20日のニューヨーク外国為替市場でユーロドルは小幅ながら続伸。終値は1.0594ドルと前営業日NY終値(1.0582ドル)と比べて0.0012ドル程度のユーロ高水準だった。米10年債利回りが一時4.9927%前後と2007年7月以来の高水準を記録するとユーロ売り・ドル買いが先行。21時30分前に1.0565ドルとアジア時間に付けた日通し安値に面合わせした。
ただ、米10年債利回りが4.89%台まで低下すると全般ドル売りが優勢となり、2時30分前には一時1.0604ドルと日通し高値を付けた。もっとも、前日の高値1.0616ドルが目先レジスタンスとして意識されたため、上値も限定的だった。
なお、ボスティック米アトランタ連銀総裁は「インフレ率はかなり低下しており、今後も続くはず」と述べたほか、メスター米クリーブランド連銀総裁は「インフレ見通しのリスクは依然として上向き」「あと1回の利上げは自身の見解と一致」などと語った。
ドル円は小反発したものの、動意は薄かった。終値は149.86円と前営業日NY終値(149.80円)と比べて6銭程度のドル高水準。植田和男日銀総裁が「賃金の上昇を伴う形で2%の物価安定の目標を持続的・安定的に実現することを目指す」としたうえで、「粘り強く金融緩和を継続していく」と改めて表明したため円売りが出やすかった。21時30分前には一時149.99円と日本時間夕刻に付けた日通し高値に面合わせした。
ただ、政府・日銀による為替介入への警戒感は根強く、心理的節目である150円に迫る水準では足踏み状態となっている。NY時間の安値は2時過ぎに付けた149.78円で値幅は21銭程度と非常に小さかった。なお、今日の安値は夕刻に付けた149.69円で一日の値幅も30銭程度だった。
ユーロ円は続伸。終値は158.77円と前営業日NY終値(158.52円)と比べて25銭程度のユーロ高水準だった。ドル円とユーロドルの値動きの影響を同時に受けたため、大きな方向感は出なかった。
本日の東京外国為替市場のドル円は、早朝に中東情勢の緊迫化を受けた有事のドル買いや日米金利差を意識し150円近辺での取引が続き、本邦通貨当局によるドル売り・円買い介入の可能性に警戒する展開が予想される。
日本経済新聞の22日付朝刊が、日銀内でイールドカーブコントロール(長短金利操作、YCC)の再修正論が浮上していると報じており、日銀筋からの見解に注目しておきたい。
神田財務官は、先週、「為替はファンダメンタルに沿って安定推移が好ましいが、過度の変動があれば経済に悪影響があるため、適切な行動を取るというのは国際的に認められている」と述べた。
昨年10月は、12-13日のG20財務相・中央銀行総裁会議の後、21日のニューヨーク市場(東京時間23時30分過ぎ)と24日のシドニー市場(東京時間8時30分過ぎ)にドル売り・円買い介入が実施された。今年も12-13日のG20会議の後に口先介入(鈴木財務相「為替は場合によって適切な対応が求められる」や神田財務官「為替介入で過度の変動に対抗する」)が行われていることで、要警戒となる。
2022年10月20日のドル円は150.29円まで上昇していた。そして、21日(金曜日)には、151.95円まで上昇した局面で円買い介入が実施され、24日(月曜日)にも、追撃の円買い介入が実施された。当時、神田財務官は「投機筋によって為替が大きく変動し、国民生活、世界経済に悪影響を及ぼすのは容認できない」と述べていた。
バイデン米大統領は、ウクライナへの支援に加えて、イスラエルへの支援を表明しており、米議会に対して、イスラエル関連140億ドル、ウクライナ関連610億ドルの支援を含めた1000億ドルの追加予算を米議会に要求している。しかし、3日にマッカーシー米下院議長が解任されて以降、3回にわたる下院議長投票でも次期議長が選出されない状況が続いており、予算案の採決などの議会運営が難航している。
イスラエル軍がパレスチナ自治区ガザで地上攻撃に踏み切った場合、ハマスを支援するイランは参戦すると警告していることで、戦火は一気に拡大して第5次中東戦争が勃発するリスクが高まるため、本日も中東情勢関連のヘッドラインには警戒しておきたい。
米国は、ロシアに侵攻されているウクライナ支援、中国からの侵攻が警戒されている台湾支援、そして、第5次中東戦争への警戒感が高まっているイスラエルの支援という三面作戦を余儀なくされる。そして、プーチン露大統領と習中国国家主席は、ウクライナ戦争と中東での戦争で米国が疲弊するのを待つという対米戦略での結束の強化を再確認しており、世界の分断化が深まる様相を呈しつつある。
※時刻表示は日本時間
<国内>
特になし
<海外>
○14:00 ◎ 9月シンガポール消費者物価指数(CPI、予想:前年比4.1%)
