【前日の振り返り】
9日の香港株式市場で、ハンセン指数は3日続落。終値は前日比0.63%安の19925.74ポイントだった。中国企業指数は1.15%安の6649.63ポイント。メインボードの売買代金は概算で1029億3000万HKドル。
ハンセン指数は前場は方向感に乏しく、前場は前日終値を挟んだ一進一退の展開。米利上げ加速への警戒感が引き続き重荷となったほか、2月のCPIとPPIがともに市場予想から下振れし、中国経済の回復の遅れへの懸念も地合いを悪化させた。一方、ハンセン指数は前日に2%超下落した後とあって、値ごろ感の出た銘柄を買い戻す動きが下値を支えた。米連邦公開市場委員会(FOMC)が重要な判断材料とする米雇用統計の発表を米国時間の10日に控え、様子見ムードも漂った。後場は終盤に心理的節目の20000ポイントを割り込み、2月28日以来の安値を連日で更新した。
【きょうの見通し】
10日の香港市場は、前日の米株安の流れを引き継いで続落か。今夜公表される2月の米雇用統計が市場予想から上振れすれば、米連邦準備理事会(FRB)による利上げが再加速するとの懸念が強い。今週発表された米2月ADP民間部門雇用者数や米2月JOLTS求人件数が予想以上に強い結果だったこともあって、米国のインフレ高止まりを警戒する売りが出そうだ。
もっとも、前日のハンセン指数終値は心理的節目の20000ポイントを割り込み、2月28日以来の安値圏にあるだけに、割安感に注目した買いが入りやすい。相場の強気と弱気の分かれ目とされる250日移動平均(9日大引け時点で19893.97ポイント)付近では下げ渋る展開があり得る。
【ハンセン指数】
【前日の振り返り】
9日の中国本土株式市場で、上海総合指数は4日続落。終値は前日比0.22%安の3276.09ポイントだった。深セン成分指数は0.16%安の11579.99ポイント。上海、深セン両市場の売買代金は概算で7566億5400万元だった。
上海総合指数は小動きで始まった後、中盤はマイナス圏で軟調に推移したが、終盤は前日終値付近でもみ合った。全国人民代表大会(全人代、国会に相当)が開催中とあって政策期待は強いものの、米国の利上げが加速するとの警戒感が相場の重しとなったほか、午前に発表された2月の中国の消費者物価指数(CPI)と生産者物価指数(工業製品出荷価格:PPI)がいずれも市場予想から下振れたことも嫌気された。また、米国の雇用統計の発表を週末に控えて様子見ムードも強まり、終値は2月27日以来の安値だった。
セクター別では、観光・ホテル、造船、教育などが売られた半面、電子化学品、エンジニアリングサービス、環境保護などが買われた。
A株市場では、王府井集団(600859)や中青旅控股(600138)の下落が目立ったほか、海信家電集団(000921)や平安銀行(000001)も売られた。半面、紫光(000938)や本鋼板材(000761)、富士康工業互聯網(601138)などが買われた。
上海B株指数は0.19%高の297.16ポイント、深センB株指数は0.17%高の1214.42ポイント。
【上海総合指数】
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