27日のニューヨーク外国為替市場でドル円は続落。終値は148.69円と前営業日NY終値(149.44円)と比べて75銭程度のドル安水準となった。欧州時間に一時149.33円付近まで値を上げたものの、アジア時間に付けた日通し高値149.67円が目先レジスタンスとして意識されると失速した。米長期金利の低下などが相場の重しとなり、5時前に一時148.55円と日通し安値を付けた。市場では「米利上げ打ち止め観測が広がる中、マーケットの関心は利下げへの転換時期に向いている」との指摘があった。
なお、米5年債入札で底堅い需要が確認されると、米長期金利の指標となる米10年債利回りは一時4.3788%前後まで低下した。
ユーロドルは小幅ながら3日続伸。終値は1.0954ドルと前営業日NY終値(1.0939ドル)と比べて0.0015ドル程度のユーロ高水準だった。ユーロ円やユーロポンドなどユーロクロスの下落につれた売りが先行し、0時過ぎに一時1.0925ドルと日通し安値を付けた。
ただ、売り一巡後は買い戻しが優勢に。米長期金利の低下に伴うユーロ買い・ドル売りが入ると、1.0957ドル付近まで持ち直した。もっとも、日本時間夕刻に付けた日通し高値1.0959ドルには届かなかった。
ユーロ円は4営業日ぶりに反落。終値は162.87円と前営業日NY終値(163.47円)と比べて60銭程度のユーロ安水準。欧米株価の下落を背景にリスク・オフの円買い・ユーロ売りが先行すると、23時30分過ぎに一時162.54円と日通し安値を更新した。
ただ、売り一巡後は162円台後半でのもみ合いに転じた。ドル絡みの取引が中心となったため、相場は方向感が出なかった。
本日の東京外国為替市場のドル円は、米金利が低下していることで続落の可能性に警戒する展開が予想される。
米10年債利回りは4.3%台まで低下しており、ドル売り要因となっている。先週末発表された11月の米総合購買担当者「雇用」指数(PMI)の低下や昨日発表された低調な10月米新築住宅販売件数などが影響しているもよう。
今週のドル円の注目経済指標は、12月12-13日の米連邦公開市場委員会(FOMC)に向けて、米連邦準備理事会(FRB)がインフレ指標として注視している30日に発表される米10月PCE価格指数だろう。CMEグループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」は、12月FOMCでの金利据え置き、利下げ開始時期は来年5月、または6月からだと示唆している。もし、10月PCE価格指数の伸び率が鈍化していた場合、来年の利下げ開始時期の予想が前倒しされる可能性が高まることになる。
商品先物取引委員会(CFTC)が発表した11月21日時点の円のネット売り持ちポジションは、10万5454枚となっていた。ドル円が続落し続けた場合は、円買い圧力が増大する可能性を示唆している。
ドル円のテクニカル分析では、長期的には、エリオット波動の最終第5波を示唆する「斜行三角形」を形成しつつあり、中期的には高値反転を示唆する「弱気の乖離(ベアリッシュ・ダイバージェンス)」を形成しつつあることで、下値リスクが高まりつつある。
そして短期的には「ダブル・トップ(151.72円・151.91円)」がネック・ラインである149.21円(11/3安値)を下抜けたことで完成し、目標値146.70円{=149.21円–(151.72円-149.21円)}が点灯している。
豪ドルは、9時30分に発表される10月豪小売売上高(予想:前月比+0.1%)やその後に予定されているブロック豪準備銀行(RBA)総裁の講演に注目しておきたい。今週のオーストラリアの注目経済指標は、明日発表される同月消費者物価指数(CPI)なので、小売売上高では、予想から大幅に外れない限りは豪ドル相場への影響は限定的だと思われる。ブロックRBA総裁は先週、「価格上昇がCPI項目の広範囲にわたり、インフレがますます国内主導、需要主導になっている」として、金利がしばらく高止まる可能性が高いことを改めて示唆していた。
※時刻表示は日本時間
<国内>
特になし
<海外>
○09:30 ◎ 10月豪小売売上高(予想:前月比0.1%)
○10:15 ◎ デコス・スペイン中銀総裁、講演
○10:18 ◎ ラムスデン英中銀(BOE)副総裁、講演
○10:18 ◎ ブロック豪準備銀行(RBA)総裁、講演
