20日のニューヨーク外国為替市場でドル円は3日続落。終値は148.39円と前営業日NY終値(149.63円)と比べて1円24銭程度のドル安水準となった。米利上げ打ち止め観測などを背景に円買い・ドル売りが先行。20時30分過ぎに一時148.10円と10月3日以来の安値を付けた。市場では「今週は米感謝祭を控えていることから、ポジション調整目的の円買い・ドル売りが中心となっている」との声が聞かれた。
米商品先物取引委員会(CFTC)が17日発表した14日時点の建玉報告によると、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)の通貨先物市場で非商業部門(投機筋)の円の対ドル持ち高は売りと買いの差し引きで13万249枚の売り越し(ドル円のロング)と2017年11月以来の大きさとなったことが伝わっている。
なお、米10年債利回りが上昇に転じた場面では148.69円付近まで下げ渋る場面もあったが、戻りは鈍かった。好調な米20年債入札をきっかけに米10年債利回りが再び低下したことなどが相場の重しとなり、148.15円付近まで押し戻された。
ユーロドルは3日続伸。終値は1.0940ドルと前営業日NY終値(1.0915ドル)と比べて0.0025ドル程度のユーロ高水準だった。米連邦準備理事会(FRB)の利上げ局面が終了したとの見方からユーロ買い・ドル売りが優勢となった。米国株相場の上昇を背景にリスクオンのドル売りも出て一時1.0952ドルと8月15日以来の高値を付けた。主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時103.38と9月1日以来の低水準を付けた。
ユーロ円は3日続落。終値は162.32円と前営業日NY終値(163.27円)と比べて95銭程度のユーロ安水準。ドル円の下落につれた売りが優勢となり、20時30分過ぎに一時161.78円と日通し安値を付けたものの、売り一巡後は徐々に下値を切り上げた。ユーロドルの上昇につれた買いが入り、162円台半ばまで下げ渋った。
昨日のドル円は150円大台前に戻りが抑えられると148円前半まで一段と調整売りが進んだ。商品先物取引委員会(CFTC)が先週末に発表した投機筋の通貨先物ポジションで、円ショートポジション(11月14日まで)は前週に比べて2万6209枚拡大の13万249枚と2017年11月以来6年ぶりの高水準となっており、円の買い戻しが出やすい。米利上げサイクル終了の思惑が強まりドル高の動きが後退しているなか、今週後半に米感謝祭を控えドル円の戻りが鈍くなりそうで、どこまで調整の売りが進むかが注目される。
ただ、足もとで円買いに傾くのはポジション調整と円買い介入だけとの声も大きく、ドル円が大きく売り込まれる可能性は低い。主要国の利上げが終焉に向かい、いよいよ市場の視線は利下げサイクルのスタートに向けられているが、高金利が長引く可能性が警戒される一方で、日銀の金融政策正常化への不透明感は払しょくされておらず、金融政策格差を背景とした円独歩安の流れが変わったとはいえない。また、各国の中銀が積極的に金融引き締めを進めたが、市場が懸念したほど景気の後退は見られず、今後引き締め姿勢を緩めることに伴い景気への期待が強まれば、リスクオンの円売りが加速する可能性もある。
本日も東京タイムでは主な経済指標や注目のイベントは予定されておらず、ドル円は時間外の米長期金利や日経平均の動きを眺めながらの動きが予想される。海外市場では米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨の公表が予定されているが、大きな手がかりになる可能性は低い。シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」では12月と来年1月のFOMCでの金利据え置き予想が100%に達するなど、市場の目線は利下げ時期がいつになるかに向けられている。
※時刻表示は日本時間
<国内>
特になし
<海外>
○08:00 ◎ ブロック豪準備銀行(RBA)総裁、パネルディスカッションに参加
○09:30 ◎ 11月RBA理事会議事要旨
○17:30 ◎ 10月香港消費者物価指数(CPI、予想:前年同月比2.1%)
○19:00 ◇ 10-12月期南アフリカ経済研究所(BER)企業信頼感指数(予想:37)
○22:30 ◎ 10月カナダCPI(予想:前月比0.1%/前年比3.2%)
○24:00 ◎ 10月米中古住宅販売件数(予想:前月比▲1.5%/年率換算390万件)
