18日のニューヨーク外国為替市場でユーロドルは3営業日ぶりに反落。終値は1.0536ドルと前営業日NY終値(1.0577ドル)と比べて0.0041ドル程度のユーロ安水準だった。米長期金利の指標である米10年債利回りが一時4.9255%前後と2007年7月以来の高水準を記録すると全般ドル買いが先行。前日の安値1.0533ドルを下抜けて一時1.0523ドルと日通し安値を更新した。主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時106.64まで上昇した。
ただ、米20年債入札が「堅調」と受け止められると米長期金利が上昇幅を縮小。ユーロドルにも買い戻しが入り、1.0554ドル付近まで下げ渋る場面があった。
なお、米連邦準備理事会(FRB)はこの日公表した米地区連銀経済報告(ベージュブック)で「ほとんどの地区では9月以降、経済活動にほとんど変化は見られなかった」「労働市場の逼迫は引き続き緩和した」「米経済の短期的見通しは安定、もしくは成長がやや軟化している」と指摘した。
ドル円は小幅ながら続伸。終値は149.93円と前営業日NY終値(149.81円)と比べて12銭程度のドル高水準だった。米長期金利の上昇を受けて円売り・ドル買いが優勢となった。前日の高値149.85円を上抜けて一時149.94円と3日以来の高値を更新した。
ただ、ユーロ円などクロス円の下落につれた売りが出たため、上昇のスピードは緩やかだった。心理的節目である150円に近づくと、政府・日銀による為替介入への警戒感も高まるようだ。
ユーロ円は3日ぶりに反落。終値は157.97円と前営業日NY終値(158.46円)と比べて49銭程度のユーロ安水準。中東情勢の緊迫化や米長期金利の上昇を背景にダウ平均が一時400ドル近く下落すると、リスク・オフの円買いが優勢となった。1時過ぎに157.69円と日通し安値を更新した。
ユーロ円以外のクロス円も軟調。ポンド円は181.86円、豪ドル円は94.84円、NZドル円は87.68円、カナダドル円は109.28円、南アフリカランド円は7.85円、メキシコペソ円は8.18円まで値を下げた。
ただ、スイスフラン円は下値が堅かった。中東情勢の緊張が高まっていることから、安全通貨とされるスイスフランを買う動きが広がり、一時167.19円まで上昇する場面があった。
本日の東京外国為替市場のドル円は、米10年債利回りの上昇や中東情勢の緊迫化を受けて有事のドル買いの様相を呈し始めていることで、150円台に上昇する局面では、本邦通貨当局によるドル売り・円買い介入の可能性に警戒する展開が予想される。
昨年10月は、12-13日のG20財務相・中央銀行総裁会議の後、21日と24日にドル売り・円買い介入が実施されており、今年も12-13日のG20会議の後に口先介入(鈴木財務相「為替は場合によって適切な対応が求められる」や神田財務官「為替介入で過度の変動に対抗する」)が行われていることで、要警戒となる。
昨日、イスラエルを訪問したバイデン米大統領は、イスラエルが確実に自国を防衛できユダヤ人安住の地に戻せるように、イスラエルに対する「前例のない支援」を週内に議会に求めると表明し、一方でガザとヨルダン川西岸地区の住民向けに1億ドルの人道支援を行うことも表明した。しかし、ウクライナやイスラエルへの支援策を採択する米国下院では、議長選の第2回投票でも議長を選出できずに議会運営が機能不全に陥っており、政府閉鎖を巡る問題や中東情勢の緊迫化に対応できていない。
そして、一部報道では、イスラエル軍がパレスチナ自治区ガザで地上作戦の開始を準備中、と報じられており、本日も中東情勢に関するヘッドラインの要警戒となる。
イスラエルが地上攻撃を始めた場合には、ハマスを支援するイランは参戦すると警告していることで、戦火は一気に拡大して第5次中東戦争が勃発するリスクが高まる。
米国は、ロシアに侵攻されているウクライナ支援、中国からの侵攻が警戒されている台湾支援、そして、第5次中東戦争への警戒感が高まっているイスラエルの支援という三面作戦を余儀なくされる。そして、プーチン露大統領と習中国国家主席は、対米戦略での結束の強化を再確認しており、世界の分断化が深まる様相を呈しつつある。
