20日のニューヨーク外国為替市場でユーロドルは小反落。終値は1.0686ドルと前営業日NY終値(1.0695ドル)と比べて0.0009ドル程度のユーロ安水準だった。22時過ぎに一時1.0670ドルと本日安値を付けたものの、売りが一巡すると徐々に下値を切り上げた。24時過ぎには1.0694ドル付近まで下げ渋った。そのあとは米市場がプレジデンツデーの祝日で休場だったことから市場参加者が激減し、1.06ドル台後半で値動きが鈍った。
なお、欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーであるレーン・フィンランド中銀総裁は「3月以降の利上げは適切、ターミナルレートの到達は夏ごろになる可能性」と発言したものの、相場の反応は限られた。
ドル円は小幅ながら続伸。終値は134.25円と前営業日NY終値(134.15円)と比べて10銭程度のドル高水準だった。前週末の安値133.94円を下抜けて、22時30分過ぎに一時133.93円と日通し安値を付けたものの、NY市場が休場となる中、一本調子で下落する展開にはならなかった。6時30分前には134.30円付近まで持ち直した。
ユーロ円は小幅続伸。終値は143.42円と前営業日NY終値(143.27円)と比べて15銭程度のユーロ高水準。22時過ぎに一時本日安値となる143.03円まで値を下げたものの、売り一巡後はじりじりと買い戻しが進んだ。取引終了前には143.50円付近まで持ち直した。ドル円の持ち直しやユーロドルの下げ渋りにつれた。
本日のドル円も、134円台を中心にもみ合いになるか。市場は24日の1月全国消費者物価指数(CPI)と正副日銀総裁候補の衆議院での所信聴取と質疑応答、また、米国の1月個人消費支出(PCE)価格指数を通過するまでは、様子見およびポジション調整の相場展開が続くことになるだろう。
ドル買い要因としては、米国の1月雇用統計から始まり、CPI、卸売物価指数(PPI)がそれぞれ強い結果となり、インフレ鈍化傾向も終わり、米金利が高止まりしていることがあげられる。先週末は米国市場が連休を控え、ポジション調整の動きが優勢となり米債利回りも急低下したが、アジア時間では大きく利回りが低下することを期待することが難しく、ドルの支えとなりそうだ。
一方で、円買い要因も引かない。1月の結果とはいえ、日本証券業協会が昨日発表した、短期国債を除く公社債の投資家別売買動向によると、海外勢による1月の国債の売越額は4兆1190億円となり、過去最大となった。インフレ高進が続く中で、政府および日銀の新総裁の主導のもと、大規模金融緩和から出口に向けた地ならしが進むことは避けて通れないという声が依然として強い。また、本邦勢も本日の日経新聞が掲載しているように、外債の売却が進んでいることで、資金を国内に今後は回帰させる可能性が高いことも円の支えになる。
上述のように、ドル買い・円買いが拮抗していることもあり、本日のドル円は大きなトレンドを作るのは難しそうだ。経済指標などのイベントでは、アジア時間には豪州からは今月7日に行われた豪準備銀行(RBA)理事会の議事要旨が公表されるが、先週ロウRBA総裁が豪上院で議会証言を行い、RBAの政策や見通しについて詳細に述べていることもあり、議事要旨にサプライズを期待するのは難しいだろう。
なお、欧州各国から本日は購買担当者景気指数(PMI)が発表されることもあり、指標が発表されるまでは欧州通貨も動きにくくなりそうだ。
※時刻表示は日本時間
<国内>
○未定 ◇ 2月月例経済報告
<海外>
○09:30 ◎ 2月豪準備銀行(RBA)理事会議事要旨
○17:15 ◎ 2月仏製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値(予想:50.8)
○17:15 ◎ 2月仏サービス部門PMI速報値(予想:49.9)
○17:30 ◎ 2月独製造業PMI速報値(予想:48.0)
○17:30 ◎ 2月独サービス部門PMI速報値(予想:51.0)
○18:00 ◎ 2月ユーロ圏製造業PMI速報値(予想:49.3)
○18:00 ◎ 2月ユーロ圏サービス部門PMI速報値(予想:51.0)
○18:30 ◎ 2月英製造業PMI速報値(予想:47.5)
○18:30 ◎ 2月英サービス部門PMI速報値(予想:49.2)
○19:00 ◎ 2月独ZEW景況感指数(予想:22.0)
○19:00 ◎ 2月ユーロ圏ZEW景況感指数
