25日のニューヨーク外国為替市場でドル円は続伸。終値は150.23円と前営業日NY終値(149.91円)と比べて32銭程度のドル高水準となった。9月米新築住宅販売件数が75.9万件と予想の68.0万件を上回ったことが伝わると円売り・ドル買いが先行。低調な米5年債入札をきっかけに米10年債利回りが4.96%台まで上昇したことも相場の支援材料となった。3日の高値150.16円を上抜けて断続的にストップロスを誘発すると、一時150.32円と昨年10月21日以来約1年ぶりの高値を更新した。
ユーロドルは続落。終値は1.0566ドルと前営業日NY終値(1.0590ドル)と比べて0.0024ドル程度のユーロ安水準だった。ユーロ豪ドルやユーロNZドルなどユーロクロスの上昇につれた買いが先行すると一時1.0596ドル付近まで下げ渋る場面もあったが、戻りは鈍かった。米長期金利の上昇や米住宅指標の上振れを受けて全般ドル買いが強まると、1.0566ドルと欧州時間に付けた日通し安値に面合わせした。
ユーロ円は小幅ながら続落。終値は158.75円と前営業日NY終値(158.77円)と比べて2銭程度のユーロ安水準。ユーロ圏経済の弱さが意識される中、2時30分過ぎに一時158.44円付近まで売られたものの、日本時間夕刻に付けた日通し安値158.41円が目先サポートとして意識されると買い戻しが進んだ。ドル円の上昇につれた買いが入ると158.83円付近まで持ち直した。
カナダドルは弱含み。米株安や原油安などを手掛かりにカナダドル売りが優勢となり、対米ドルで1.3810カナダドル、対円で108.57円まで値を下げた。
なお、カナダ銀行(BOC)はこの日、市場予想通り政策金利を現行の5.00%に据え置くことを決めたと発表。声明では「これまでの利上げが経済活動を抑制し、物価上昇圧力を緩和している兆しが増えている」と指摘した一方、「物価安定に向けた進展が鈍く、インフレリスクが高まっていることを懸念している」とし、「必要なら政策金利をさらに引き上げる用意がある」と強調した。
本日の東京外国為替市場のドル円は、150円台に乗せてきていることで本邦通貨当局のドル売り・円買い介入に警戒していく展開となる。
ドル円は、3日の150.16円、23日の150.11円に続いて、今回150.32円まで上昇しており、本邦通貨当局によるドル売り・円買い介入の有無を見極めることになる。
昨年秋の円買い介入は、ボラティリティー抑制を名目として実施されたが、ドル円の動向は、以下の通りとなっており、ボリンジャー・バンド+2σ付近から一目均衡表・基準線付近まで下落している。現時点の+2σは150.40円付近、基準線は148.82円となっている。
■9月22日の第1弾の円買い介入(2兆8382億円)東京午後17時30分過ぎ
・下落幅(▲5.54円):高値145.90円から安値140.36円
・+2σ:146.12円、基準線:140.28円
■10月21日の第2弾の円買い介入(5兆6202億円)東京午後23時30分過ぎ
・下落幅(▲5.72円):高値151.95円から安値146.23円
・+2σ:150.39円、基準線:146.16円
■10月24日の第3弾の円買い介入(7296億円)東京午前8時30分過ぎ
・下落幅(▲4.15円):高値149.71円から安値145.56円
・+2σ:150.69円、基準線:146.16円
また、引き続き中東情勢や米下院の議長選出に関するヘッドラインにも警戒しておきたい。
中東情勢に関しては、ネタニヤフ・イスラエル首相が「ガザ地上侵攻の準備をしている」と述べているものの、米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)は、米国とイスラエルの当局者の話として、イスラエルは米国が中東に防空システムを配備できるまでパレスチナ自治区ガザへの地上侵攻を遅らせることに同意した、と報じている。
3日のマッカーシー米下院議長の解任で議長不在の機能不全に陥っている米下院は、共和党が党内選挙を行い、マイク・ジョンソン議員を4人目となる議長候補に選出したものの、トランプ前大統領寄りの人物であるため、下院本会議での選出に必要な過半数(217議席)の支持を得られるかどうか不透明のままとなっている。
バイデン米政権が目指すウクライナやイスラエルへの支援は、議会の採決が必要であり、つなぎ予算の期限である11月17日を過ぎると、政府機関の閉鎖や米国債格下げへの警戒感が高まることになる。
※時刻表示は日本時間
<国内>
○08:50 ◇ 9月企業向けサービス価格指数(予想:前年比2.0%)
○08:50 ◇ 対外対内証券売買契約等の状況(週次・報告機関ベース)
<海外>
○07:00 ◎ ブロック豪準備銀行(RBA)総裁、議会証言
○09:30 ◇ 7-9月期豪輸入物価指数(予想:前期比0.1%)
○18:30 ◇ 9月南アフリカ卸売物価指数(PPI、予想:前月比1.1%/前年比4.7%)
○20:00 ◎ トルコ中銀、政策金利発表(予想:35.00%に引き上げ)
○21:00 ◇ 9月メキシコ失業率(季節調整前、予想:2.90%)
○21:15 ☆ 欧州中央銀行(ECB)定例理事会、終了後政策金利発表(予想:4.50%で据え置き)
○21:30 ☆ 7-9月期米国内総生産(GDP)速報値(予想:前期比年率4.5%)
◎ 7-9月期米個人消費(速報値、予想:前期比年率4.0%)
◎ 7-9月期米コアPCE(速報値、予想:前期比年率2.5%)
○21:30 ◎ 9月米耐久財受注額(予想:前月比1.7%/輸送用機器を除く前月比0.2%)
○21:30 ◎ 前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:20.8万件/174.0万人)
○21:30 ◇ 9月米卸売在庫(予想:前月比0.1%)
○21:45 ☆ ラガルドECB総裁、定例記者会見
