21日のニューヨーク外国為替市場でドル円は横ばい。終値は148.39円と前営業日NY終値(148.39円)とほぼ同水準だった。日本時間夕刻に一時147.15円と9月14日以来の安値を付けたものの、NY市場では買い戻しが優勢となった。ロンドン16時(日本時間1時)のフィキシングに絡んだ円売り・ドル買いのフローが観測されたほか、低調な米10年物インフレ連動債(TIPS)入札や米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨をきっかけに米長期金利が上昇すると全般ドル買いが優勢となった。4時過ぎには一時148.60円と日通し高値を付けた。ただ、米長期金利が低下に転じると上値が重くなった。
なお、米連邦準備理事会(FRB)がこの日公表した10月31日-11月1日分のFOMC議事要旨では「当局者全員が金利について慎重に進めることに同意」としながらも、「インフレの進展が不十分な場合、FRBはさらなる引き締めを検討」「大半の当局者はインフレの上振れリスクを認識」との見解が示された。
ユーロドルは4営業日ぶりに反落。終値は1.0911ドルと前営業日NY終値(1.0940ドル)と比べて0.0029ドル程度のユーロ安水準だった。アジア市場では一時1.0965ドルと8月11日以来の高値を付けたものの、NY市場に入るとさえない展開となった。米感謝祭を控えて、ポジション調整目的の売りが出たほか、ロンドン・フィキシングに絡んだユーロ売り・ドル買いのフローが観測された。低調な米10年TIPS入札やFOMC議事要旨をきっかけにドル買いが強まると、一時1.0900ドルと日通し安値を付けた。
ユーロ円は4日続落。終値は161.91円と前営業日NY終値(162.32円)と比べて41銭程度のユーロ安水準。欧州市場序盤に161.25円まで売られた影響が残ったものの、NY市場に限れば、ドル円とユーロドルの値動きの影響を同時に受けたため、大きな方向感は出なかった。
昨日のドル円は一時147.15円まで続落し、大幅下落した反動もあり、米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨公表後には148.60円まで反発した。ドル円は13日に151.91円まで上昇するも、昨年10月21日に記録した1990年7月以来の高値151.95円を上抜けできず失速した。米利上げサイクル終了の見方が強まったことを背景にドル高圧力が後退し、ドル円は上値警戒感が緩んだものの、クロス円の堅調な動きが続くなど円安地合いの継続でしばらくは150円大台を維持し底堅い動きとなった。ただ、先週末に150円大台を割り込み、商品先物取引委員会(CFTC)での投機筋の通貨先物ポジションで円ショートポジションが約6年ぶりの高水準となっていることがクローズアップされるなか、米感謝祭を控え急速に円ショートポジションの調整が進んだ。
今週に入って注目の材料が乏しいなか、ドル円は下落基調を強め、どこまで調整売りが進むかが注目されたが、いったんは売りが一巡したとみていいだろう。9月13・14日の安値147.02円を下抜けし、147円大台を割り込めば145円台まで一段と売りが進んだ可能性もあっただけに、明日に日本が勤労感謝の日、米国で感謝祭を迎え流動性の低下が見込まれ油断は許されない。本日も日米市場で注目材料は乏しく、先週末から大きく下落したドル円に一段の買い戻しが入るかどうかは米長期金利の動き次第だろう。
昨日のFOMC議事要旨では、今後の利上げについて慎重なアプローチを取るとしながらも、インフレ低下の進展が不十分であることが示唆されれば金利を引き上げる必要があるとの見解で一致したことが明らかになった。米連邦準備理事会(FRB)による利上げサイクル終了しても、高金利水準が長期間続く可能性が高い一方で、日銀の金融政策正常化期待が強まっていないことを鑑みると、ドル高・円安地合いが変わったと判断するのはまだ早い。
※時刻表示は日本時間
<国内>
○未定 ◇ 11月月例経済報告
<海外>
○09:00 ◎ 7-9月期シンガポール国内総生産(GDP)確定値(予想:前期比年率1.1%)
○17:00 ◎ 10月南アフリカ消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.5%/前年比5.5%)
○17:35 ◎ ブロック豪準備銀行(RBA)総裁、講演
○20:00 ◎ センテノ・ポルトガル中銀総裁、講演
○21:00 ◇ MBA住宅ローン申請指数
○22:30 ◎ 前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:22.6万件/187.5万人)
○22:30 ◎ 10月米耐久財受注額(予想:前月比▲3.1%/輸送用機器を除く前月比0.1%)
○24:00 ◎ 11月ユーロ圏消費者信頼感指数(速報値、予想:▲17.6)
○24:00 ◎ 11月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、確報値、予想:60.6)
○23日00:30 ◇ EIA週間在庫統計
○23日01:00 ◎ ナーゲル独連銀総裁、講演
○23日01:30 ◎ マックレム・カナダ銀行(中央銀行、BOC)総裁、講演
○オランダ総選挙
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。
21日05:49 ビルロワドガロー仏中銀総裁
