23日のニューヨーク外国為替市場でユーロドルは3日続伸。終値は1.0670ドルと前営業日NY終値(1.0594ドル)と比べて0.0076ドル程度のユーロ高水準だった。一時は5.0187%前後と2007年7月以来の高水準を記録した米10年債利回りが4.82%台まで低下すると全般ドル売りが優勢となった。市場では「26日の欧州中央銀行(ECB)定例理事会を前にポジション調整目的のユーロ買いが入った」との声も聞かれ、3時30分過ぎには一時1.0678ドルと9月20日以来約1カ月ぶりの高値を付けた。
主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時105.52まで低下した。
ドル円は反落。終値は149.71円と前営業日NY終値(149.86円)と比べて15銭程度のドル安水準となった。週明け早朝取引では一時150.11円まで上昇する場面もあったが、NY市場に入ると徐々に弱含んだ。米長期金利が急速に低下したため全般ドル売りが優勢となり、オセアニア時間の安値149.74円を下抜けて一時149.56円と日通し安値を更新した。
ユーロ円は3日続伸。終値は159.74円と前営業日NY終値(158.77円)と比べて97銭程度のユーロ高水準。ユーロドルの上昇につれた買いが入ったほか、安く始まった米国株が一時上昇に転じるなど底堅く推移したことが相場の支援材料となった。3時30分過ぎには一時159.78円と2008年8月以来およそ15年ぶりの高値を更新した。
オセアニア通貨は堅調だった。米長期金利が低下に転じたほか、中東情勢の緊張から上昇していた原油先物価格も下落。投資家の過度なリスク回避姿勢が和らぎ、リスクセンチメントに敏感なオセアニア通貨には買い戻しが入った。豪ドル米ドルは0.6349米ドル、NZドル米ドルは0.5858米ドルまで上げたほか、豪ドル円は95.02円、NZドル円は87.67円と日通し高値を更新した。
本日の東京外国為替市場のドル円は、米10年債利回りの低下、来週の日銀金融政策決定会合への警戒感、本邦通貨当局によるドル売り・円買い介入の警戒感から上値が重い展開が予想される。
ドル円は150円という本邦通貨当局のドル売り・円買い介入警戒水準付近での膠着状況が続いている。3日のニューヨーク市場では150.16円まで上昇したものの、大口のドル売りで147円台まで反落し、昨日のシドニー市場では150.11円まで上昇したものの、東京市場では伸び悩む展開となった。
現時点での相場変動要因を整理して置きたい。
まず、ドル高・円安の根幹にある日米金融政策の方向性の相違がある。
10月31-11月1日の米連邦公開市場委員会(FOMC)は、米国中長期金利の上昇が利上げの代替となるとの見立てや中東情勢の不透明感から、政策金利据え置き観測が高まっており、ドルの上昇を抑制している。
30-31日の日銀金融政策決定会合では、経済・物価情勢の展望(展望リポート)で、2023年度と24年度のコア消費者物価指数の前年度比上昇率の見通しが上方修正となる可能性、イールドカーブコントロール(長短金利操作、YCC)の再修正の可能性が、円安を抑制している。
7月に神田財務官が日銀の金融政策に言及した後、日銀金融政策決定会合でYCCの運用柔軟化が決定されており、今月16日に神田財務官が金融政策に言及したことで、YCCの運用柔軟化の可能性が警戒されている。
そして、中東情勢の緊迫化を受けて、有事のドル買いへの警戒感が高まりつつある中、リスクシナリオは、第5次中東戦争と石油ショックによる円建て資産のトリプル安現象(円安・株安・債券安)となる。
さらに、米国議会での次期下院議長の選任が難航していることは、ウクライナやイスラエルへの支援の遅れ、そして、11月17日のつなぎ予算が切れて米国政府機関の閉鎖になれば、米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスによる米国債格下げというドル売り要因に繋がる。
※時刻表示は日本時間
<国内>
特になし
<海外>
○15:00 ◎ 9月英雇用統計(失業率/失業保険申請件数推移)
