7日のニューヨーク外国為替市場でユーロドルは続落。終値は1.0700ドルと前営業日NY終値(1.0718ドル)と比べて0.0018ドル程度のユーロ安水準だった。弱い独鉱工業生産を手掛かりに独長期金利が低下し、欧米金利差を意識した売りが先行した。23時30分過ぎには一時1.0664ドルまで本日安値を更新。もっとも、その後は米長期金利が低下幅を拡大したことでドル買い戻しの動きが和らいだため、1.07ドル台を回復するなど下げ止まった。
ドル円は続伸。終値は150.40円と前営業日NY終値(150.07円)と比べて33銭程度のドル高水準となった。対欧州通貨などでドル高が進んだ流れに沿って、23時30分過ぎに150.69円まで本日高値を更新した。その後は米長期金利の低下幅拡大を受け、150.30円台まで調整が入るなどやや上値が重くなった。
なお、ボウマン米連邦準備制度理事会(FRB)理事は「依然として追加利上げが必要になると見込んでいる」との見解を示したほか、複数のFRB高官からインフレを警戒するコメントが伝わったが、相場への影響は限られた。
ユーロ円は4日続伸。終値は160.92円と前営業日NY終値(160.84円)と比べて8銭程度のユーロ高水準だった。欧州時間には独経済指標の悪化を背景にしたユーロ売りが先行し、一時160.43円まで値を下げる場面があった。NY時間に入るとドル円の上昇につれて下げ渋る展開に。ただ、本日も総じてドル絡みの取引が中心であったため、次第に160円台後半で方向感が乏しくなった。
ドル円は再び円安基調が強まってきた。本日の東京外国為替市場では円買い介入が実施される防衛水準が151円台なのか否かを見極めていくことになる。
神田財務官は、今月1日にドル円が151円台で推移していた時、「過度な変動にはあらゆる手段を排除せず適切な行動をとる」と述べ、介入を含めた準備状況に関しては、「スタンバイだ。マーケットの状況を緊張感を持って見ているなかで判断する」とドル売り・円買い介入の可能性を警告していた。
ドル円が151円台に乗せて上昇していく可能性としては、中東情勢の緊迫化が第5次中東戦争に拡大して、石油ショックが引き起こされた場合の円建て資産のトリプル安(株安、債券安、円安)が想定される。
イスラエルが、イスラム組織ハマスが実効支配するパレスチナ自治区ガザ地区に対して本格的な地上侵攻を開始した場合、ハマスを支援するイランが参戦し、第5次中東戦争に拡大する可能性が警戒されている。さらに、レバノンを拠点とする武装組織ヒズボラは、地上侵攻を「レッドライン」超えとして介入した場合、イスラエルはハマスとの「第一戦線」に加えて、ヒズボラとの「第二戦線」の両面作戦を強いられることになる。
先日、イスラエルのアミサイ・エリヤフ遺産大臣が「ガザに原爆を投下する選択肢」に言及して、閣議出席を禁止された。しかし、ヒズボラ「第二戦線」とイラン「第三戦線」が参戦して第5次中東戦争に拡大した場合、国家存亡の危機に追い込まれたイスラエルが、戦術核の使用に踏み切る可能性が警戒されており、要警戒となる。
一方、昨日のNY債券市場では米10年債利回りが4.50%台に低下しており、本日のドルの上値を抑える要因になるのかもしれない。
ドルの懸念材料としては、17日に期限を迎える「つなぎ予算」失効。米政府機関が閉鎖され、米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスが米国債の格下げを決定する可能性が挙げられる。関連ヘッドラインには警戒しておきたい。
※時刻表示は日本時間
<国内>
○08:50 ◇ 10月外貨準備高
○14:00 ◇ 9月景気動向指数速報値(予想:先行108.8/一致114.7)
<海外>
○16:00 ◎ 10月独消費者物価指数(CPI)改定値(予想:前月比横ばい/前年比3.8%)
○16:45 ◇ 9月仏貿易収支
○16:45 ◇ 9月仏経常収支
○17:40 ◎ カザークス・ラトビア中銀総裁、レーン欧州中央銀行(ECB)専務理事兼チーフ・エコノミスト、講演
○18:00 ◎ ウンシュ・ベルギー中銀総裁、講演
○18:00 ◎ マクルーフ・アイルランド中銀総裁、講演
○18:30 ◎ ベイリー英中銀(BOE)総裁、講演
○19:00 ◎ 9月ユーロ圏小売売上高(予想:前月比▲0.2%/前年比▲3.1%)
○19:15 ◎ クック米連邦準備理事会(FRB)理事、講演
○20:00 ◎ ナーゲル独連銀総裁、講演
○未定 ◎ ポーランド中銀、政策金利発表(予想:5.50%に引き下げ)
○21:00 ◇ MBA住宅ローン申請指数
○21:00 ◎ 9月ブラジル小売売上高(予想:前年同月比2.5%)
○21:30 ◎ デコス・スペイン中銀総裁、講演
○21:30 ◎ ブイチッチ・クロアチア中銀総裁、講演
○22:30 ◇ 9月カナダ住宅建設許可件数(予想:前月比▲1.6%)
○23:15 ☆ パウエルFRB議長、あいさつ
○24:00 ◇ 9月米卸売売上高(予想:前月比0.8%)
○9日03:00 ◎ 米財務省、10年債入札
