6日のニューヨーク外国為替市場でドル円は4営業日ぶりに反発。終値は150.07円と前営業日NY終値(149.39円)と比べて68銭程度のドル高水準となった。米長期金利の上昇を手掛かりに、為替市場で全般ドル買いが優勢となった影響を受けた。米10年債利回りは前週末まで大きく低下していたが、本日は4.66%台まで上昇。米金利上昇を背景に円売り・ドル買いが進み、一時150.08円まで本日高値を更新した。
ユーロドルは3営業日ぶりに反落。終値は1.0718ドルと前営業日NY終値(1.0731ドル)と比べて0.0013ドル程度のユーロ安水準だった。欧州時間までは米連邦準備理事会(FRB)の利上げサイクルが終了したとの観測を背景に底堅く推移していたが、NY勢の参入後はドル買い戻しの流れに沿って徐々に上値を切り下げた。引け前には1.0716ドルの安値まで下押しした。
ユーロ円は3日続伸。終値は160.84円と前営業日NY終値(160.24円)と比べて60銭程度のユーロ高水準だった。NY時間はドル絡みの取引が中心となったことで方向感が乏しくなった。一時160.98円まで高値を更新したものの、総じて160.80円を挟んだもみ合いに終始した。
本日の東京外国為替市場のドル円は、NY市場での米10年債利回りの上昇を受けた堅調地合いが続くことが予想されるものの、150円台では伸び悩む展開が予想される。
ドル円の注目水準は、3日の高値150.55円、日足一目均衡表・転換線(※過去9日間の高値・安値の中心値)の150.27円、NYカットオプションの行使価格が集中している150.00円となる。
NY債券市場では、2-7年国債の利回りが10bp以上上昇する局面があったが、社債の大量発行や本日からの米国債入札への警戒感によるものとされた。クックFRB理事の発言「米長期債利回りの上昇は、一段の利上げに対する市場の期待で引き起こされたものではない」通りなのかもしれない。
今月1日の午前8時頃、ドル円が151円台で推移していた時、神田財務官は「短い間に数円動いている。一方的で急激な動きを懸念していて、過度な変動にはあらゆる手段を排除せず適切な行動をとる」と述べた。介入を含めた準備状況に関しては、「スタンバイだ。マーケットの状況を緊張感を持って見ているなかで判断する」とドル売り・円買い介入の可能性を警告していた。
ドル円が151円台に向けた再び上昇基調に入った場合は、本邦通貨当局によるドル売り・円買い介入がスタンバイから実施に移されるのかもしれない。
現状、ドル円が上昇する可能性としては、中東情勢の緊迫化が第5次中東戦争に拡大して、石油ショックが引き起こされた場合の円建て資産のトリプル安(株安、債券安、円安)が想定される。50年前の1973年の第4次中東戦争と第一次石油ショックによる円安局面が再現された場合、本邦通貨当局による円買い介入で歯止めがかけられるのか否かを見極めることになる。
12時30分に発表される豪準備銀行(RBA)政策金利は、現行4.10%から0.25%引き上げて4.35%にすることが予想されている。10月3日のRBA理事会の議事要旨では、再利上げを検討したものの、オフィシャル・キャッシュレートの誘導目標を4会合連続で据え置く根拠がより強いと判断したことが示された。しかし、「インフレ率が現在予想されているより目標水準への戻りが遅くなる可能性を委員会はさほど容認し得ない。従って、さらなる利上げが必要かどうかは、今後発表される統計と、それが経済見通しとリスク評価の進展をどう変化させるかに左右される」と説明。
オーストラリアの7-9月期の消費者物価指数(CPI)は、前年同期比5.4%上昇し、豪中銀が注目しているコアインフレ率の指標(CPIトリム平均)も前年同期比5.2%上昇していた。ブロックRBA総裁は、インフレ見通しが大幅に上方修正された場合、追加利上げをためらわない、と述べている。豪準備銀行(RBA)は、2025年末までにインフレ率を2-3%の目標レンジの範囲内に確実に戻すことを目指している。
※時刻表示は日本時間
<国内>
○08:30 ◇ 9月毎月勤労統計(現金給与総額、予想:前年比1.2%)
○08:30 ◇ 9月家計調査(消費支出、予想:前年比▲2.7%)
<海外>
○09:01 ◇ 10月英小売連合(BRC)小売売上高調査
○未定 ◎ 10月中国貿易収支(予想:820.0億ドルの黒字)
○12:30 ☆ 豪準備銀行(RBA)政策金利発表(予想:4.35%に引き上げ)
○15:45 ◇ 10月スイス失業率(季節調整前、予想:2.1%)
○16:00 ◎ 9月独鉱工業生産(予想:前月比▲0.1%/前年同月比▲2.7%)
○19:00 ◎ 9月ユーロ圏卸売物価指数(PPI、予想:前月比0.5%/前年比▲12.5%)
○22:00 ◎ グールズビー米シカゴ連銀総裁、講演
○22:30 ◇ 9月カナダ貿易収支(予想:10.0億カナダドルの黒字)
○22:30 ◎ 9月米貿易収支(予想:599億ドルの赤字)
○23:15 ◎ バー米連邦準備理事会(FRB)副議長、講演
○23:50 ◎ シュミッド米カンザスシティ連銀総裁、講演
○24:00 ◎ ウォラーFRB理事、講演
○8日02:00 ◎ ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁、講演
○8日03:00 ◎ 米財務省、3年債入札
○8日03:30 ◎ ローガン米ダラス連銀総裁、講演
○8日04:30 ◎ ナーゲル独連銀総裁、講演
○8日05:00 ◇ 9月米消費者信用残高(予想:100億ドル)
○先進7カ国(G7)外相会合(都内、8日まで)