○23:00 ◎ 10月ユーロ圏消費者信頼感指数(速報値、予想:▲18.3)
○ニュージーランド(労働者の日)、香港(重陽節)、休場
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。
20日05:37 米格付け会社ムーディーズ
「イスラエルの格付け『A1』を引き下げる可能性」
「英国の格付け見通しを「ネガティブ」から「安定的」に変更」
20日06:23 ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁
「最新のデータは予想よりわずかに強い」
「必要に応じてさらなる利上げを支持する可能性」
「しばらくは高金利を維持することに大きく賭けたい」
「自分はドット・プロットの下限にある傾向」
20日06:25 ボスティック米アトランタ連銀総裁
「賃金と物価のスパイラルは見られない」
「賃金は現在の経済における遅行指標」
「FRBは雇用市場に大きなダメージを与えることなくインフレを制御できると信じている」
20日20:37
「インフレ率はかなり低下しており、今後も続くはず」
「経済は底堅い」
「企業関係者は、景気減速が近づいていると述べている」
20日08:06 ローガン米ダラス連銀総裁
「インフレが2%に向かっているとはまだ確信できない」
「景気抑制的なスタンスを継続することが重要」
「米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ時期については考えていない」
20日10:14 鈴木財務相
「為替相場は金利も含め様々な要因を背景に変動」
「ファンダメンタルズを反映して安定的に推移すること重要」
20日15:41 植田日銀総裁
「粘り強く金融緩和、賃金上昇を伴う2%の物価目標実現を目指す」
「内外の経済や金融市場を巡る不確実性が極めて高い」
「経済・物価・金融情勢に応じて機動的に対応」
「金融・為替動向や日本経済・物価への影響を十分注視する必要」
21日01:18 メスター米クリーブランド連銀総裁
「インフレ見通しのリスクは依然として上向き」
「金利は当面の間、ピークに維持されると予想」
「あと1回の利上げは自身の見解と一致」
「FRBは利上げサイクルのピークかそれに近い状態にある」
※時間は日本時間
<ドル円=転換線を支持に押し目買いスタンス>
陽線引け。転換線は基準線を上回り、遅行スパンは実線を上回り、雲の上で引けていることで三役好転の強い買いシグナルが点灯中。孕み線で切り返して転換線を上回って引けており続伸の可能性が示唆されている。
本日は、転換線を支持に押し目買いスタンスで臨み、同線を下抜けた場合は手仕舞い。
レジスタンス2 151.95(2022/10/21高値)
レジスタンス1 150.30(ピボット・ターニングポイント)
前日終値 149.86
サポート1 149.27(日足一目均衡表・転換線)
サポート2 148.74(日足一目均衡表・基準線)
<ユーロドル=10/13安値を支持に押し目買いスタンス>
陽線引け。転換線は基準線を下回り、遅行スパンは実線を下回り、雲の下で引けており、三役逆転の強い売りシグナルが点灯中。しかし、2手連続陽線で転換線を上回って引けており続伸の可能性が示唆されている。
本日は、転換線1.0568ドルを念頭に置き、13日の安値を支持に押し目買いスタンスで臨み、同水準を下抜けた場合は手仕舞い。
レジスタンス1 1.0640(10/12高値)
前日終値 1.0594
サポート1 1.0496(10/13安値)
<ポンド円=10/12高値を抵抗に戻り売りスタンス>
陽線引け。転換線は基準線を上回り、遅行スパンは実線を下回り、雲の中で引けているものの、転換線を下回って引けていることで売りシグナルが優勢な展開となっている。2手連続陽線でも転換線を下回って引けており続落の可能性が示唆されている。
本日は、12日の高値を抵抗に戻り売りスタンスで臨み、同水準を上抜けたら手仕舞い。
レジスタンス1 183.82(10/12高値)
前日終値 182.29
サポート1 181.00(日足一目均衡表・基準線)
<NZドル円=転換線を抵抗に戻り売りスタンス>
陰線引け。転換線は基準線を下回っているものの、遅行スパンは実線を上回り、雲の上で引けていることで、買いシグナルが優勢な展開となっている。しかし、4手連続陰線で転換線を下回って引けており続落の可能性が示唆されている。
本日は、転換線を抵抗に戻り売りスタンスで臨み、同線を上抜けた場合は手仕舞い。
レジスタンス1 88.53(日足一目均衡表・転換線)
前日終値 87.34
サポート1 86.87(日足一目均衡表・雲の下限)
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