11日のニューヨーク外国為替市場でドル円は続伸。終値は149.17円と前営業日NY終値(148.71円)と比べて46銭程度のドル高水準だった。9月米卸売物価指数(PPI)が総合・コアともに予想を上回ったことが分かると円売り・ドル買いが先行。米10年債入札が「やや不調」に終わり、同債利回りが4.62%台まで低下幅を縮めると全般ドル買いが活発化し、3時過ぎには一時149.33円と日通し高値を更新した。
なお、米連邦準備理事会(FRB)が公表した米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(9月19-20日分)では「当局者はインフレの鈍化を継続させるため、景気抑制的な政策を当面維持すべきとの認識で一致」「FOMCは慎重に進む位置にあるほか、政策はデータに基づいて決定され、リスクバランスを考慮するとの見解で全参加者が一致した」との見解が示された。
ユーロドルは小幅ながら続伸。終値は1.0620ドルと前営業日NY終値(1.0605ドル)と比べて0.0015ドル程度のユーロ高水準だった。米PPIの上振れを材料にユーロ売り・ドル買いが先行すると一時1.0583ドルと日通し安値を付けたものの、一部ユーロクロスの上昇につれた買いが入ると持ち直した。23時前には一時1.0635ドルと日通し高値を更新した。
ただ、NY午後に入ると低調な米10年債入札をきっかけに米長期金利が低下幅を縮めたためユーロ売り・ドル買いが優勢に。3時前には1.0585ドル付近まで押し戻される場面があった。もっとも、米長期金利が再び低下すると1.0620ドル付近まで強含むなど、方向感に乏しい展開だった。
ユーロ円も続伸。終値は158.41円と前営業日NY終値(157.72円)と比べて69銭程度のユーロ高水準。米国株相場の上昇を背景に投資家のリスク志向が改善すると円売り・ユーロ買いが優勢となった。24時過ぎには一時158.47円と日通し高値を更新した。その後の下押しも158.00円付近にとどまった。
本日の東京市場では本邦の9月国内企業物価指数の発表が予定されているが、結果が円相場の動意につながる可能性は低い。9月国内企業物価指数は国際的な原油価格の上昇や円安の影響もあり、前月比では3カ月連続でプラスになるも伸びは鈍化すると見込まれている。また、前年比では9カ月連続で伸び率の鈍化が予想されている。ドル円は、東京タイムで日中株価や時間外の米長期金利の動向を眺めながら振幅するも、市場の目線は今晩の9月米消費者物価指数(CPI)に向けられ手控えムードが強く、底堅さを維持しつつも149円前半では伸び悩む相場展開となりそうだ。
昨日、米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(9月19-20日分)では、FOMCは慎重に進む位置にあるほか、政策はデータに基づいて決定され、リスクバランスを考慮するとの見解で全参加者が一致したが、インフレの鈍化を継続させるため、景気抑制的な政策を当面維持すべきだとの認識が示された。9月米CPIは総合・コアともに前年比は8月から伸びがやや鈍化すると見込まれている。8月の米CPIは前年比+3.7%と伸びが2カ月連続で加速したものの、同コアは+4.3%と約2年ぶりの小幅な伸びにとどまった。最近、米連邦準備理事会(FRB)高官らの発言を受けて米長期金利の上昇が一段落し、市場では年内の追加利上げ期待が4割程度まで低下している。今晩の米CPIの結果がFRB政策変更への思惑につながる可能性が高く、結果次第では米長期金利の大幅変動に伴い、ドル相場も大きく動意づく可能性がある。
※時刻表示は日本時間
<国内>
○08:50 ◇ 9月企業物価指数(予想:前月比0.1%/前年比2.3%)
○08:50 ◎ 8月機械受注(予想:船舶・電力除く民需 前月比0.4%/前年比▲7.3%)
○10:30 ◎ 野口旭日銀審議委員、あいさつ
<海外>
○15:00 ☆ 8月英国内総生産(GDP、予想:前月比0.2%)
○15:00 ◎ 8月英鉱工業生産(予想:前月比▲0.2%/前年比1.7%)
○15:00 ◎ 8月英製造業生産高(予想:前月比▲0.4%)
○15:00 ◇ 8月英商品貿易収支/英貿易収支(予想:147.00億ポンドの赤字/37.00億ポンドの赤字)
○16:40 ◎ エルダーソン欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○17:30 ◎ ビルロワドガロー仏中銀総裁、講演
○18:00 ◎ ピル英中銀金融政策委員会(MPC)委員兼チーフエコノミスト、講演
○18:00 ◎ ホルツマン・オーストリア中銀総裁、講演
○19:00 ◎ クノット・オランダ中銀総裁、講演
○19:50 ◎ ブイチッチ・クロアチア中銀総裁、バスレ・スロベニア中銀総裁、講演
○20:00 ◎ パネッタECB専務理事、講演
○20:30 ☆ ECB理事会議事要旨(9月14日分)
○21:00 ◎ 8月インド鉱工業生産(予想:前年同月比9.0%)
○21:00 ◎ 9月インド消費者物価指数(CPI、予想:前年比5.50%)
○21:00 ◇ 8月メキシコ鉱工業生産(予想:前月比0.3%)
○21:30 ☆ 9月米消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.3%/前年比3.6%)
☆ エネルギーと食品を除くコア指数(予想:前月比0.3%/前年比4.1%)
○21:30 ◎ 前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:21.0万件/168.0万人)
○23:00 ◎ ローガン米ダラス連銀総裁、あいさつ
○24:00 ◇ EIA週間在庫統計
○13日02:00 ◎ 米財務省、30年債入札
