【前日の振り返り】
28日の香港株式市場で、ハンセン指数は3日続落。終値は前日比0.98%安の17354.14ポイントだった。中国企業指数は1.13%安の5957.08ポイント。メインボードの売買代金は概算で950億HKドル。
ハンセン指数はほぼ終日マイナス圏で軟調に推移した。本土市場の上昇を受けて序盤に下げ幅を縮小する場面もあったが、再び下げ幅を拡大すると、終値は今月10日以来、2週間超ぶり安値だった。前日の米株安が嫌気されたほか、中国の景気減速懸念が相場の重しとなった。29日にはベージュブックが公表されるほか、30日には中国の製造業購買担当景気指数(PMI)が発表される予定で、様子見ムードも広がった。
【きょうの見通し】
29日の香港市場は反発して始まるか。米国の利上げ局面が終了するとの見方から28日のNY市場で米長期金利が低下し、株式相場が上昇した流れを引き継ぐだろう。前日のハンセン指数は3営業日続落し、終値は10日以来の安値圏だっただけに、値ごろ感が強まった銘柄を中心に買い直しが入りやすい。
FRBのウォラー理事は28日の講演で、インフレ抑制のためのこれまでの政策に自信を示し、今後3-5カ月の間にインフレ鈍化が続くなら利下げ転換もあり得ると発言。米10年債利回りは前日の4.388%から4.327%に低下した。
もっとも、買い一巡後は上値が重い展開があり得る。重要イベントを前に、結果を見極めたい投資家は積極的な買いを手控えそうだ。きょうはベージュブックが発表される。30日は中国の11月の製造業PMIが発表されるほか、OPECと非加盟の産油国で構成する「OPECプラス」の会合が予定されている。
【前日の振り返り】
28日の中国本土株式市場で、上海総合指数は3営業日ぶりに反発。終値は前日比0.23%高の3038.55ポイントだった。深セン成分指数は0.49%高の9833.46ポイントと3営業日ぶりに反発した。上海、深セン両市場の売買代金は概算で7727億6800万元だった。
上海総合指数は方向感を欠いた。朝方に安く推移した後、前日終値付近でもみ合い、終盤に上げ幅を広げて引けた。前日終値は今月3日以来、約3週間ぶり安値だっただけに、割安感が強まった銘柄を中心に買い直しが入って指数を押し上げた。ただ、不動産市況の悪化などの景気不安が引き続き重荷となり、上値は伸び悩んだ。セクター別では、自動車、電機、医療サービス、風力発電設備が買われた半面、不動産、空運、通信、銀行、保険が売られた。
A株市場では前日にストップ高を付けた自動車メーカーの重慶長安汽車(000625)がこの日は10%近く上昇。同業の広州汽車集団(601238)も高い。自動車部品の浙江世宝(002703)と安徽中鼎密封件(000887)、ウェイチャイ・パワー(000338)は続伸した。宅配大手の順豊控股(002352)、台湾・鴻海精密工業傘下の富士康工業互聯網(601138)も買われた。一方、空運の中国東方航空(600115)、春秋航空(601021)、中国国際航空(601111)がそろって下落。豚肉大手の牧原食品(002714)、通信キャリアの中国聯合網絡通信(600050)も下げた。
上海B株指数は0.53%高の231.33ポイントと3営業日ぶりに反発。深センB株指数は0.29%高の1080.93ポイントと続伸した。
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