【前日の振り返り】
8日の香港株式市場で、ハンセン指数は大幅に続落。終値は前日比2.35%安の20051.25ポイントだった。中国企業指数は2.68%安の6727.18ポイント。メインボードの売買代金は概算で1174億7000万HKドル。
ハンセン指数は7日のNY株式相場が大幅安となった流れを引き継ぎ、ほぼ全面安の展開。朝方に下げ幅を広げた後、心理的節目の20000ポイントを挟んだ狭いレンジでもみ合った。終値はかろうじて同水準を守ったものの、2月28日以来ほぼ1週間ぶり安値となった。米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が7日の米上院銀行委員会での議会証言で、最新の経済データは予想されたより強く、より積極的な引き締めが必要になるとの認識を示した。香港市場でも運用リスクを回避する売りが幅広いセクターで優勢となった。
【きょうの見通し】
9日の香港市場はもみ合いの展開か。米利上げ加速への懸念が引き続き重荷となりそうだ。米国時間の8日に米労働市場の底堅さを示す経済指標が相次いで発表されたほか、FRBのパウエル議長は7日の上院での議会証言に続いて、この日も下院でターミナルレート(利上げの最終到達点)が当初の見通しよりも高くなる可能性があると、前日同様の発言を繰り返した。3月FOMCで0.50%の大幅利上げへの警戒感が一段と高まった。
一方、香港市場でハンセン指数は前日に2%超下落し、値ごろ感の出た銘柄を買い戻す動きは下値を支えるだろう。業績や見通しを手掛かりとした物色も続きそうだ。きょうはネット通販大手のJDドットコム(09618)、香港地場系銘柄の太古A(00019)、香港鉄路(00066)などが決算を発表する予定。
【ハンセン指数】
【前日の振り返り】
8日の中国本土株式市場で、上海総合指数は小幅ながら3日続落。終値は前日比0.06%高の3283.25ポイントだった。深セン成分指数は0.09%安の11598.29ポイント。上海、深セン両市場の売買代金は概算で7184億9400万元だった。
上海総合指数は安く寄り付いた後、終始マイナス圏でもみ合った。米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長の議会証言を受け、米利上げペースの加速で世界経済が冷え込むことへの警戒感が地合いを悪化させた。全国人民代表大会(全人代、国会に相当)が打ち出す具体的な政策措置や、週内に発表される中国物価統計や米雇用統計を見極めようと、様子見気分も広がった。もっとも、政策期待が根強い中、下値の堅さが意識されると終盤に指数は急速に下げ幅を縮め、小幅安でこの日の取引を終えた。
セクター別では、保険が全面安となったほか、銀行、貴金属、採掘、石油が安い。半面、電子化学品、通信サービス、通信設備、インターネットサービス、造船が買われた。
A株市場では、産金大手の紫金鉱業集団(601899)、化学品メーカーの万華化学集団(600309)、化学繊維メーカーの栄盛石化(002493)が下げた。金融株の招商銀行(600036)・中国平安保険(601318)、大手厨房機器メーカーの杭州老板電器(002508)、自動車・電池メーカーのBYD(002594)も軟調。半面、通信キャリアの中国聯合網絡通信(600050)、通信設備メーカーの武漢光迅科技(002281)、海能達通信(002583)、鉄鋼メーカーの本鋼板材(000761)などが買いを集めた。
上海B株指数は0.53%高の296.61ポイント、深センB株指数は0.68%安の1212.38ポイントだった。
【上海総合指数】
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