「景気後退は回避すべきであり、回避できる」
「ソフトランディングの可能性が高い」
「私たちはフォワードガイダンスに過度は依存しており、今後のガイダンスについてはもっと控えめになるべき」
「おそらく2024年末よりも早い時期にPEPP再投資を中止する必要がある」
「少なくとも今後数回の会合と、今後数四半期は金利が頭打ちになると予想される」
21日19:47 ベイリー英中銀(BOE)総裁
「市場はインフレ持続のリスクを過小評価している」
「市場は直近のデータを重要視し過ぎている」
21日19:48 マン英中銀金融政策委員会(MPC)委員
「今は金融政策を更に引き締めることが重要」
「2%インフレ目標へのコミットメントを強化する必要」
21日19:49 ラムズデン英中銀(BOE)副総裁
「英国経済の制限速度は低い」
「制限速度が低いと、目標インフレ率を上回る可能性が高まる」
「我々は市場金利期待から距離を置くことを明確にしている」
「家計と企業を対象とした調査は、インフレ期待の固定化と整合的」
22日01:22 ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁
「今後の決定は今後のデータ次第、インフレ目標を達成できないリスクが高まっていると判断した場合には行動する」
「昨年のインフレ急騰に大きな役割を果たしたエネルギーとサプライチェーンの混乱は現在解消されつつある」
「今後数カ月間に総合インフレ率が再び若干上昇すると予想している」
「インフレが持続的に目標に戻るための条件が整っているという確固たる証拠が得られるまで、引き続き注意を払う必要がある」
「今は勝利宣言を始める時期ではない」
「賃金の堅調な伸びは主に過去のインフレに関連したキャッチアップ効果を反映している」
21日19:53 ハスケル英中銀金融政策委員会(MPC)委員
「ヘッドライン・インフレの低下は、インフレのトレンドを判断する良い指標ではない」
22日04:03 米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(10月31日-11月1日分)
「当局者全員が金利について慎重に進めることに同意」
「インフレの進展が不十分な場合、FRBはさらなる引き締めを検討」
「複数の当局者は、個人消費の勢いが維持される可能性を指摘」
「当局者らは需要と供給のバランスは引き続き改善していると指摘」
「当局者は今後数カ月間のデータがインフレ継続の程度を明らかにするのに役立つと予想」
「当局者らはインフレ圧力が緩和するさらなる証拠が必要だと指摘」
「当局者らは消費支出に関するデータが再び予想外に上向きになったと指摘」
「インフレ率を2%に戻すために金融政策スタンスを十分に制限的に維持することが重要」
「多くの当局者は成長への下振れリスクを認識」
「大半の当局者はインフレの上振れリスクを認識」
※時間は日本時間
<ドル円=雲の中で戻り試す>
下影同事線引け。147.15円まで下振れが先行した。しかし147円前半で上昇中の90日移動平均線を割り込んだ同水準から反発して、148.39円でNYの取引を終えている。
本日147.34円前後へ切り上がった90日線付近や昨日安値付近での底堅さを背景に雲の中で戻りを試す展開。雲の上限に沿ったペースにとどまるかもしれないが、低下が見込まれる一目・転換線を試すところまで戻せるか注視する局面となる。
レジスタンス2 149.53(日足一目均衡表・転換線および基準線)
レジスタンス1 148.97(11/13-21下落幅の38.2%戻し)
前日終値 148.39
サポート1 147.70(11/21レンジ38.2%水準)
<ユーロドル=維持してきた5日線を割り込む調整も>
上影小陰線引け。8月11日以来の高値1.0965ドルまで上昇後は調整の売りが優位となった。上ひげを伴う目先の重さを示唆する足型を形成している。ここまで維持してきた5日移動平均線を割り込む調整も視野に入れて臨みたい。同線は本日1.0906ドル前後へ切り上がって推移。ピボットや上昇が見込まれる一目・転換線1.0811ドルなどがめどになるか。
レジスタンス1 1.0965(11/21高値)
前日終値 1.0911
サポート1 1.0860(ピボット・サポート2)
<ユーロ円=昨日レンジ付近で次に動き出す方向を探る状態>
下影陰線引け。8日以来の安値161.25円まで下落が先行した。しかし下げ渋り、一目均衡表・転換線162.78円と基準線に挟まれたレンジ中程に戻してNYの取引を終えている。頭打ちが予想される転換線と、本日161.00円で推移する基準線に挟まれて方向感が出にくそう。昨日のレンジ付近で次に動き出す方向を探る状態といえる。
レジスタンス1 162.43(11/21高値)
前日終値 161.91
サポート1 161.25(11/21安値)
<豪ドル円=転換線ピークアウト前にレンジ切り上げたい>
下影同事線引け。下ひげをともなう足型を形成して下げ渋る展開が続いている。まだ上昇余地がある転換線付近の底堅さが続くか。ただ、同線は、現状からすれば来週早々にも97.73円で頭打ちとなる公算。上向きの流れを継続するためには、同線のピークアウト前にレンジを切り上げ始める必要がある。
レジスタンス1 97.73(11/20高値)
前日終値 97.29
サポート1 96.84(11/21安値)
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