3日のニューヨーク外国為替市場でドル円は3日続落。終値は149.39円と前営業日NY終値(150.45円)と比べて1円06銭程度のドル安水準となった。米労働省が発表した10月米雇用統計では非農業部門雇用者数が前月比15.0万人増と予想の18.0万増を下回り、失業率が3.9%と予想の3.8%より弱い内容となった。市場では「米連邦準備理事会(FRB)の利上げサイクルが終了した」との見方が広がり、米長期金利の指標となる米10年債利回りは一時4.4798%前後と9月25日以来の低水準を記録。米金利の大幅低下とともにドル売りが優勢となった。その後発表の10月米ISM非製造業景況指数が51.8と予想の53.0を下回ったことも相場の重しとなり、一時149.21円と日通し安値を付けた。
主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時104.94と9月20日以来の低水準を付けた。
ユーロドルは続伸。終値は1.0731ドルと前営業日NY終値(1.0622ドル)と比べて0.0109ドル程度のユーロ高水準だった。今週の米連邦公開市場委員会(FOMC)をきっかけに米利上げ終結観測が高まる中、米金利の低下とともにドル売りが先行。この日発表の米経済指標が軒並み予想を下回ったこともドル売りを促し、2時過ぎには一時1.0747ドルと9月14日以来の高値を更新した。
ユーロ円も続伸。終値は160.24円と前営業日NY終値(159.81円)と比べて43銭程度のユーロ高水準。米雇用統計や米長期金利の低下が好感されて、ダウ平均が一時320ドル超上昇すると、投資家のリスク志向が改善し円売り・ユーロ買いが優勢となった。2時過ぎに一時160.40円と日通し高値を更新した。
ユーロ円以外のクロス円も上昇が目立った。ポンド円は一時185.02円、豪ドル円は97.32円、NZドル円は89.62円、スイスフラン円は166.47円、南アフリカランド円は8.20円まで値を上げた。
本日の東京外国為替市場のドル円は、低調な米10月雇用統計を受けた米10年債利回りの低下により上値が重い展開が予想される。
米10月の雇用統計(失業率:3.9%、非農業部門雇用者数:前月比+15万人)を受けて、米10年債利回りは一時4.47%台まで低下。シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」では、来年2024年の米連邦公開市場委員会(FOMC)の利下げ開始時期に対する見通しを7月から5月に前倒ししている。
また、米連邦準備理事会(FRB)の元エコノミストであるクローディア・サーム博士が提唱した「サーム・ルール: Sahm Rule」では、リセッション(景気後退)入りリスクが高まりつつあるようだ。米失業率の「3ヵ月移動平均(※3.833%)」と「過去1年間の最低水準(※3.4%)」の差が0.5%以上になった場合、1年以内にリセッション入りするとの説だが、10月時点では0.433%となっている。
さらに、7月にウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)紙が、起業・廃業モデルなどを理由に、NFPが労働市場を過大評価している可能性を指摘した懸念が再び浮上するのかもしれない。10月の雇用統計では、12.2万の会社・政府機関などの事業所調査(Establishment survey)での非農業部門雇用者数(Non-Farm Payroll)は前月比で15万人増加していたが、6万世帯の家計調査(Household survey)では、就労者数は34.8万人減少していた。
中東情勢に関しては、イスラエルのアミハイ・エリヤフ文化遺産担当相が、パレスチナ自治区ガザへの核兵器使用は「選択肢の一つだ」と述べたことが波紋を広げている。もし、レバノンを拠点とする武装組織ヒズボラが介入して「第二戦線」が開かれた場合、そして核保有国のイランが介入して、「第三戦線」が開かれた場合、戦術核が使用される可能性が高まることになる。
現状でのドル売り・円買い材料としては、以下の通りとなる。
・米国議会での11月17日のつなぎ予算の期限に向けた2024年度予算案採決への警戒感
・米連邦準備理事会(FRB)の利上げサイクル終了観測
・日本銀行の金融政策正常化
ドル買い・円売り材料は、以下の通り。
・中東紛争が第5次中東戦争まで拡大して、石油ショックが引き起こされる可能性
(1973年の第4次中東戦争、第一次石油ショックでの円建て資産トルプル安の再現)
※時刻表示は日本時間
<国内>
○08:50 ☆ 9月21-22日分の日銀金融政策決定会合議事要旨