○16:00 ◇ 12月独消費者信頼感指数(Gfk調査、予想:▲27.9)
○16:45 ◇ 11月仏消費者信頼感指数(予想:84)
○17:00 ◎ ナーゲル独連銀総裁、講演
○23:00 ◇ 9月米住宅価格指数(予想:前月比0.4%)
◇ 7-9月期米住宅価格指数
○23:00 ◎ 9月米ケース・シラー住宅価格指数(予想:前年比4.0%)
○24:00 ◎ 11月米消費者信頼感指数(予想:101.0)
○24:00 ◎ 11月米リッチモンド連銀製造業景気指数(予想:1)
○24:00 ◎ グールズビー米シカゴ連銀総裁、あいさつ
○24:00 ◎ ウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事、講演
○29日00:45 ◎ ボウマンFRB理事、講演
○29日01:00 ◎ ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁、講演(事前収録)
○29日02:00 ◎ ハスケル英中銀金融政策委員会(MPC)委員、講演
○29日03:00 ◎ 米財務省、7年債入札
○29日03:30 ◎ レーンECB専務理事兼チーフ・エコノミスト、講演
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。
27日15:15 植田日銀総裁
「2%物価目標の実現、十分な確度では見通せない」
「賃金・物価の好循環へ良い芽出ているが、不確実性高い」
「保有ETFの処分方法を具体的に議論する段階になっていない」
27日16:55 ベイリー英中銀(BOE)総裁
「利下げについて議論するのは時期尚早」
「インフレ率を2%に下げるのは大変な作業」
「最近のインフレ低下の多くは、エネルギーコスト高騰の緩和によるもの」
※時間は日本時間
<ドル円=雲の中に再び入る、転換線を抵抗に戻り売り>
陰線引け。転換線は基準線を下回り、遅行スパンは実線を下回り、雲の中で引けているものの売りシグナルが優勢な展開となっている。2手連続陰線で雲の中に再び入ってきた。雲の上限は149.11円に本日は位置している。
転換線を下回って引けており、続落の可能性が示唆されており、本日は同線を抵抗に戻り売りスタンスで臨みたい。
レジスタンス2 150.16(21日移動平均線)
レジスタンス1 149.29(日足一目均衡表・転換線)
前日終値 148.69
サポート1 148.02(11/22安値)
サポート2 147.15(11/21安値)
<ユーロドル=転換線を支持に押し目買いスタンス>
陽線引け。転換線は基準線を上回り、遅行スパンは実線を上回り、雲の上で引けていることで三役好転の強い買いシグナルが点灯している。下押しも1.09ドル前半までだった。3手連続陽線で転換線を上回って引けており、続伸の可能性が示唆されている。
本日も転換線を支持に押し目買いスタンスで臨み、同線を下抜けた場合は手仕舞い。
レジスタンス1 1.1005(8/11高値)
前日終値 1.0954
サポート1 1.0895(日足一目均衡表・転換線)
<ポンド円=186円台半ばの転換線を支持に押し目買い>
陰線引け。転換線は基準線を上回り、遅行スパンは実線を上回り、雲の上で引けているため三役好転の強い買いシグナルが点灯中。4手連続陽線の後、昨日は24日高値の手前から失速した。孕み線で反落したものの、転換線を上回って引けており反発の可能性は残されている。
本日は、186円台半ばで横ばいの転換線を支持に押し目買いスタンスで臨み、同線を下抜けた場合は手仕舞い。
レジスタンス1 188.66(11/24高値)
前日終値 187.76
サポート1 186.57(日足一目均衡表・転換線)
<NZドル円=転換線を支持に押し目買いスタンス>
小陰線引け。転換線は基準線を上回り、遅行スパンは実線を上回り、雲の上で引けていることで三役好転の強い買いシグナルが点灯中。4手連続陽線の後、高寄り小陰線で反落した。しかしながら依然として転換線を上回って引けており、反発の可能性が示唆されている。
本日は転換線を支持に押し目買いスタンスで臨み、同線を下抜けた場合は手仕舞い。
レジスタンス1 91.20(11/15高値)
前日終値 90.67
サポート1 90.19(日足一目均衡表・転換線)
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