8時50分に発表される日本の9月貿易統計(通関ベース、予想:季節調整前4250億円の赤字、季節調整済5537億円の赤字)では、本邦実需筋による円売り圧力を確認することになる。
9時30分に発表される9月豪雇用統計(予想:失業率3.7%/新規雇用者数2.00万人)では、10月の豪準備銀行(RBA)議事要旨で「さらなる金利引き上げが必要かどうかは、今後のデータと、それが経済見通しやリスク評価の進展にどのように変化するかに依存する」と言及されたことで要注目となる。
※時刻表示は日本時間
<国内>
○08:50 ◎ 9月貿易統計(通関ベース、予想:季節調整前4250億円の赤字、季節調整済5537億円の赤字)
○08:50 ◇ 対外対内証券売買契約等の状況(週次・報告機関ベース)
○14:00 ◇ 日銀地域経済報告(さくらレポート)
<海外>
○07:55 ◎ クック米連邦準備理事会(FRB)理事、講演
○09:30 ◎ 9月豪雇用統計(予想:失業率3.7%/新規雇用者数2.00万人)
○未定 ◎ 韓国中銀、政策金利発表(予想:3.50%で据え置き)
○15:45 ◇ 10月仏企業景況感指数(予想:99)
○17:00 ◇ 8月ユーロ圏経常収支(季節調整済)
○19:00 ◎ ビスコ伊中銀総裁、講演
○21:30 ◇ 9月カナダ鉱工業製品価格(予想:前月比0.3%)
○21:30 ◇ 9月カナダ原料価格指数(予想:前月比1.7%)
○21:30 ◎ 前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:21.2万件/171.0万人)
○21:30 ◎ 10月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数(予想:▲6.6)
○22:00 ◎ ジェファーソンFRB副議長、あいさつ
○23:00 ◎ 9月米中古住宅販売件数(予想:前月比▲3.7%/年率換算389万件)
○23:00 ◎ 9月米景気先行指標総合指数(予想:前月比▲0.4%)
○20日01:00 ☆ パウエルFRB議長、講演
○20日02:20 ◎ グールズビー米シカゴ連銀総裁、質疑応答
○20日02:30 ◎ バーFRB副議長(銀行監督担当)、ストレステストについて発言
○20日05:00 ◎ ボスティック米アトランタ連銀総裁、講演
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。
18日06:25 カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁
「インフレ率は依然として高すぎる」
18日14:53 ホルツマン・オーストリア中銀総裁
「中東情勢は原油上昇リスクを高めている」
18日15:37 ハント英財務相
「インフレ率が一直線に下がることはめったにない」
「インフレ率は今年も下がり続けると予想」
「6%というインフレ率は英国ではまだ高すぎる」
18日17:37 フローデン・リクスバンク(スウェーデン中銀)副総裁
「クローネ安はインフレ対策に役立っていない」
「政策が依然として収縮的である必要性は著しく明らか」
18日17:49 ビスコ・イタリア中銀総裁
「利上げはインフレをコントロールするために必要」
18日17:50 バイデン米大統領
「米国はイスラエルを支持する」
「米国はイスラエルが自国を守るために必要なものを確保」
18日18:11 桜井元日銀委員
「年内にもマイナス金利政策を解除する可能性がある」
「YCCの上限引き上げは財政へのインパクトが大きい」
18日18:36 ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁
「利上げ休止期間を延長すべきと考える」
18日18:39 アブドラヒアン・イラン外相
「イスラエルへの石油禁輸を呼び(予備)かけ」
19日01:06 ウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事
「経済が冷え込み、物価が上昇するかどうかを判断するのは時期尚早」
「金利を決定する前に様子見が可能」
「経済の強さが持続する場合、より高い金利が必要になる可能性が高い」
「景気が鈍化すれば、FRBは利上げを待つ余地がさらに生じる」
「利回りの変化と金融状況に与える影響に注目」