<海外>
○16:00 ◎ 9月独製造業新規受注(予想:前月比▲1.0%/前年同月比▲2.3%)
○17:35 ◎ デギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁、講演
○17:50 ◎ 10月仏サービス部門PMI改定値(予想:46.1)
○17:55 ◎ 10月独サービス部門PMI改定値(予想:48.0)
○18:00 ◎ 10月ユーロ圏サービス部門PMI改定値(予想:47.8)
○18:30 ◎ 10月英建設業購買担当者景気指数(PMI、予想:46.0)
○21:45 ◎ ホルツマン・オーストリア中銀総裁、講演
○24:00 ◇ 10月カナダIvey購買部協会景気指数
○7日02:00 ◎ ピル英中銀金融政策委員会(MPC)委員兼チーフエコノミスト、講演
○7日03:00 ◎ ナーゲル独連銀総裁、講演
○ロシア(民族統一の日の振替休日)、休場
○米国は5日から冬時間に移行済み
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。
3日23:20 バーキン米リッチモンド連銀総裁
「労働市場はより良いバランスにある」
「雇用統計で圧力が弱まったのは歓迎すべきこと」
「FRBの次の動きを予断しない」
「FRBは次回の利上げ決定までにさらに多くのデータを見極める必要がある」
「インフレ率の低下に注目している」
「私の中では、利下げはまだ先のこと」
4日05:04 ボスティック米アトランタ連銀総裁
「経済見通しを考慮すると政策は適切な位置にある可能性が高い」
「8-10カ月の金利維持を支持する可能性も」
「雇用者数に満足、見通しと一致している」
「FRBはデータを監視し、忍耐強く待つ時間がある」
「リセッション(景気後退)なしにインフレ率2%を達成できると思う」
※時間は日本時間
<ドル円=150円前半の転換線を抵抗に戻り売りスタンス>
陰線引け。転換線は基準線を上回り、遅行スパンは実線を上回り、雲の上で引けていることで三役好転の強い買いシグナルが点灯中。しかし3手連続陰線、三羽烏で転換線を下回って引けており続落の可能性が示唆されている。
本日は転換線を抵抗に戻り売りスタンスで臨み、同線を上抜けた場合は手仕舞い。149.58円で横ばいの基準線も念頭に置きたい。
レジスタンス2 151.72(10/31高値)
レジスタンス1 150.27(日足一目均衡表・転換線)
前日終値 149.39
サポート1 148.17(10/10安値)
サポート2 147.88(日足一目均衡表・雲の上限)
<ユーロドル=雲の下限から転換線が支持帯に押し目買い>
大陽線引け。転換線は基準線を上回り、遅行スパンは実線を上回り、雲の中で引けているものの買いシグナルが優勢な展開となっている。2手連続陽線、転換線を大きく上回って引けており続伸の可能性が示唆されている。
雲の下限が1.0659ドル、転換線が1.0630ドル台で横ばい。本日はそれら水準を支持帯とし押し目買いスタンスで臨みたい。転換線を下抜けた場合は手仕舞い。
レジスタンス1 1.0814(日足一目均衡表・雲の上限)
前日終値 1.0731
サポート1 1.0632(日足一目均衡表・転換線)
<ユーロ円=転換線を支持に押し目買いスタンス>
陽線引け。転換線は基準線を上回り、遅行スパンは実線を上回り、雲の上で引けていることで三役好転の強い買いシグナルが点灯している。2手連続陽線で転換線を上回って引けており続伸の可能性が示唆されている。
本日は159.20円台の転換線辺りまでを支持に押し目買いスタンスで臨みたい。同線を下抜けた場合でも、1・2日安値159.07円の攻防が注目される。
レジスタンス1 160.88(ピポット・レジスタンス2)
前日終値 160.24
サポート1 159.28(日足一目均衡表・転換線)
<豪ドル円=5手連続陽線引け、買いスタンス継続>
陽線引け。転換線は基準線を上回り、遅行スパンは実線を上回り、雲の上で引けていることで三役好転の強い買いシグナルが点灯している。5手連続陽線で転換線を上回って引けており、上昇基調の強さがうかがえる。
95円後半の転換線は依然として強い支持水準として意識されている。下向きの調整があった場合、まずは2・3日の安値圏96円半ばの攻防が注目される。
レジスタンス1 97.81(ピポット・レジスタンス2)
前日終値 97.29
サポート1 95.79(日足一目均衡表・転換線)
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