6日のニューヨーク外国為替市場でユーロドルは6日続落。終値は1.0764ドルと前営業日NY終値(1.0797ドル)と比べて0.0033ドル程度のユーロ安水準だった。11月ADP全米雇用報告が予想より弱い結果となったほか、7-9月期米単位労働コスト・改定値が速報値から下方修正されたことを受けて、米10年債利回りの急低下とともにドル売りが先行。一時1.0804ドルまで上昇する場面も見られたが、1.08ドル台の滞空時間は短く、次第に上値が重くなった。欧州の金利先安観が依然として上値を抑制しており、5時30分過ぎに1.0759ドルまで本日安値を更新した。
ドル円は反発。終値は147.31円と前営業日NY終値(147.15円)と比べて16銭程度のドル高水準だった。ADP全米雇用報告の発表後に147.02円付近まで弱含んだものの、節目の147.00円手前で下値の堅さを確認すると、147円台前半の狭いレンジ内ながら底堅く推移した。米10年債利回りは9月1日以来の低水準となる4.10%台まで低下する場面もあったが、相場への影響は限られた。
ユーロ円は8日続落。終値は158.57円と前営業日NY終値(158.87円)と比べて30銭程度のユーロ安水準だった。ユーロドルが高値をつけたタイミングで159円台を回復する場面も見られたが、その後はユーロドルの反落や米国株の失速などを受けて158.50円台まで売りに押された。
本日のドル円相場も147円前半を中心に小幅な値動きに終始しそうだ。今週に入りドル円のレンジは狭くなってきているが、東京時間に限れば更に動意が薄い。東京時間(9時から17時の間で、日本銀行金融市場局による)レンジは、4日こそは146.24円から147.00円だったが、5日は146.75円から147.35円、6日は146.94円から147.39円となっている。昨日は欧州通貨に対してドル買いが進んだこともあり、多少ドル円も上値を広げる可能性はあるが、よほどのサプライズとなるニュースが出ない限りはレンジ相場になるだろう。
しかも、相場を読み解くのが難しいのは、連日米金利の動向にドルが連れて動かないことだ。昨日は米10年債利回りが9月1日以来となる4.10%台まで低下したのにもかかわらず、ドルは堅調な動きを見せた。年末相場に入っていること、来週に主要中央銀行(日・米・欧州・英・スイス)の政策決定会合が開かれることなどが、米金利とドルの相関性をなくしている。今週に入り通常は反応が敏感になる米雇用指標(10月JOLTS求人件数、ADP全米雇用報告)への反応も一時的に収まっていることも、12月相場の難しさを表している。
本日のアジア時間では本邦から複数の経済指標(対外対内証券売買契約等の状況、10月景気動向指数速報値ほか)が発表されるが、どの指標も市場を動意づけるのは難しいか。海外からは豪州と中国から貿易収支が発表される。中国の貿易収支は、輸出は前年比で-1%程度の予想と、予想外に減少幅を拡大した10月から持ち直すも7カ月連続のマイナスが見込まれている。一方で、同輸入は8カ月ぶりに増加に転じた10月と同水準の+3%程度の予想。5日に格付け会社ムーディーズが中国の格付け見通しを「安定的」から「ネガティブ」に変更したこともあり、貿易収支がさえない結果となった場合のネガティブサプライズには要警戒となりそうだ。
※時刻表示は日本時間
国内>
○08:50 ◇ 11月外貨準備高
○08:50 ◇ 対外対内証券売買契約等の状況(週次・報告機関ベース)
○14:00 ◇ 10月景気動向指数速報値(予想:先行108.2/一致114.9)
<海外>
○09:30 ◇ 10月豪貿易収支(予想:75.00億豪ドルの黒字)
○未定 ◎ 11月中国貿易収支(予想:580.0億ドルの黒字)
○15:45 ◇ 11月スイス失業率(季節調整前、予想:2.1%)
○16:00 ◎ 10月独鉱工業生産(予想:前月比0.2%/前年同月比▲3.0%)
○16:45 ◇ 10月仏貿易収支
○16:45 ◇ 10月仏経常収支
○16:45 ◎ ホルツマン・オーストリア中銀総裁、講演
○17:00 ◇ 10-12月期南アフリカ経済研究所(BER)消費者信頼感指数
○18:00 ◎ 7-9月期南アフリカ経常収支(予想:1112億ランドの赤字)
○19:00 ☆ 7-9月期ユーロ圏域内総生産(GDP)確定値(予想:前期比▲0.1%/前年比0.1%)
○21:00 ◎ 11月メキシコ消費者物価指数(CPI、予想:前年比4.40%)
○21:30 ◇ 11月米企業の人員削減数(チャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマス社調べ)
○22:30 ◇ 10月カナダ住宅建設許可件数(予想:前月比2.9%)
○22:30 ◎ 前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:22.2万件/191.0万人)