「インフレが今後6-12カ月でどのように進展するかを
確認し、その後利下げについて検討する必要」
「いかなる利下げもすぐに行われると誰も予想せず」
19日01:42 ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁
「当面の間、制限的な金利を維持する必要」
「インフレに関してはまだ勝利宣言をするつもりはない」
「インフレは進展しているものの、まだ道のりは遠い」
「FRB当局者の予想は来年金利が低下することを示唆」
「インフレはかなり低下している」
「インフレを目標に戻すために粘り強く取り組む」
「いつかは金利を引き下げるのが合理的になるだろう」
「金融政策の道筋はデータに依存する」
19日02:02 ボウマン米連邦準備制度理事会(FRB)理事
「FRBはインフレ率を2%に戻すことに重点を置いている」
「インフレ率は低下してきたが、依然として高すぎる」
19日03:04 米地区連銀経済報告(ベージュブック)
「ほとんどの地区では9月以降、経済活動にほとんど変化は見られなかった」
「製造業活動はまちまちだったが、複数の地区はこの部門の見通しが改善していると指摘」
「経済の短期的な見通しは、一般的に安定しているか、成長がわずかに鈍化すると指摘」
「全国的に労働市場の逼迫は引き続き緩和した」
「企業が人件費の高騰を緩和するために報酬パッケージを変更しているとの報告があった」
「物価は全体的に緩やかなペースで上昇を続けた」
「製造業では投入コストの上昇が鈍化または安定しているものの、サービス部門では上昇が続いていると指摘」
「燃料費や賃金、保険の増加が地区全体の物価上昇に寄与」
「全体として、企業は今後数四半期に価格が上昇すると予想しているが、そのペースは過去数四半期よりも緩やか」
「いくつかの地区では、今後大幅な価格上昇を予想する企業の数が減少したと報告」
※時間は日本時間
<ドル円=転換線を支持に押し目買いスタンス>
陽線引け。転換線は基準線を上回り、遅行スパンは実線を上回り、雲の上で引けていることで三役好転の強い買いシグナルが点灯中。2手連続陽線で転換線を上回って引けており続伸の可能性が示唆されている。
本日は、転換線を支持に押し目買いスタンスで臨み、同線を下抜けた場合は手仕舞い。
レジスタンス2 151.95(2022/10/21高値)
レジスタンス1 150.16(10/3高値)
前日終値 149.93
サポート1 149.06(日足一目均衡表・転換線)
サポート2 148.59(日足一目均衡表・基準線)
<ユーロドル=基準線を抵抗に戻り売りスタンス>
陰線引け。転換線は基準線を下回り、遅行スパンは実線を下回り、雲の下で引けており、三役逆転の強い売りシグナルが点灯中。抱き線で反落して転換線を下回って引けており続落の可能性が示唆されている。
本日は、転換線1.0568ドルを念頭に置き、基準線を抵抗に戻り売りスタンスで臨み、同線を上抜けた場合は手仕舞い。
レジスタンス1 1.0600(日足一目均衡表・基準線)
前日終値 1.0536
サポート1 1.0448(10/3安値)
<ポンド円=雲の上限を抵抗に戻り売りスタンス>
陰線引け。転換線は基準線を上回り、遅行スパンは実線を下回り、雲の中で引けて、転換線を下回って引けていることで、売りシグナルが優勢な展開。2手連続陰線で転換線を下回って引けており続落の可能性が示唆されている。
本日は、雲の上限を抵抗に戻り売りスタンスで臨み、同線を上抜けたら手仕舞い。
レジスタンス1 184.40(日足一目均衡表・雲の上限)
前日終値 182.02
サポート1 181.19(日足一目均衡表・基準線)
<NZドル円=転換線を抵抗に戻り売りスタンス>
陰線引け。転換線は基準線を上回り、遅行スパンは実線を上回り、雲の上で引けていることで、三役好転の強い買いシグナルが点灯している。しかし、2手連続陰線で転換線を下回って引けており続落の可能性が示唆されている。
本日は、転換線を抵抗に戻り売りスタンスで臨み、同線を上抜けた場合は手仕舞い。
レジスタンス1 88.81(日足一目均衡表・転換線)
前日終値 87.74
サポート1 87.11(10/3安値)
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