【前日の振り返り】
7日の香港株式市場で、ハンセン指数は3日ぶりに反落。終値は前日比0.33%安の20534.48ポイントだった。中国企業指数は0.36%安の6912.28ポイント。メインボードの売買代金は概算で1277億1000万HKドル。
ハンセン指数は小動きで始まった後、序盤に一時、心理的節目の21000ポイントに乗せる場面もあった。ただ、米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が7-8日に米上院・下院で議会証言を行うほか、10日には米雇用統計が発表される予定で、内容を見極めようと様子見ムードも強まり、終盤はマイナス圏で推移した。中国の税関総署が7日発表した2023年1-2月の米ドル建て貿易統計は輸出が前年同期比6.8%減となり、市場予想の9.4%減から上振れたものの、相場への影響は限定的だった。
【きょうの見通し】
8日の香港市場は、前日の米株安の流れを引き継いで続落か。FRBのパウエル議長が7日、注目された米上院銀行委員会での議会証言で、最新の経済データは予想されたより強く、より積極的な引き締めが必要になるとの認識を示した。香港市場でも米国のインフレ高止まりと利上げペースの加速を警戒する売りが出ると予想する。
パウエル議長の議会証言は8日にも米下院銀行委員会で行われる予定。さらに、週内に2月の中国物価統計や米雇用統計の発表を控え、市場に模様眺め気分が広がる展開があり得る。もっとも、決算発表や業績見通しを手掛かりとする個別物色は活発に続くだろう。きょうはハンセン指数構成銘柄のチャイナ・ユニコム(00762)が2022年12月本決算を発表する。
【ハンセン指数】
【前日の振り返り】
7日の中国本土株式市場で、上海総合指数は続落。終値は前日比1.11%安の3285.10ポイントだった。深セン成分指数は1.98%安の11608.58ポイントと続落。上海、深セン両市場の売買代金は概算で9326億4400万元だった。
上海総合指数は小安く寄り付いた。前場は高く推移する場面があったが、後場に入るとほぼ一本調子で下落。終値は心理的節目の3300ポイントを割り込み、2月28日以来1週間ぶりの安値圏だった。全国人民代表大会(全人代、国会に相当)を前に政策期待から買われていた銘柄に利益確定売りを出す動きが広がり、相場を押し下げた。パウエルFRB議長の議会証言を7日に控え、様子見気分も次第に強まった。
セクター別では、通信や軍需関連、電子部品、半導体が売られた半面、石油、貴金属、銀行が買われた。
A株市場では台湾・鴻海精密工業傘下の富士康工業互聯網(601138)や通信機器大手の中興通訊(000063)、IT機器メーカーの曙光信息産業(603019)、レーザー機器の大族激光科技産業集団(002008)が大幅安。バスメーカーの宇通客車(600066)、漢方薬の雲南白薬集団(000538)も売られた。一方、石油株のシノペック(600028)とペトロチャイナ(601857)が大幅に続伸。サウジアラビアがアジア向けの原油販売価格を引き上げると伝わった。石炭株の中国神華能源(601088)、銀行株の中国農業銀行(601288)も高い。
上海B株指数は0.73%安の295.04ポイントと続落。深センB株指数は0.53%安の1220.73ポイントと6営業日ぶりに反落した。
【上海総合指数】
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