24日のニューヨーク外国為替市場でユーロドルは続伸。終値は1.0939ドルと前営業日NY終値(1.0905ドル)と比べて0.0034ドル程度のユーロ高水準だった。米感謝祭翌日で米債券・株式・商品市場が短縮取引となる中、ユーロ買い・ドル売りが優勢となった。ポンドやカナダドルに対してドル売りが進んだ影響も受けて、前日の高値1.0930ドルを上抜けると一時1.0949ドルまで上値を伸ばした。主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時103.36まで低下した。
なお、ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁は「インフレ率は鈍化しているが、勝利宣言はできない」「これまでの利上げの効果を見極める段階にきている」と述べたほか、デギンドスECB副総裁は「現在の金利水準は十分に長く維持されており、今後インフレは抑制される可能性が高い」などと語った。また、ミュラー・エストニア中銀総裁は「おそらくこれ以上利上げする必要はない」との見解を示した。
ドル円は3営業日ぶりに小反落。終値は149.44円と前営業日NY終値(149.56円)と比べて12銭程度のドル安水準となった。クロス円の上昇につれた買いが入った半面、対欧州・オセアニア通貨でドル売りが進んだ影響を受けたため、ドル円自体は大きな方向感が出なかった。米国市場が実質休場となる中、149円台半ばでの狭いレンジ取引に終始した。
ユーロ円は3日続伸。終値は163.47円と前営業日NY終値(163.11円)と比べて36銭程度のユーロ高水準。ユーロドルの上昇につれた買いが入ると、4時前に一時163.65円と日通し高値を付けた。欧州株相場の上昇を背景にリスク・オンの円売りも出た。
ユーロ円以外のクロス円も堅調だった。ポンド円は一時188.66円、豪ドル円は98.54円、NZドル円は91.04円、カナダドル円は109.99円、スイスフラン円は169.68円、メキシコペソ円は8.75円まで値を上げた。
本日の東京外国為替市場のドル円は、重要な経済指標や要人発言の予定もなく、米10年債利回りが4.50%手前で伸び悩んでいることで、上値が重い展開が予想される。
先週末24日に米S&Pグローバルが発表した米11月総合購買担当者景気指数(PMI)速報値は50.7と10月から横ばいだった。しかし、雇用指数が10月の51.3から49.7へ低下して3年半ぶりに50割れとなり、第4・四半期の景気減速予想と一致。その影響もあり、米中長期債の利回りが低下してドルインデックスの弱含みに繋がった。
今後も12月12-13日の米連邦公開市場委員会(FOMC)に向けて、米国の雇用情勢や物価情勢を見極めていくことになる。次回FOMCについて、WSJ紙のFed番であるニック・ティミラオス記者は「10月の米雇用統計とCPI、7月がFedの最後の利上げとなる見方を強く示唆。12月FOMCでは声明文をどのように修正し、FRBが利上げを見送ったことを反映させるかが大きな議論になりそうだ」と述べている。
CMEがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」は、12月FOMCでは、約95%程度の確率で金利据え置きを織り込み、利下げ開始時期は来年6月からだと見込んでいる。
パウエルFRB議長の発言はタカ派とハト派がまちまちとなっており、データを見極めていくことになる。タカ派発言は「必要と判断すれば一段の政策引き締めをちゅうちょしない。インフレ率を2%に下げる上で十分な引き締めを行ったと完全には確信を持てていない」。ハト派発言は「数カ月の良好なデータで見誤るリスクと、引き締め過ぎるリスクの両方に対処できるよう、引き続き慎重に行動していく」。
ドル円のテクニカル分析では、長期的には、エリオット波動の最終第5波を示唆する「斜行三角形」を形成しつつあり、中期的には高値反転を示唆する「弱気の乖離(ベアリッシュ・ダイバージェンス)」、そして短期的には「ダブル・トップ(151.72円・151.91円)」を形成しつつある。
本日は、攻防の分岐点である日足一目均衡表・転換線の149.29円、ネック・ラインである11月3日の安値の149.21円付近を念頭に入れて取引に臨むことになる。
※時刻表示は日本時間
<国内>
○08:50 ◇ 10月企業向けサービス価格指数(予想:前年比2.1%)
<海外>
○21:00 ◇ 10月メキシコ貿易収支
○23:00 ◎ ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁、議会証言
