23日のニューヨーク外国為替市場でドル円は小幅ながら続伸。終値は149.56円と前営業日NY終値(149.54円)と比べて2銭程度のドル高水準となった。欧州市場で円安・ドル高が進んだ流れを引き継いで、0時過ぎに一時149.69円と日通し高値を付けた。
ただ、買い一巡後は149円台半ばで値動きが鈍った。米国市場が感謝祭の祝日で休場とあって、欧州勢引け後は次第に商いが細った。なお、市場では「一目均衡表転換線と基準線が合わせて位置している149.53円が重要なポイント」との指摘があった。
ユーロドルは3営業日ぶりに反発。終値は1.0905ドルと前営業日NY終値(1.0888ドル)と比べて0.0017ドル程度のユーロ高水準だった。欧州時間に一時1.0930ドルと日通し高値を付けた影響が残った。ただ、NY市場では米市場が休場で商いが低調となる中、ユーロ売り・ドル買いがじわりと強まり、23時30分前に一時1.0887ドル付近まで下押しした。
もっとも、欧州勢引け後は1.0900ドル付近での小動きに終始した。市場では「まとまった規模のオプションが1.0900ドルに観測されており、小幅なレンジに収れんしやすい」との声が聞かれた。
ユーロ円は続伸。終値は163.11円と前営業日NY終値(162.84円)と比べて27銭程度のユーロ高水準。欧州株相場の上昇を背景にリスク・オンの円売りが優勢になると、0時30分前に163.19円と日通し高値を付けた。
南アフリカランド円は7.95円付近でもみ合い。南アフリカ準備銀行(SARB)はこの日、市場予想通り政策金利を現行の8.25%で据え置くことを決めたと発表。クガニャゴ総裁は会見で「現在の金利水準では政策は景気抑制的で、インフレ見通しや高止まりするインフレ期待に整合する」と述べた一方、「インフレの上振れリスクはなお残る。リスクが現実化し始める場合には行動する用意がある」と指摘した。
商品先物取引委員会(CFTC)が先週末に発表した投機筋の通貨先物ポジションで、円ショートポジションは6年ぶりの高水準となり、先週末から今週前半は米感謝祭を控えポジション調整が進み、ドル円は一時9月中旬以来の安値となる147.15円まで下押した。売りが一巡すると22日には149.75円まで切り返し、149円台で底堅い動きとなっており、1週間ぶりに150円大台を回復できるかが注目される。
米10年債利回りが約2カ月ぶりの低水準から戻りが鈍い。米連邦準備理事会(FRB)による利上げサイクル終了観測の高まりで全般ドルの重い動きが続いており、ドル円が再び上値レンジを切り上げる動きになれるかどうかは定かではない。ただ、ポジション調整が一巡し、円の先安感は根強いなか、クロス円の動き次第ではドル円が150円大台を回復し、再び昨年10月21日に記録した1990年7月以来の高値151.95円を意識した動きとなることも念頭に置きたい。
東京市場で発表予定の10月全国消費者物価指数(CPI、生鮮食品を除く総合)の予想は前年比+3.0%で、9月の同+2.8%から伸び率の上昇が見込まれている。ただ、市場予想と大きく乖離しない限り、反応は鈍いだろう。10月末の「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」で、日銀は2023年度の消費者物価指数(CPI、除く生鮮食品)見通しを+2.8%(7月は+2.5%)、24年度を+2.8%(7月は+1.9%)、25年度を+1.7%(7月は+1.6%)とした。東京タイムでは中国人民銀行(中央銀行)が発表する人民元の基準値に留意したい。最近、同基準値の結果を受けて対人民元でのドルの動きが敏感になっており、他の通貨の動きにも影響を与えている。
※時刻表示は日本時間
<国内>
○08:30 ☆ 10月全国消費者物価指数(CPI、生鮮食品を除く総合、予想:前年比3.0%)
○08:30 ☆ 10月全国CPI(生鮮食料品・エネルギー除く、予想:前年比4.1%)
○08:50 ◇ 対外対内証券売買契約等の状況(週次・報告機関ベース)
○14:00 ◇ 9月景気動向指数改定値
<海外>
○09:01 ◇ 11月英消費者信頼感指数(Gfk調査、予想:▲28)
○16:00 ☆ 7-9月期独国内総生産(GDP)改定値(季節調整済、予想:前期比▲0.1%/前年同期比▲0.3%)
○16:00 ☆ 7-9月期独GDP改定値(季節調整前、予想:前年同期比▲0.8%)
○18:00 ◎ 11月独Ifo企業景況感指数(予想:87.5)
○19:00 ◎ ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁、講演
○21:00 ◎ 7-9月期メキシコGDP確定値(予想:前期比0.9%/前年比3.3%)