○22:00 ◎ ウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事、あいさつ
○23:00 ◎ 9月米住宅販売保留指数(仮契約住宅販売指数、予想:前月比▲2.0%/前年比▲14.6%)
○23:00 ◎ カンリフ英中銀(BOE)副総裁、講演
○27日02:00 ◎ 米財務省、7年債入札
〇欧州連合(EU)首脳会議(ブリュッセル、27日まで)
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。
25日17:13 独Ifo経済研究所のフュースト所長
「欧州中央銀行(ECB)は2024年後半に利下げに踏み切る可能性」
「ECBがこれ以上の利上げに踏み切る理由はほとんど見当たらない」
25日23:00 カナダ銀行(BOC、カナダ中央銀行)声明
「世界経済は減速しており、過去の政策金利の引き上げや最近の債券利回りの上昇が需要を圧迫しているため、成長はさらに鈍化すると予想」
「今年の世界のGDP成長率を2.9%、2024年を2.3%、2025年を2.6%と予測」
「世界成長見通しは7月時点からほぼ変わっていないが、米国経済の成長が示すように構成は変化している」
「中国の経済活動は予想よりも好調だった」
「ユーロ圏の成長はさらに鈍化した」
「供給のボトルネックが解消され、需要の低迷により価格圧力が緩和されるため、ほとんどの国でインフレは緩和しつつある」
「しかし、基調的なインフレが続いていることから、中銀は引き続き警戒を続けている」
「原油価格は7月想定時よりも高くなっており、イスラエルのガザでの戦争は新たな地政学的な不確実性の原因となっている」
「10月予測では、CPIインフレ率は来年半ばまで平均約3.5%となり、2025年には2%まで徐々に緩和すると予想」
「インフレ率は7月の予測とほぼ同じ時期に目標に戻るが、短期的な軌道はエネルギー価格とコアインフレの継続により、上昇している」
「理事会は物価安定に向けた進展が遅れ、インフレリスクが高まっていることを懸念しており、必要に応じて政策金利をさらに引き上げる用意がある」
「理事会はコアインフレの下向きの勢いを確認したいと考えており、引き続き経済の需要と供給のバランス、インフレ期待、賃金の伸び、企業の価格設定行動に焦点を当てている」
「BOCは物価安定を回復するという決意を貫く」
26日00:24 マックレム・カナダ銀行(中央銀行、BOC)総裁
「利上げが効果を示しているという明確な証拠が見られる」
「為替レートは金融政策の仕組みの一部」
「為替レートは目標にしないが、考慮する」
「コアインフレ率の明確な下降傾向を確認する必要がある」
「インフレは予想よりも上昇傾向にある」
「7月以降、全体的なインフレリスクが高まっている」
「エネルギー価格の上昇と基調インフレの持続が懸念されて進捗が遅れている」
「現在、原油価格は7月に想定していたよりも高止まりすると予想」
26日01:07 ロシアのショイグ国防相
「核攻撃に関する訓練を開始する」
26日01:39 ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁
「インフレとの戦いはまだ終わっていない」
「(イスラエルとハマスの紛争)どのような影響を与えるか注意深く監視」
26日02:35 ネタニヤフ・イスラエル首相
「ガザ地上侵攻の準備をしている」
※時間は日本時間
<ドル円=転換線を支持に押し目買いスタンス>
陽線引け。転換線は基準線を上回り、遅行スパンは実線を上回り、雲の上で引けていることで三役好転の強い買いシグナルが点灯中。2手連続陽線で転換線を上回って引けており続伸の可能性が示唆されている。
本日は、転換線を支持に押し目買いスタンスで臨み、同線を下抜けた場合は手仕舞い。
レジスタンス2 151.95(2022/10/21高値)
レジスタンス1 150.95(ピボット・ターニングポイント)
前日終値 150.23
サポート1 149.58(日足一目均衡表・転換線)
サポート2 148.82(日足一目均衡表・基準線)
<ユーロドル=10/25高値を抵抗に戻り売りスタンス>
陰線引け。転換線は基準線を上回っているものの、遅行スパンは実線を下回り、雲の下で引けていることで、売りシグナルが優勢な展開。2手連続陰線で転換線を下回って引けており続落の可能性が示唆されている。
本日は、25日高値を抵抗に戻り売りスタンスで臨み、同水準を上抜けた場合は手仕舞い。
レジスタンス1 1.0607(10/25高値)
前日終値 1.0566
サポート1 1.0483(10/6安値)
<ユーロ円=雲の上限を支持に押し目買いスタンス>
小陰線引け。転換線は基準線を上回り、遅行スパンは実線を上回り、雲の上で引けていることで、三役好転の強い買いシグナルが点灯している。2手連続陰線でも転換線を上回って引けており反発の可能性が示唆されている。
本日は、転換線158.45円を念頭に置き、雲の上限を支持に押し目買いスタンスで臨み、同線を下抜けた場合は手仕舞い。
レジスタンス1 159.92(10/24高値)
前日終値 158.75
サポート1 157.90(日足一目均衡表・雲の上限)
<豪ドル円=10/25高値を抵抗に戻り売りスタンス>
上影陰線引け。転換線は基準線を下回り、遅行スパンは実線を下回り、雲の上で引けているものの、売りシグナルが優勢な展開となっている。95.90円まで上影を伸ばした抱き線で反落して転換線を下回って引けており続落の可能性が示唆されている。
本日は、25日の高値を抵抗に戻り売りスタンスで臨み、同水準を上抜けた場合は手仕舞い。
レジスタンス1 95.90(10/25高値)
前日終値 94.78
サポート1 93.94(日足一目均衡表・雲の下限)
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