から一時5.50円超の暴落と大相場となり、先週末の米雇用統計後も値が飛ぶなど神経質な動きが続いた。ただ、本日は日米で主な経済指標や注目のイベントは予定されておらず、米雇用統計がドル円の下支えとなり、日銀の金融政策関連で新たなニュースが出てこなければ、動きはいったん落ち着く可能性がある。
市場は日銀の金融政策修正に警戒しつつ、目線は12日の米11月消費者物価指数(CPI)は12-13日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)に向けられ、積極的な取引はいったん手控えられ、日米長期金利の動向を眺めながら145円を挟んでの小動きが見込まれるも、足もとでは下方向への警戒感が根強い。予想を上回った米11月雇用統計を受けて、米連邦準備制度理事会(FRB)による利下げが来年3月に始まるとの観測は幾分後退したが、それでも5月利下げの見方は依然として根強い。最近、ヘッジファンドが円の下落を見込んで大きなポジションを取っていることも明らかになっている。一方で、ドル円の2週間物リスクリバーサルは、市場が目先のさらなる円高を予想していることを示している。
※時刻表示は日本時間
<国内>
○08:50 ◇ 10-12月期法人企業景気予測調査
○08:50 ◇ 11月マネーストックM2
<海外>
○16:00 ◇ 10月トルコ経常収支(予想:7.5億ドルの黒字)
○16:00 ◇ 10月トルコ失業率
○16:00 ◇ 10月トルコ鉱工業生産
○16:00 ◎ 11月ノルウェー消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.7%/前年比4.9%)
○12日01:30 ◎ 米財務省、3年債入札
○12日03:00 ◎ 米財務省、10年債入札
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。
特になし
※時間は日本時間
<ドル円=200日線を上回る水準で底堅く推移できるか注視>
下影陽線引け。再び下値を試す動きとなり、一時142.50円まで下落した。しかし前日7日に割り込んだ200日移動平均線を下抜けることなく反発している。
200日線は本日142.39円付近で緩やかに上昇中。相場の強弱を判断する上での分岐点となる同線を上回る水準を維持して、底堅く推移できるか見定める局面となる。
レジスタンス1 145.73(11/22-12/7下落幅の半値戻し)
前日終値 144.95
サポート1 144.17(12/8レンジ61.8%水準)
サポート2 143.23(ピボット・サポート1)
<ユーロドル=低下中の90日線を追うような展開予想>
下影陰線引け。一時1.0724ドルと、11月14日以来の安値を更新する動きとなった。1.07ドル前半で低下中の90日移動平均線を割り込んだものの下げ渋り、1.0763ドルで週の取引を終えている。底堅さを示す長めのひげをともなう足型を形成した。上昇傾向の一目均衡表・基準線1.0837ドルに沿うような戻りも期待できるが、低下が予想される一目・転換線1.0871ドルが抵抗になりそうな状態に変化はない。本日1.0734ドル前後へ低下した90日線を追う展開が予想される。
レジスタンス1 1.0818(12/7高値)
前日終値 1.0763
サポート1 1.0697(日足一目均衡表・雲の上限)
<ポンド円=雲や転換線の売り圧力が強そう>
下影小陽線引け。179.56円まで再び下振れた。しかし前日7日の安値178.67円を下抜けることなく反発し、小さいながら陽線を形成して取引を終えている。底堅い推移を期待したいところだが、一目均衡表・雲の下限182.12円付近では相応な売り圧力にさらされそう。低下が続く見込みの一目・転換線183.12円の売り圧力が今後強まってくることも想定できる。
レジスタンス1 182.49(11/24-12/7下落幅の32.9%戻し)
前日終値 181.91
サポート1 181.09(12/8レンジ61.8%水準)
<NZドル円=雲が薄く、動意不安定か>
下影小陰線引け。一目均衡表・雲(上限88.32円・下限88.18円)や、88.30円付近で上昇中の90日移動平均線を下抜ける動きが先行した。87.97円を下値に前述のテクニカル指標を上回る水準へ反発している。底堅い推移を期待したいが、雲が薄いためサポートの強さが感じにくい。不安定な動意が続きそうだ。
レジスタンス1 89.19(11/20安値)
前日終値 88.74
サポート1 87.97(12/8安値)
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