13日のニューヨーク外国為替市場でユーロドルは続落。終値は1.0510ドルと前営業日NY終値(1.0528ドル)と比べて0.0018ドル程度のユーロ安水準だった。中東情勢の緊迫化を背景に欧米株相場が軟調に推移すると、リスク・オフのユーロ売り・ドル買いが優勢となった。市場では「中東の地政学リスクの高まりを背景に、世界の金融市場はリスク回避傾向を強めている」との声が聞かれた。
米ミシガン大学が発表した消費者の期待インフレ率が1年先で3.8%、5年先で3.0%といずれも予想を上回ると、米長期金利が低下幅を縮小。全般ドル買いが加速し、24時過ぎに一時1.0496ドルと日通し安値を更新した。
ドル円は4営業日ぶりに反落。終値は149.57円と前営業日NY終値(149.81円)と比べて24銭程度のドル安水準だった。中東情勢を巡る地政学リスクが一段と高まる中、欧州株相場が軟調に推移するとリスク・オフの円買いが先行。22時過ぎに一時149.46円と日通し安値を更新した。ミシガン大期待インフレ率の上振れをきっかけに149.73円付近まで下げ渋る場面もあったが、ユーロ円などクロス円の下落につれた売りが出たため戻りは鈍かった。4時過ぎには149.47円付近まで押し戻されている。
スイスフランは全面高。対ドルでは一時0.9002スイスフラン、対ユーロでは0.9457スイスフラン、対円では166.12円まで値を上げた。パレスチナ自治区ガザを実効支配するハマスとイスラエル軍が戦闘を続ける中、イスラエル軍はガザの中心都市ガザ市の全住民に退避するよう求め、声明で「今後数日間、軍はガザ市で大規模な作戦を継続する」と通告した。週末を前に中東情勢の緊張が高まっていることから、安全通貨とされるスイスフランを買う動きが広がった。
ユーロ円は続落。終値は157.20円と前営業日NY終値(157.72円)と比べて52銭程度のユーロ安水準。ユーロドルの下落につれた売りが出たほか、低調な株価を背景にリスク・オフの円買いが入った。2時30分過ぎには一時157.05円と本日安値を更新した。
本日の東京外国為替市場のドル円は、緊迫の度合いを増しつつある中東情勢や米下院議長選出に関するヘッドラインに警戒しつつ、日米10年債利回りを睨みながらの展開が予想される。
ドル円が150円台に向けて上昇する局面では、本邦通貨当局によるドル売り・円買い介入への警戒感が高まるが、週末の20カ国・地域(C20)財務相・中央銀行総裁会議では、鈴木財務相が、為替は場合によって適切な対応が求められる、と円安を牽制した。一方で、IMFアジア太平洋局のサンジャヤ・パンス副局長は、「介入の必要性を裏付けるような主要基準である市場の機能不全、金融安定へのリスク、制御不能になったインフレ期待は見当たらない」と述べ、円安抑制のための円買い介入に否定的な見解を示している。
中東情勢に関しては、イスラエルが地上攻撃を始めた場合にはハマスを支援するイランが参戦を警告していることで、戦火は一気に拡大して第5次中東戦争が勃発するリスクが高まる。すなわち、核保有国のイスラエルとイランが交戦状態に陥ることになる。そして、サウジアラビアがイスラエルとの国交正常化の交渉を中断する、と報じられており、ハマスの目論見通りになりつつある。日本にとって最悪のシナリオは、イランが参戦して第5次中東戦争、ホルムズ海峡の封鎖、石油ショックに拡大するパターンであり、第4次中東戦争、第一次石油ショックのような円建て資産のトリプル安現象(円安・株安・債券安)には警戒しておきたい。第一次石油ショックは、原油価格が1バレル3ドル台から11ドル台まで上昇し、日本の消費者物価指数は24%台に急騰した。
バイデン米政権がイスラエルへの支援を強化するには、新下院議長の下での議会での採決が必要だが、スカリス院内総務が議長選出馬を断念したことで、保守強硬派のジョーダン下院司法委員長が共和党の候補者になっている。しかし、支持は152票、不支持は55票で、下院過半数の217票には届いていない。本日も、関連ヘッドラインに要注目となる。
※時刻表示は日本時間
<国内>
○13:30 ◇ 8月鉱工業生産確報
○13:30 ◇ 8月設備稼働率
<海外>
○15:00 ◇ 9月独卸売物価指数(WPI)
○16:00 ◎ ビルロワドガロー仏中銀総裁、講演
○17:30 ◎ ピル英中銀金融政策委員会(MPC)委員兼チーフエコノミスト、講演
○18:00 ◇ 8月ユーロ圏貿易収支
○21:30 ◇ 8月カナダ卸売売上高(予想:前月比2.6%)
○21:30 ◇ 8月カナダ製造業出荷(予想:前月比1.0%)
○21:30 ◎ 10月米ニューヨーク連銀製造業景気指数(予想:▲7.0)
○23:30 ◎ ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁、講演
