【前日の振り返り】
週明け16日の香港株式市場で、ハンセン指数は続落。終値は前営業日比0.97%安の17640.36ポイントだった。中国企業指数は1.08%安の6049.82ポイント。メインボードの売買代金は概算で737億9000万HKドル。
ハンセン指数は小動きで始まり、低調な商いのなかで下げ幅をじりじりと拡大。終盤は下落率1%付近の水準で下げ渋ったものの、終値は9日以来1週間ぶりの安値だった。中東情勢の緊迫化が警戒され、運用リスクを回避する売りが相場を押し下げた。イスラエル軍がパレスチナ自治区ガザ北部への地上侵攻に備えて戦力を配備している可能性があると伝わった。また、中国人民銀行(中央銀行)が13日発表した9月の金融統計で、人民元建て新規融資と狭義のマネーサプライ(M2)が市場予想を下回り、中国景気の減速が改めて意識されたもよう。
【きょうの見通し】
17日の香港市場は米株高の流れを引き継ぎ買いが先行するか。前日のNY市場は主要企業の決算発表が本格化するなか、内容の予想上振れを見込んだ買いが入った。シカゴ連銀総裁が米国のインフレが沈静化する方向にあるのは「否定できない」と語ったとの報道を受け、米連邦準備理事会(FRB)による追加利上げ観測が後退したことも地合いの改善につながった。香港市場は前日にハンセン指数が続落し、1週間ぶり安値を付けた後とあって、買い戻しが入りやすいだろう。
ただ、買い一巡後は伸び悩む可能性がある。中東情勢への警戒感に加え、中国本土では18日に7-9月期国内総生産(GDP)、9月小売売上高、鉱工業生産など主要経済指標が発表される。内容を見極めようと、様子見ムードが広がる可能性がある。
【前日の振り返り】
週明け16日の中国本土株式市場で、上海総合指数は続落。終値は前営業日比0.46%安の3073.81ポイントだった。深セン成分指数は1.42%安の9924.92ポイント。上海、深セン両市場の売買代金は概算で8129億3800万元だった。
上海総合指数は高く寄り付いたものの、ほどなくして下向きに転じ、その後はマイナス圏でもみ合った。終値は8月25日以来、約7週間ぶりの安値を更新。中東情勢を巡る地政学リスクの高まりや、中国景気の減速を懸念する売りが重荷となった。前週末に発表された9月の中国の消費者物価指数(CPI)と生産者物価指数(PPI)、人民元建て新規融資、狭義のマネーサプライ(M2)はいずれも市場予想を下回った。
セクター別では、バッテリー素材が全面安。半導体、バッテリー、電子化学品、電子部品なども安い。半面、貴金属とガスが全面高となったほか、採掘、石油、石炭などが買われた。
A株市場では、紫光国芯微電子(002049)、TCL中環新能源科技(002129)、啓明星辰信息技術集団(002439)などテクノロジー株の一角の下げが目立った。調味料メーカーの仏山市海天調味食品(603288)、環境関連の福建龍浄環保(600388)、不動産株の華夏幸福基業(600340)、万科企業(000002)なども売られた。半面、LCD用ガラス基板メーカーの東旭光電科技(000413)、スマホ用光電子部品大手の東旭光電科技(000413)が大幅に続伸。1-9月期決算の大幅増益見通しを発表したウェイチャイ・パワー(000338)、石炭株の中国神華能源(601088)が買いを集めた。
上海B株指数は1.99%安の228.83ポイント、深センB株指数は1.15%安の1072.64ポイントだった。
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