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。
6日08:50 9月21-22日分の金融政策決定会合議事要旨
「わが国の景気について、緩やかに回復しているとの認識で一致」
「海外経済について、回復ペースが鈍化しているとの認識を共有」
「(わが国の)景気の先行きについて、当面は、海外経済の回復ペース鈍化による下押し圧力を受けるものの緩やかな回復を続ける、その後は潜在成長率を上回る成長を続ける、との認識を共有」
「長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)の運用に関して、従来の運用を維持することが適当であるとの認識を共有」
「長期国債以外の資産の買入れに関して、従来の方針を維持することが適当との意見で一致」
「金融政策運営方針について、内外の経済や金融市場を巡る不確実性がきわめて高い中、経済・物価・金融情勢に応じて機動的に対応しつつ、粘り強く金融緩和を継続していくことで、賃金の上昇を伴う形で2%の「物価安定の目標」を持続的・安定的に実現することを目指していく、との基本方針を共有」
6日10:06 植田日銀総裁
「景気は緩やかに回復している」
「現時点で、物価目標の持続的・安定的な実現を十分な確度を持って見通せる状況になお至っていない」
「長期金利に上昇圧力がかかる場合でも、1%を大幅に上回って推移するとは見ていない」
「イールドカーブコントロール(YCC)下で粘り強く緩和を継続し、経済活動を支え賃金が上昇しやすい環境整えることが政策運営の基本」
「(運用再見直しで)YCC下での緩和継続、長期金利を強力に低位で抑え、経済を刺激する効果と副作用のバランスとることが求められる」
「金融政策の経済・物価への効果を捉える上で、実質金利が重要」
「先行きも実質金利はマイナス圏で推移するとみられ、十分に緩和的な金融環境は維持される」
「2%物価目標に向けた見通しの確度が少しずつ高まってきている」
「来年の春闘は重要な点検ポイント、動向を注視していく必要」
「輸入物価の上昇に由来する物価押上げ効果、原油高で時間を要するにせよ次第に減衰してゆく」
「米国の急激な利上げの影響、今後ラグを伴って実体経済と金融双方で強く出てくる可能性も」
「物価目標の実現への見通し持てない間はマイナス金利は維持」
「賃金や価格転嫁、企業ごとのばらつきの実情の把握は重要」
「(金融政策見通しで)来年のどの辺でどうなるか、現時点では何とも言えない」
7日01:16 ホルツマン・オーストリア中銀総裁
「必要に応じて再び利上げできるように準備しておかなければならない」
「すぐ金利を引き下げると期待するべきではない。当分の間はないだろう」
7日02:08 ピル英中銀金融政策委員会(MPC)委員兼チーフエコノミスト
「英国のインフレ率は依然として非常に高い」
「金利政策は英国にとって依然制限的」
「インフレは我々の期待よりも持続している」
※時間は日本時間
<ドル円=11/2高値を抵抗に戻り売りスタンス>
陽線引け。転換線は基準線を上回り、遅行スパンは実線を上回り、雲の上で引けていることで三役好転の強い買いシグナルが点灯中。3手連続陰線の後、切り返し線で反発したものの、依然として転換線を下回って引けており反落の可能性は残されている。
本日は転換線150.27円を念頭に置き、2日高値を抵抗に戻り売りスタンスで臨み、同水準を上抜けた場合は手仕舞い。
レジスタンス2 151.72(10/31高値)
レジスタンス1 150.97(11/2高値)
前日終値 150.07
サポート1 149.58(日足一目均衡表・基準線)
サポート2 148.17(10/10安値)
<ユーロドル=上向きの転換線を支持に押し目買いスタンス>
小陰線引け。転換線は基準線を上回り、遅行スパンは実線を上回り、雲の中で引けているものの買いシグナルが優勢な展開となっている。2手連続陽線の後、孕み線で反落したものの、依然として転換線を上回って引けており反発の可能性が示唆されている。
本日は1.0630ドル台で上向きの転換線を支持に押し目買いスタンスで臨みたい。下抜けた場合でも1.06ドル台に乗せてきた基準線との攻防も注目か。
レジスタンス1 1.0799(日足一目均衡表・雲の上限)
前日終値 1.0718
サポート1 1.0637(日足一目均衡表・転換線)
<ポンド円=11/6安値を支持に押し目買いスタンス>
陽線引け。転換線は基準線を上回り、遅行スパンは実線を上回り、雲の上で引けていることで三役好転の強い買いシグナルが点灯している。3手連続陽線で、転換線を大きく上回って引けており続伸の可能性が示唆されている。
本日は184.60円台の6日安値を支持に押し目買いスタンスで臨み、同水準を下抜けた場合は一旦手仕舞い。
レジスタンス1 186.77(8/22高値)
前日終値 185.25
サポート1 184.68(11/6安値)
<NZドル円=11/2高値付近まで押し目買いスタンス>
小陰線引け。転換線は基準線を下回っているが、遅行スパンは実線を上回り、雲の上で引けているため買いシグナルが優勢な展開。被せ線で反落したものの、転換線を上回って引けているため反発の可能性が示唆されている。
本日は88円後半の2日高値付近まで押し目買いスタンスで臨み、88円前半の転換線を下抜けた場合は手仕舞い。
レジスタンス1 90.20(9/29高値)
前日終値 89.49
サポート1 88.85(11/2高値)
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