○24:00 ☆ 10月米新築住宅販売件数(予想:前月比▲4.8%/72.3万件)
○28日01:30 ◎ 米財務省、2年債入札
○28日03:00 ◎ 米財務省、5年債入札
○インド(シーク教ナナック生誕日)、休場
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。
24日16:38 ピル英中銀金融政策委員会(MPC)委員兼チーフエコノミスト
「英中銀は、断固としてインフレとの戦い継続する必要がある」
「金融政策を緩和する余裕はない」
「経済活動が低迷しているが、主に供給サイドが原因でインフレ圧力の緩和とは無関係」
「経済活動はわれわれの予想より低迷しているが、インフレの根底にある国内要因の主要指標(サービス価格インフレと賃金の伸び)を見ると、夏まで頑強に高止まりしている」
「国内インフレと賃金の伸びは直近のデータでも、わずかな歓迎すべき低下の兆しは見られたが、依然として非常に高い水準にある」
「高止まりしているインフレの構成要素を引き下げることが中銀の課題」
24日19:09 ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁
「インフレ率は鈍化しているが、勝利宣言はできない」
「これまでの利上げの効果を見極める段階にきている」
24日22:35 デギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁
「ユーロ圏経済は2023年下半期に停滞する」
「第4四半期のGDPは第3四半期と同様になる可能性が高い」
「リスクは下方に傾いている」
「現在の金利水準は十分に長く維持されており、今後インフレは抑制される可能性が高い」
25日02:44 ミュラー・エストニア中銀総裁
「おそらくこれ以上利上げする必要はない」
「インフレは明らかに減速傾向を示している」
※時間は日本時間
<ドル円=149.20円台の転換線やネックラインを意識>
陰線引け。転換線は基準線を下回り、遅行スパンは実線を下回り、雲の上で引けているものの売りシグナルが優勢な展開。抱き線で反落して転換線(※24日:149.47円)を下回って引けた。同線は本日149.29円まで水準を下げきている。
本日は転換線やダブル・トップ(151.72円・151.91円)のネック・ライン149.21円を念頭に置いた取引に。雲の上限(149.01円)を割り込むようであれば、22日安値辺りを目指す展開となるか。
レジスタンス2 151.91(11/13高値)
レジスタンス1 150.77(11/17高値)
前日終値 149.44
サポート1 148.02(11/22安値)
サポート2 147.15(11/21安値)
<ユーロドル=上向き転換線を支持に押し目買いスタンス>
陽線引け。転換線は基準線を上回り、遅行スパンは実線を上回り、雲の上で引けていることで三役好転の強い買いシグナルが点灯している。2手連続陽線で転換線を上回って引けており、続伸の可能性が示唆されている。
転換線は1.0890ドル台まで上昇してきた。本日は同線を支持に押し目買いスタンスで臨み、下抜けた場合は手仕舞い。
レジスタンス1 1.1005(8/11高値)
前日終値 1.0939
サポート1 1.0895(日足一目均衡表・転換線)
<ユーロ円=162円後半の転換線を支持に押し目買い>
陽線引け。転換線は基準線を上回り、遅行スパンは実線を上回り、雲の上で引けているため三役好転の強い買いシグナルが点灯している。3手連続陽線で転換線を上回って引けており続伸の可能性が示唆されている。
本日は、162円後半で横ばいの転換線を支持に押し目買いスタンスで臨み、同線を下抜けた場合は手仕舞い。
レジスタンス1 164.20(ピポット・レジスタンス2)
前日終値 163.47
サポート1 162.78(日足一目均衡表・転換線)
<豪ドル円=年初来高値に迫る、上昇中の転換線が支持>
陽線引け。転換線は基準線を上回り、遅行スパンは実線を上回り、雲の上で引けていることで三役好転の強い買いシグナルが点灯中。3手連続陽線で転換線を上回って引けており、続伸の可能性が示唆されている。16日につけた年初来高値98.62円に迫ってきた。
本日は、上昇中の転換線を支持に押し目買いスタンスで臨み、同線を下抜けた場合は手仕舞い。
レジスタンス1 98.88(ピポット・レジスタンス2)
前日終値 98.37
サポート1 97.73(日足一目均衡表・転換線)
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