○15:00 ◎ 6-8月英失業率(ILO方式、予想:4.3%)
○15:00 ◇ 11月独消費者信頼感指数(Gfk調査、予想:26.6)
○16:15 ◎ 10月仏製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値(予想:44.4)
○16:15 ◎ 10月仏サービス部門PMI速報値(予想:44.6)
○16:30 ◎ 10月独製造業PMI速報値(予想:40.0)
○16:30 ◎ 10月独サービス部門PMI速報値(予想:50.0)
○17:00 ◎ ブロック豪準備銀行(RBA)総裁、講演
○17:00 ◎ 10月ユーロ圏製造業PMI速報値(予想:43.7)
○17:00 ◎ 10月ユーロ圏サービス部門PMI速報値(予想:48.7)
○17:30 ◎ 10月英製造業PMI速報値(予想:44.7)
○17:30 ◎ 10月英サービス部門PMI速報値(予想:49.3)
○22:45 ◎ 10月米製造業PMI速報値(予想:49.5)
○22:45 ◎ 10月米サービス部門PMI速報値(予想:49.8)
○22:45 ◎ 10月米総合PMI速報値(予想:50.0)
○23:00 ◎ 10月米リッチモンド連銀製造業景気指数(予想:2)
○25日02:00 ◎ 米財務省、2年債入札
○インド(ヒンドゥー教ダシェラ祭)、休場
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。
23日の金融市場では、要人の発言は特になかった。
※時間は日本時間
<ドル円=基準線を支持に押し目買いスタンス>
陰線引け。転換線は基準線を上回り、遅行スパンは実線を上回り、雲の上で引けていることで三役好転の強い買いシグナルが点灯中。抱き線で反落したものの転換線を上回って引けており反発の可能性が示唆されている。しかし、高値圏での弱気の乖離には警戒しておきたい。
本日は、転換線149.48円を念頭に置き、基準線を支持に押し目買いスタンスで臨み、同線を下抜けた場合は手仕舞い。
レジスタンス2 151.95(2022/10/21高値)
レジスタンス1 150.16(10/3高値)
前日終値 149.71
サポート1 148.74(日足一目均衡表・基準線)
サポート2 146.57(日足一目均衡表・雲の上限)
<ユーロドル=転換線を支持に押し目買いスタンス>
陽線引け。転換線は基準線を下回り、遅行スパンは実線を下回り、雲の下で引けており、三役逆転の強い売りシグナルが点灯中。しかし、3手連続陽線で転換線を上回って引けており続伸の可能性が示唆されている。
本日は、転換線を支持に押し目買いスタンスで臨み、同線を下抜けた場合は手仕舞い。
レジスタンス1 1.0747(日足一目均衡表・雲の下限)
前日終値 1.0670
サポート1 1.0587(日足一目均衡表・転換線)
<ユーロ円=転換線を支持に押し目買いスタンス>
陽線引け。転換線は基準線を上回り、遅行スパンは実線を上回り、雲の上で引けていることで、三役好転の強い買いシグナルが点灯している。3手連続陽線で転換線を上回って引けており続伸の可能性が示唆されている。
本日は、転換線を支持に押し目買いスタンスで臨み、同線を下抜けたら手仕舞い。
レジスタンス1 160.61(ピポット・レジスタンス2)
前日終値 159.74
サポート1 158.38(日足一目均衡表・転換線)
<豪ドル円=10/12高値を抵抗に戻り売りスタンス>
陽線引け。転換線は基準線を下回り、遅行スパンは実線を下回り、雲の上で引けているものの、売りシグナルが優勢な展開となっている。陽線で切り返して、一時基準線95.00円を上回ったものの、転換線を下回って引けており反落の可能性が示唆されている。
本日は、12日の高値を抵抗に戻り売りスタンスで臨み、同水準を上抜けた場合は手仕舞い。
レジスタンス1 95.83(10/12高値)
前日終値 94.86
サポート1 93.85(日足一目均衡表・雲の下限)
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