○13日02:00 ◎ ボスティック米アトランタ連銀総裁、あいさつ
○13日03:00 ◎ 9月米月次財政収支(予想:1415億ドルの赤字)
○13日05:00 ◎ コリンズ米ボストン連銀総裁、講演
○20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議(モロッコ・マラケシュ、13日まで)
○ブラジル(聖母の日)、休場
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。
11日07:15 デイリー米サンフランシスコ連銀総裁
「非住宅サービスインフレのさらなる改善が必要」
「インフレは依然高く、やるべきことはまだある」
11日10:03 ケント豪準備銀行(RBA)総裁補佐
「さらなる金融引き締めが必要となる可能性」
「インフレに対する需要の伸びの鈍化の影響は今まさに構築されつつある」
11日17:24 ボウマン米連邦準備制度理事会(FRB)理事
「インフレを抑制するためには、金利をより高くする必要があるかもしれない」
11日17:47 クノット・オランダ中銀総裁
「インフレ率は低下しているものの、依然として高過ぎる」
「中期的にインフレ率が2%へ戻る見通しは良好」
11日23:44 ウォラーFRB理事
「FRBは金利を監視する立場にある」
「第3四半期のGDPは4%以上になる可能性。経済は非常に好調」
「FRBは最終的に望んでいた非常に良好なインフレを実現する」
12日01:22 カザークス・ラトビア中銀総裁
「金利は現在、2025年下期にインフレ率2%を達成するのに適切。ただ、利上げへの扉は閉ざされていない」
「銀行の預金準備率の引き上げ義務化に関する協議は適切」
「イタリアのスプレッドには根拠がなく、懸念する必要はない」
12日01:27 ボスティック米アトランタ連銀総裁
「景気が減速し始めている兆候はたくさんある」
「インフレが失速しているのは、我々がもっと行動する必要があることを示している」
「金利についてこれ以上何かする必要はないと思う」
12日03:05 米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(9月19-20日分)
「当局者は目標へのリスクは両サイドあると認識」
「いくつかの議論が検討され、『どのくらいの高さ』から『どのくらいの期間』に変更」
「当局者の大半もう1回の利上げが適切と考えた」
「政策を十分に制限的な水準に維持することが重要と認識」
「大半の当局者は経済の道筋は不確実だと考えた」
「当面、景気抑制的な政策を続けるべきと全員が判断」
「当局者らはストライキがインフレを押し上げ、経済活動を抑制する可能性があると認識」
「大半の当局者は、経済は回復力があるものの成長の下振れリスクを認識」
「当局者らはエネルギー価格の上昇、信用ひっ迫、中国の景気減速のリスクを認識」
「大半の当局者はインフレの上振れリスクを引き続き認識」
「慎重に進めることが可能性と全員が判断」
※時間は日本時間
<ドル円=転換線付近で上下も底堅さ維持>
陽線引け。一目均衡表・転換線148.80円を割り込み下押しが先行した。一時148.43円まで下値を探っている。
しかし転換線割れ水準で下げ渋り149.33円と、上方向も先週末以来の水準までレンジを広げた。来週早々に148.85円へ切り上がったところで頭打ちとなる公算の転換線付近で不安定さもある。だが、下値148.04円に一目・基準線のサポートも控えており底堅さを維持するとみる。
レジスタンス2 150.16(10/3高値=年初来高値)
レジスタンス1 149.53(10/6高値)
前日終値 149.17
サポート1 148.43(10/11安値)
<ユーロドル=振れやすいが10日安値や転換線などが支え>
小陽線引け。一目均衡表・基準線1.0609ドル前後の攻防となった。押し戻されつつも終値で同線を上回っている。来週半ばに切り下がる可能性を残す基準線付近で振れやすく、1.0590ドル台で低下中の21日移動平均線を追うような下押しも挟む状況。しかし下値に控える一目・転換線1.0542ドルの切り上がりが期待されるなか底堅さを維持。10日安値1.0554ドルも支えとなりそうで、戻りを試す展開を予想する。
レジスタンス1 1.0672(9/22高値)
前日終値 1.0620
サポート1 1.0554(10/10安値)
<ユーロ円=上抜けた雲の上限近辺の攻防まだ続くか>
陽線引け。一目均衡表・雲の上限158.03円の抵抗をこなし、月初2日以来の高値158.47円まで上昇した。引き続き本日158.03円へ小幅に上昇した雲の上限近辺の攻防。現水準付近で頭打ちとなる雲上限の動きに沿って調整が進む展開にも留意。本日157.90円前後で上昇中の5日移動平均線付近が下げ渋りのポイントになり上向きの流れを維持する展開は想定できる。
レジスタンス1 159.08(ピボット・レジスタンス2)
前日終値 158.41
サポート1 157.52(10/11安値)
<豪ドル円=いったん低下の転換線、再び支えになると予想>
下影極小陽線引け。一時95.37円へ下振れた。しかし前日10日安値95.14円を割り込まずに戻し、底堅さを示唆する長い下ひげをともなう足型を形成している。いったん低下し始めた一目均衡表・転換線94.74円の動きが示唆するような安定を欠く動きともいえよう。だが昨日まで95円で重なっていた一目均衡表・基準線付近までほどなく同線は戻してきて再び下支えになってくる公算。上向きの流れを維持できるだろう。
レジスタンス1 96.10(10/11レンジの2層倍=E計算値)
前日終値 95.67
サポート1 95.14(10/10安値)
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