【前日の振り返り】
10日の香港株式市場で、ハンセン指数は大幅に4日続落。終値は前日比3.04%安の19319.92ポイントだった。中国企業指数は3.06%安の6445.90ポイント。メインボードの売買代金は概算で1664億6000万HKドルだった。
ハンセン指数は始値で、相場の強気と弱気の分かれ目とされる250日移動平均(前引け時点で19884.09ポイント)を割り込んだ。前日の米株式相場が利上げの再加速懸念で大幅下落した流れを引き継いだ。日本時間10日夜に公表される2月の米雇用統計が市場予想から上振れすれば、米連邦準備理事会(FRB)がインフレ抑制の姿勢を強めるとの見方から幅広いセクターで売りが優勢。終値は昨年12月21日以来約2カ月半ぶりの安値となった
【きょうの見通し】
13日の香港市場は様子見気分が広がるか。あす以降に米国と中国の主要経済指標の発表を控え、内容を見極めたい投資家が売買を見送りそうだ。前週末発表の米2月雇用統計で失業率が予想以上に悪化し、平均賃金の伸びも予想を下回った。これを受けて香港市場でも3月米連邦公開市場委員会(FOMC)での大幅利上げ見通しが後退しそうな半面、積極的に買い上がる材料に乏しい。
米中堅金融SVBファイナンシャル・グループ傘下のシリコンバレーバンク(SVB)が経営破綻したことで、米株式相場を中心とした金融市場への影響を見極めようとする雰囲気が強まるだろう。一方、香港時間の14日夜に2月の米消費者物価指数(CPI)、15日には中国の2月の鉱工業生産や小売売上高が発表される。
【ハンセン指数】
【前日の振り返り】
10日の中国本土株式市場で、上海総合指数は5日続落。終値は前日比1.40%安の3230.08ポイントだった。深セン成分指数は1.19%安の11442.54ポイント。上海、深セン両市場の売買代金は概算で8095億5200万元だった。
上海総合指数は前日のNY市場が下落した流れを引き継ぎ、終日マイナス圏で軟調に推移した。積極的な買いにつながる目新しい材料が見当たらないなか、米雇用統計の発表を大引け後に控えて様子見ムードが強まり、相場の重しとなった。指数は結局、2月17日以来、3週間ぶり安値を付けてこの日の取引を終えた。セクター別では、自動車や造船、観光・ホテル、風力発電設備、建材が全面安となるなど、幅広いセクターで売りが優勢だった。半面、自動車サービスや貴金属、ソフトウエア開発の一角が買われた。
A株市場では、自動車の値下げ合戦が広がっているとの報道が嫌気され、重慶長安汽車(000625)やBYD(002594)、上海汽車集団(600104)、広州汽車集団(601238)などの自動車株が大きく下げた。中国聯合網絡通信(600050)や王府井集団(600859)、杭州老板電器(002508)などの下落も目立った。半面、啓明星辰信息技術集団(002439)や浙江大華技術(002236)が買われた。
上海B株指数は0.85%安の294.62ポイント、深センB株指数は1.75%安の1193.14ポイント。
【上海総合指数】
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