○24:00 ◇ 10月米卸売売上高(予想:前月比1.0%)
○24:00 ◎ エルダーソン欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○8日05:00 ◇ 10月米消費者信用残高(予想:90.0億ドル)
○欧州連合(EU)中国首脳会談(北京、8日まで)
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。
6日10:07 イエレン米財務長官
「景気後退の懸念をもたらす労働市場の弱体化の兆候は見られない
「米国の成長は鈍化するが、経済の支出面での弱さは見られない」
6日10:33 氷見野日銀副総裁
「賃上げを伴う形で物価目標が見通せるようになるまで、粘り強く緩和を継続」
「一番気を付けなければならないのは、賃金と物価の好循環の状況をよく見極めて出口のタイミングや進め方を適切に判断していくこと」
「出口見通せるようになれば、大規模緩和を徐々に修正」
6日14:44
「賃金と物価の好循環が、ゼロではないが何合目まで来ているか自信はない」
「(出口戦略について)対応の順番の決め打ちは適切ではない」
6日17:37 カザークス・ラトビア中銀総裁
「2024年上期に利下げする必要はない」
「状況が変われば決定を変更する可能性」
6日19:30 英中銀(BOE)金融安定報告書
「地政学的な緊張と経済見通しにリスク」
「全般的なリスク環境は依然厳しい」
「英銀行はストレスに対して十分な資本と流動性を有する」
「英銀の純利ざやがピークに達した兆候」
6日20:08 ベイリー英中銀(BOE)総裁
「金利は現在の水準程度にとどまる必要がある」
「金融安定リスクに引き続き警戒を怠らない」
「インフレ見通しは不透明」
7日00:00 カナダ銀行(BOC、カナダ中央銀行)声明
「経済の減速により、インフレ圧力が低下している」
「ここ数カ月のコアインフレ率は約3.5-4%となっており、10月のデータはこの範囲の下限に近い水準となっている」
「理事会は依然としてインフレ見通しに対するリスクを懸念しており、必要に応じて政策金利をさらに引き上げる用意がある」
「理事会はコアインフレのさらなる持続的な緩和を望んでおり、引き続き経済の需要と供給のバランス、インフレ期待、賃金上昇率、企業の価格設定行動に焦点を当てている」
※時間は日本時間
<ドル円=90日線の上昇追うような展開は望みにくい>
小陽線引け。147円台でもみ合った。目先のすう勢を示す5日移動平均線も147円前半で横ばいに転じつつある。
下値を切り上げる足もとの動きは好感したい。しかし今後の低下が予想される一目均衡表・転換線が抵抗になりそうな状態は継続。148.13円前後へ上昇した90日線を追うような展開は望みにくい。
レジスタンス1 147.95(日足一目均衡表・転換線)
前日終値 147.31
サポート1 146.64(ピボット・サポート1)
サポート2 146.23(12/4安値)
<ユーロドル=基準線に沿って戻しても強くなりきれないか>
陰線引け。1.0767ドルに位置していた一目均衡表・基準線付近の攻防だったが、NY終値で割り込んだ。本日1.0793ドルに切り上がる同線の動向を追うような戻りも想定できる。しかし強い相場となりきれずに、現水準1.0888ドルからやがて基準線を下回る水準へ低下してくる見込みの一目・転換線が抵抗となり押し返される展開が予想される。
レジスタンス1 1.0821(ピボット・レジスタンス2)
前日終値 1.0764
サポート1 1.0697(日足一目均衡表・雲の上限)
<ポンド円=5日線付近が重くみえる>
上影小陰線引け。一目均衡表・基準線185.71円付近で戻りが鈍く、185円前後へ押し返された。まだ上昇が続く見込みの基準線に沿った戻りを期待したいところ。だが、目先のすう勢を示す5日移動平均線が185.60円前後で低下中。同線付近で反発が抑制され、下値を探る展開になりやすいようにみえる。
レジスタンス1 185.60(5日移動平均線)
前日終値 185.03
サポート1 184.47(11/21安値)
<NZドル円=21日線付近の攻防>
上影小陽線引け。21日移動平均線付近から反発して90.80円へ小幅に切り上がった一目均衡表・転換線の動きを追うように戻し、一時90.90円と上抜く場面もあった。しかし押し返されて上値の重さを示唆する長い上ひげをつけた足型を形成している。本日90.23円前後で推移している21日線付近の攻防。同線を割り込んで下押す展開も想定しておきたいが、上昇傾向の一目・基準線89.86円は下支えになるとみる。
レジスタンス1 90.80(日足一目均衡表・転換線)
前日終値 90.39
サポート1 89.86(日足一目均衡表・基準線)
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