○22日01:00 ◎ ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁、講演
○22日02:00 ◎ シュナーベルECB専務理事、講演
○22日02:35 ◎ センテノ・ポルトガル中銀総裁、講演
○22日04:00 ☆ 米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(10月31日-11月1日分)
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。
20日16:58 ウンシュ・ベルギー中銀総裁
「利下げリスクへの賭けが、逆に利上げを促している」
「12月と1月は政策金利を据え置くべき」
20日22:11 イエレン米財務長官
「米中両国は協力する機会があると認識」
「バイデン米大統領は習近平・中国国家主席に対し、台湾政策は変わっていないことを明言した」
「中国の米国への投資に関する問題について議論した」
「米国では食品を含む一部の重要な価格が依然として上昇している」
「インフレは低下していると思う」
20日23:55 デコス・スペイン中銀総裁
「金利引き下げについて話し始めるのは完全に時期尚早だ」
21日02:28 バーキン米リッチモンド連銀総裁
「フォワードガイダンスを提供する時期ではない」
「全体的なコアインフレ率は順調に下がっているが、その多くは商品によるもの」
「現場の取引先は、依然としてパンデミック前よりも速いペースで値上げを行っていると報告している」
「インフレは長期にわたって物価上昇を促す頑固なものとして引き続き注視」
21日03:50 ベイリー英中銀(BOE)総裁
「利下げを考えるには時期尚早だ」
「インフレ率を2%の目標に戻すことが、引き続きBOEの絶対的な優先事項」
「インフレ率が高いときは、リスクを冒さない」
「中東での悲劇的な出来事がエネルギー価格の上昇リスクを高めている」
「労働市場は最近軟化しているにもかかわらず、依然として逼迫している」
※時間は日本時間
<ドル円=雲の上限を割り込む>
大陰線引け。一目均衡表・雲の上限を割り込んで下落した。10月3日以来の安値148.10円をつけている。転換線が基準線と重なり、一目均衡表の買いサインがすべて消えている。
戻しても、本日148.66円に位置する雲の上限の上昇に沿うような緩やかなペースにとどまるか。雲付近から離れることができても、149.70円前後で低下傾向の5日移動平均線付近で動きが停滞しやすいだろう。
レジスタンス2 149.70(5日移動平均線)
レジスタンス1 148.81(10/30安値)
前日終値 148.39
サポート1 147.43(10/3安値)
<ユーロドル=5日線の切り上がり伴う上昇基調継続へ>
陽線引け。堅調な推移が続き、8月15日以来の高値1.0952ドルまで上伸した。1.09ドル前後で上昇中の5日移動平均線の切り上がりを伴う上向きの流れが継続。反転の兆候となる特段のチャートパターンも確認されておらず、上昇基調が続くと予想される。
レジスタンス1 1.1005(8/11高値)
前日終値 1.0940
サポート1 1.0899(5日移動平均線)
<ポンド円=転換線が戻り局面で抵抗になりそう>
下影陰線引け。直近の下値の節目となる10日安値184.64円に並ぶ水準まで大きく下振れた。184.70円前後で上昇中の21日移動平均線や一目均衡表・基準線184.53円も付近に位置するレンジでいったん下げ渋っている。しかし頭打ちが予想される一目均衡表・転換線186.46円が反発局面で抵抗になりそうであり戻りは重いだろう。
レジスタンス1 186.46(日足一目均衡表・転換線)
前日終値 185.56
サポート1 184.64(11/10・20安値)
<NZドル円=5日線付近の重さこなせるかどうかがポイントか>
小陰線引け。重い動きだが、一目均衡表・基準線88.99円を下値に控える水準で下げ渋っており、気迷い気味の足型を形成している。方向性は不透明で、5日移動平均線付近の重さをこなして戻せるかどうかが目先のポイントか。同線を上回ることができれば、現水準90.08円から緩やかな上昇が予想される一目・転換線に追随して水準を切り上げる展開が期待できる。
レジスタンス1 89.96(5日移動平均線)
前日終値 89.56
サポート1 88.99(日足一目均衡表・基準線)
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