○22:30 ◎ 12月カナダ小売売上高(予想:前月比0.5%/自動車を除く前月比▲0.1%)
○22:30 ◎ 1月カナダCPI(予想:前月比0.7%/前年比6.1%)
○23:45 ◎ 2月米製造業PMI速報値(予想:47.1)
○23:45 ◎ 2月米サービス部門PMI速報値(予想:47.1)
○23:45 ◎ 2月米総合PMI速報値(予想:47.5)
○24:00 ◎ 1月米中古住宅販売件数(予想:前月比2.0%/年率換算410万件)
○22日03:00 ◎ 米財務省、2年債入札
○プーチン露大統領、年次報告演説
○ブラジル(カーニバル)、休場
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。
20日16:26 中国外務省報道官
「米国は関係改善に向けて誠意を示す必要」
「米国の中ロ関係への口出しは受け入れない」
20日17:42 雨宮日銀副総裁
「大規模金融緩和は経済・物価の押し上げに効果を発揮」
「当面は物価目標達成のために適切な政策運営を図る」
「出口で難しいのは金融調整技術よりも判断と市場との対話」
21日00:13 レーン・フィンランド中銀総裁
「金利はしばらく制限的な水準にとどまる必要があり、緩和の議論を急ぐべきではない」
「3月以降の利上げは適切、ターミナルレートの到達は夏ごろになる可能性」
「ユーロ圏の景気後退は回避されそうであり、23年の成長率は1%程度になる可能性 」
21日03:12 シュレーゲル・スイス国立銀行(SNB、中銀)副総裁
「SNBは引き続き為替市場で積極的に行動する意向」
「SNBは物価安定の責務に非常に厳しい」
※時間は日本時間
<ドル円=転換線・90日線に挟まれたレンジで動きにくい>
小陰線引け。136円半ばで低下中の90日移動平均線と、上昇傾向の一目均衡表・転換線132.46円に挟まれたレンジ中程で小動きだった。
134.15円前後へ切り上がった5日線の動きが示唆する上値を試す流れとなり、上値136.98円前後で緩やかに上昇する200日線を追う展開を期待したいところ。しかし、低下中の90日線が抵抗になりそうななか上伸は難しそう。下押し局面では、今後の上昇が見込まれる転換線が支えとなり底堅さを示すとみるが、方向感の出にくい状態といえる。
レジスタンス1 135.10(2/17高値=年初来高値)
前日終値 134.25
サポート1 133.61(2/16安値)
サポート2 132.46(日足一目均衡表・転換線)
<ユーロドル=雲上限付近の攻防>
極小陰線引け。一目均衡表・雲の上限1.0679ドル付近で下げ渋ったものの、一目・転換線1.0708ドルに近づいたところでは動きが重かった。雲の上限付近の攻防で、今後の低下が見込まれる転換線は重い推移を示唆。相場水準が切り上がるにしても、雲の上限の上昇に沿ったじり高ペースにとどまるか。
レジスタンス1 1.0745(2/15高値)
前日終値 1.0686
サポート1 1.0613(2/17安値)
<ポンド円=雲の中で足場を固めて上伸狙う展開を期待>
下影小陽線引け。一目均衡表・雲の中で戻りに一服感が漂い始めてきた。14日に162.18円で上値を抑えられた経緯もあり、雲の上限162.32円を一気に攻略するのは難しそうにも見える。一方、反落で雲の下限を割り込んでも、上昇が見込まれる一目・転換線が支えとなりそう。雲の中を中心としたレンジで徐々に足場を固め、雲の上抜けを試す展開を予想する。
レジスタンス1 162.32(日足一目均衡表・雲の上限)
前日終値 161.63
サポート1 160.94(ピボット・サポート2)
<NZドル円=転換線・基準線を支えとした底堅い推移を予想>
下影小陽線引け。一時83.47円へ下振れたものの、一目均衡表・転換線83.40円を目前にした同水準で下げ渋り、一目・雲の下限83.76円を回復してNYの取引を終えた。雲下限付近の攻防が続くか。低下傾向の雲の下限に沿った下押しも想定して臨みたい。しかし、転換線に加え、83.36円へ切り上がった一目・基準線も支えになりそう。今後の上昇が予想される両線を下支えとした底堅い推移を見込む。
レジスタンス1 84.48(2/16高値)
前日終値 83.94
サポート1 83.40(日足一目均衡表・転換線)
情報提供元:DZHフィナンシャルリサーチ社
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