○17日05:10 ◎ ウッズ英中銀(BOE)副総裁、講演
○ユーロ圏財務相会合
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。
13日16:21 ナーゲル独連銀総裁
「ドイツのインフレはピークに達した」
14日00:23
「欧州中央銀行(ECB)の利上げは成果を上げている 」
13日17:18 ベイリー英中銀(BOE)総裁
「英国の潜在成長率は低下」
「インフレへの取り組みは進んでいるが、やるべきことは残っている」
「政策は制限的であり、そうでなければならない」
「前回の決定は厳しいものだった」
13日17:32 ビスコ伊中銀総裁
「イタリア債のスプレッドは、欧州中央銀行(ECB)の介入水準に届く兆しはない」
「イタリアにとって、2%のインフレ目標は達成可能」
13日18:06 カザークス・ラトビア中銀総裁
「パンデミック緊急資産購入プログラム(PEPP)に関する変更は徐々に行うべき」
13日22:20 ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁
「FRBは利上げを終える可能性が高い」
「長期にわたる高金利スタンスを支持」
「来年の成長は緩やかになるが、景気後退は見込んでいない」
「自動車業界のストライキと学生ローンの支払い更新が経済の重しとなる」
「失業率は4%程度まで上昇すると予想」
13日22:21 ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁
「インフレ率を2%に戻す、それが現実になりつつある」
「必要となれば更に追加措置を取る」
13日22:37 クノット・オランダ中銀総裁
「欧州中央銀行(ECB)は常に注意深くあるべき」
「インフレに勝利したと宣言するのは早すぎる」
13日23:19 マックレム・カナダ銀行(中央銀行、BOC)総裁
「景気後退(リセッション)は予想していない」
「長期債利回りの上昇は、インフレ率を目標に戻すための代わりにはならない」
14日03:03 鈴木財務相
「(為替)場合によっては適切な対応求められる」
「為替レートの過度な変動は望ましくない」
14日03:05 植田日銀総裁
「世界経済見通しに大きな変化はない」
※時間は日本時間
<ドル円=転換線を支持に押し目買いスタンス>
陰線引け。転換線は基準線を上回り、遅行スパンは実線を上回り、雲の上で引けていることで三役好転の強い買いシグナルが点灯中。3手連続陽線の後、孕み線で反落したものの転換線を上回って引けており上昇トレンドは維持されていると見る。
本日は、転換線を支持に押し目買いスタンスで臨み、同線を下抜けた場合は手仕舞い。
レジスタンス2 151.95(2022/10/21高値)
レジスタンス1 150.16(10/3高値)
前日終値 149.57
サポート1 149.00(日足一目均衡表・転換線)
サポート2 148.04(日足一目均衡表・基準線)
<ユーロドル=基準線を抵抗に戻り売りスタンス>
陰線引け。転換線は基準線を下回り、遅行スパンは実線を下回り、雲の下で引けており、三役逆転の強い売りシグナルが点灯中。2手連続陰線で転換線を下回って引けており、続落の可能性が示唆されている。
本日は、転換線1.0546ドルを念頭に置き、基準線を抵抗に戻り売りスタンスで臨み、同線を上抜けた場合は手仕舞い。
レジスタンス1 1.0609(日足一目均衡表・基準線)
前日終値 1.0510
サポート1 1.0448(10/3安値)
<ユーロ円=雲の上限を抵抗に戻り売りスタンス>
陰線引け。転換線は基準線を上回り、遅行スパンは実線を下回り、雲の中で引けているものの、転換線を下回って引けていることで売りシグナルが優勢な展開。2手連続陰線で転換線を下回って引けており続落の可能性が示唆されている。
本日は、雲の上限を抵抗に戻り売りスタンスで臨み、同線を上抜けたら手仕舞い。
レジスタンス1 157.98(日足一目均衡表・雲の上限)
前日終値 157.20
サポート1 156.56(日足一目均衡表・基準線)
<豪ドル円=転換線を抵抗に戻り売りスタンス>
陰線引け。転換線は基準線を下回り、遅行スパンは実線を下回り、雲の中で引けているものの、売りシグナルが優勢な展開となっている。2手連続陰線で転換線を下回って引けており続落の可能性が示唆されている。
本日は、転換線を抵抗に戻り売りスタンスで臨み、同線を上抜けた場合は手仕舞い。
レジスタンス1 94.81(日足一目均衡表・転換線)
前日終値 94.19
サポート1 93.07(10/3安値)
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