○22:00 ◎ デギンドスECB副総裁、講演
○22:30 ◎ 9月カナダ小売売上高(予想:前月比横ばい/自動車を除く前月比▲0.2%)
○23:45 ◎ 11月米製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値(予想:49.8)
○23:45 ◎ 11月米サービス部門PMI速報値(予想:50.4)
○23:45 ◎ 11月米総合PMI速報値(予想:50.4)
○24:00 ◎ デコス・スペイン中銀総裁、講演
○感謝祭翌日で米債券・株式・商品市場は短縮取引
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。
23日16:25 ナーゲル独連銀総裁
「利下げについて語るのは早すぎる」
「インフレ率を目標に近づけるためには、金利は高止まりせざるを得ない」
「地政学はエネルギー価格のリスク」
「インフレ率は今後数カ月で上昇するかもしれない」
「金利がピークに達したかどうかはまだ分からない」
23日22:12
「欧州中央銀行(ECB)はまだ最も難しいインフレとの闘いに直面したまま」
「早めの緩和は間違いになる」
23日21:34 マクルーフ・アイルランド中央銀行総裁
「利上げ局面の終点に近づいているものの、更なる利上げの可能性は残されている」
「利下げの検討は時期尚早」
23日22:15 クガニャゴ南アフリカ準備銀行(SARB)総裁
「インフレ見通しは深刻な上昇リスクがある」
「据え置きは全会一致」
23日23:06 ウンシュ・ベルギー中銀総裁
「これ以上の利上げは必要ないということだが、春まで待ってもいいだろう」
「さらなる引き締めが必要になる可能性もある」
「インフレ目標の許容範囲について議論するのは正当」
23日23:10 石油輸出国機構(OPEC)
「OPECプラスの会合は30日にオンライン開催する」
※時間は日本時間
<ドル円=低下し始めた転換線へ追随した下押し警戒>
下影極小陽線引け。一目均衡表・転換線と基準線が重なっていた149.53円付近から、148.89円まで下振れが先行した。しかし148.83円に位置していた一目均衡表・雲の上限を前に下げ渋り、149.56円でNYを引けている。
本日は、横ばいの基準線付近の攻防で、低下し始めた転換線149.47円に追随するような下押しを警戒しながら推移を見守ることになる。148.91円へ切り上がった雲の上限付近では引き続き底堅さを示すとみる。
レジスタンス2 150.78(11/17高値)
レジスタンス1 149.99(11/20高値)
前日終値 149.56
サポート1 148.91(日足一目均衡表・雲の上限)
<ユーロドル=サポート期待される転換線1.0829ドルへ上昇>
上影小陽線引け。一時1.0930ドルまで上昇し、昨日NY引け時点の5日移動平均線を上回る水準だったもののやや重く、1.0905ドルと同線を多少下回って引けている。本日はサポートが期待される一目均衡表・転換線が1.0829ドルへさらに上昇。まだ上値を向けてのしっかりした後押しにならないかもしれないが押し目を下支えしそう。同線の切り上がりを支援に上値を試す展開への期待感は続いている。
レジスタンス1 1.0965(11/21高値)
前日終値 1.0905
サポート1 1.0852(11/22安値)
<ポンド円=転換線を追うように下押すも反発>
下影陽線引け。一目均衡表・転換線186.38円を下回る水準への下押しが先行した。同水準からは反発して187円半ばへ戻している。現状からすれば転換線は来週前半にも低下が予想される状態。同線に追随して下押すリスクはくすぶったまま。だが、186.67円前後へ切り上がった5日移動平均線付近での底堅さが確認できればレンジを切り上げへ向かい、転換線から上放れることができるだろう。
レジスタンス1 187.93(ピボット・レジスタンス1)
前日終値 187.46
サポート1 186.67(5日移動平均線)
<NZドル円=レンジ切り上げ転換線の低下を回避できるか>
陽線引け。まだ小幅に上昇余地を残す一目均衡表・転換線90.08円を上回る90.49円まで上昇した。同線付近の底堅さを支援としたレンジ切り上げが期待できる状況。ただ、伸び悩むと転換線は週明けに90.19円へ小幅に上昇したところで頭打ちとなる公算。レンジを切り上げるか見定めつつ、下押しリスクも視野に入れて臨まなければならない。
レジスタンス1 90.83(ピボット・レジスタンス2)
前日終値 90.45
サポート1 89.97(11/23安値)
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