○9日03:40 ◎ ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁、講演
○9日04:00 ◎ バーFRB副議長、講演
○ユーロ圏財務相会合
○先進7カ国(G7)外相会合(都内、最終日)
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。
7日07:40 カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁
「利上げ終了を確信せず」
「インフレ率が2%を超えることは非常に懸念される」
「必要ならFRBは追加利上げをするだろう」
「利下げについてFRBで議論することはない」
「労働市場はかなり堅調な状態が続いている」
「経済が弱くなっていることを示す多くの証拠は予測していない」
7日12:30 オーストラリア準備銀行(RBA)声明
「インフレ率を目標に戻すという断固とした決意に変わりはなく、そのために必要なことを行っていく」
「追加引き締めは引き続き経済データとリスクがどのように進展するかによって決まる」
「インフレ率はピークを過ぎたが、依然として高水準であり、数カ月前に予想されていたよりも持続的」
「最新のCPI、物価インフレが和らいでいる一方、多くのサービス価格が活発に上昇していることを示している」
「インフレ率は24年末までに約3.5%、25年末には目標範囲(2-3%)の上限に達すると予想」
「見通しには依然として大きな不確実性が残っている」
「世界的には、中国経済の見通しと海外での紛争の影響で、高い水準の不確実性が継続」
「更なる金融引き締めを決定するにあたり、理事会は世界経済の発展、国内需要の動向、インフレと労働市場の見通しに引き続き注意を払い続ける」
7日23:12 グールズビー米シカゴ連銀総裁
「インフレ率を下げることが最優先課題」
「次回のFOMCまで時間があり、政策決定はデータ次第」
「雇用市場のバランスは改善しつつある」
8日03:30 ボウマン米連邦準備制度理事会(FRB)理事
「依然として追加利上げが必要になると見込んでいる」
「政策の決定は指標次第。今後入ってくるデータを注視していく」
8日03:39 ローガン米ダラス連銀総裁
「11月の金利据え置きの判断は適切だったとの認識」
「インフレは依然として高すぎる」
「インフレ率は依然として2%ではなく、3%に向かう傾向にあるようだ」
※時間は日本時間
<ドル円=昨日安値や基準線を支持に押し目買いスタンス>
陽線引け。転換線は基準線を上回り、遅行スパンは実線を上回り、雲の上で引けていることで三役好転の強い買いシグナルが点灯している。2手連続陽線で転換線を上回って引けており続伸の可能性が示唆されている。
本日も転換線150.27円を念頭に置き、149.90円台まで上昇してきた基準線や同線付近の昨日安値を支持に押し目買いスタンスで臨みたい。
レジスタンス2 151.72(10/31高値)
レジスタンス1 150.97(11/2高値)
前日終値 150.37
サポート1 149.95(日足一目均衡表・基準線)
サポート2 148.81(10/30安値)
<ユーロドル=横ばいの転換線を支持に押し目買いスタンス>
陰線引け。転換線は基準線を上回り、遅行スパンは実線を上回り、雲の中で引けているものの買いシグナルが優勢な展開となっている。2手連続陰線でも依然として転換線を上回っては引けており、反発の可能性が残されている。
本日は1.0630ドル台で横ばいの転換線を支持に押し目買いスタンスで臨みたい。
レジスタンス1 1.0799(日足一目均衡表・雲の上限)
前日終値 1.0700
サポート1 1.0637(日足一目均衡表・転換線)
<ユーロ円=160円前半の11/6安値が目先の支持水準>
小陽線引け。転換線は基準線を上回り、遅行スパンは実線を上回り、雲の上で引けていることで三役好転の強い買いシグナルが点灯中。一時2008年以来の161円台乗せを達成した。4手連続陽線で転換線を上回って引けており続伸の可能性が示唆されている。
転換線は159.30円台とやや距離があり、目先の支持水準としては週明け6日につけた160.10円辺りか。160円を割り込むようなら、転換線までの下押しも想定しておきたい。
レジスタンス1 161.74(ピボット・ターニングポイント)
前日終値 160.90
サポート1 160.10(11/6安値)
<豪ドル円=上昇中の転換線を支持に押し目買いスタンス>
陰線引け。転換線は基準線を上回り、遅行スパンは実線を上回り、雲の上で引けていることで三役好転の強い買いシグナルが点灯中。転換線を上回って引けているため反発の可能性は示唆されているものの、高値圏での抱き線で反落したことには注意しておきたい。
本日は96.10円台まで上昇してきた転換線を支持に押し目買いスタンスで臨み、同線を下抜けた場合は手仕舞い。
レジスタンス1 97.59(11/7高値)
前日終値 96.78
サポート1 96.13(日足一目均衡表・転換線)
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