9日のニューヨーク外国為替市場でドル円は続伸。終値は131.62円と前営業日NY終値(131.40円)と比べて22銭程度のドル高水準だった。米10年債利回りが3.56%台まで低下したことを受けて円買い・ドル売りが先行。前週分の米新規失業保険申請件数が19.6万件と予想の19.0万件より弱い内容だったことが分かると全般ドル売りが活発化し、前日の安値130.60円を下抜けて一時130.35円まで値を下げた。
ただ、売り一巡後は買い戻しが優勢に。低調な米30年債入札をきっかけに米10年債利回りが3.68%台まで上昇したことが相場の支援材料となり、6時前には131.65円付近まで持ち直した。
ユーロドルは反発。終値は1.0732ドルと前営業日NY終値(1.0712ドル)と比べて0.0020ドル程度のユーロ高水準だった。米長期金利の低下や低調な米経済指標を受けてドル売りが先行すると一時1.0791ドルと本日高値を付けたものの、米長期金利が上昇に転じると上値が重くなった。5時30分過ぎには一時1.0731ドル付近まで下押しした。
ユーロ円は続伸。終値は141.27円と前営業日NY終値(140.77円)と比べて50銭程度のユーロ高水準。しばらくはもみ合いの展開が続いていたが、ドル円の持ち直しに伴う円売り・ユーロ買いが強まると141.32円付近まで値を上げた。ただ、日銀総裁人事の関連報道直後に付けたレンジ(140.48-141.33円)内での取引だった。
メキシコペソ円は一転上昇した。WTI原油先物価格の下落を背景に産油国通貨とされるメキシコの通貨ペソには売りが先行。1時30分前には一時6.90円と日通し安値を付けた。ただ、メキシコ中銀が政策金利を現行の10.50%から11.00%に引き上げたと発表すると、ペソ買いが優勢に。4時30分前には7.02円と日通し高値を更新した。利上げ幅が0.50%と予想の0.25%を上回ったことを受けた。ドルペソは18.9960ペソの本日高値から18.7366ペソの本日安値まで下落した。
なお、声明では「インフレ圧力とそれに関連するすべての要因を徹底的に監視する」「インフレ率が3%の目標に向けて整然かつ持続的に収束するよう常に適切な調整を行う」との見解を示したほか、「次回利上げ幅は今回よりも小さくなる可能性がある」と指摘した。
本日の東京外国為替市場のドル円は、今夜発表される2月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、速報値)での1年先の期待インフレ率を控えて動きづらい展開が予想される。
昨日は、一部通信社が自民党議員の話として「日銀総裁人事、アベノミクス転換示唆なら調整難航。山口元副総裁の場合は党内がまとまらない」と報じたことで、130.80円まで下落後、131.73円前後まで反発した。山口元副総裁は、白川第30代日銀総裁時代の2008年から2013年に副総裁を務め、アベノミクスの転換、すなわちタカ派というイメージがあるため、アルゴリズムが「yamaguchi」=ドル売り・円買いで反応したと思われる。
今週月曜日は、黒田第31代日銀総裁の下の雨宮副総裁への総裁打診報道で、緩和政策継続見通し(ハト派)から132.90円までドル高・円安が進み、木曜日は、山口元副総裁(タカ派)で130.80円までドル安・円高となったことになる。
8時50分に発表される日本の1月企業物価指数は、前年比+9.6%と予想されており、12月の前年比+10.2%からの低下が見込まれている。輸入物価指数は、原油高や円安が抑制されつつあることで、昨年7月の前年比+49.2%をピークに、11月は前年比+28.0%、12月は+22.8%まで低下基調にあり、1月も低下基調を継続しているのか否か注目しておきたい。
9時30分に発表されるRBA四半期金融政策報告では、前回分の消費者物価指数(CPI)が昨年末に8%程度でピークを迎え、その後は鈍化していくとの予想からの変化に要注目か。2024年末の見通しは3.25%程度となり、RBAのインフレ目標(2-3%)内に収まるのは2025年以降となっていた。RBAは、先日の利上げ決定後の声明では「インフレ率が目標値に戻り、この高インフレの時期が一時的なものに過ぎないことを確認するために、今後数カ月の間にさらなる利上げが必要」と表明していた。
10時30分に発表される中国1月の消費者物価指数(CPI)と生産者物価指数(PPI)は、ゼロコロナ政策撤廃を受けた経済活動の活発化を受けて上昇が見込まれている。
CPIの予想は前年比+2.2%で、12月の+1.8%から上昇、PPIの予想は前年比-0.5%で、12月の-0.7%からの上昇が見込まれている。
本日の最重要経済指標は、24時に発表される2月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、速報値)での1年先の期待インフレ率が1月の3.9%からさらに低下しているのか否かとなっており、それまでは様子見相場が予想される。
※時刻表示は日本時間
<国内>
○08:50 ◇ 1月企業物価指数(予想:前月比0.3%/前年比9.6%)
<海外>
○09:30 ◎ 豪準備銀行(RBA)四半期金融政策報告
○10:30 ◎ 1月中国消費者物価指数(CPI、予想:前年比2.2%)
○10:30 ◎ 1月中国生産者物価指数(PPI、予想:前年比▲0.5%)
○16:00 ☆ 12月英国内総生産(GDP、予想:前月比▲0.3%)
○16:00 ☆ 10-12月期英GDP速報値(予想:前期比横ばい/前年比0.4%)
○16:00 ◎ 12月英鉱工業生産(予想:前月比▲0.2%/前年比▲5.3%)
○16:00 ◎ 12月英製造業生産高(予想:前月比▲0.2%)
○16:00 ◇ 12月英商品貿易収支/英貿易収支(予想:164.00億ポンドの赤字/28.00億ポンドの赤字)
○16:00 ◇ 12月トルコ失業率
○16:00 ◇ 12月トルコ鉱工業生産(予想:前月比横ばい)
○16:00 ◎ 1月ノルウェー消費者物価指数(CPI、予想:前月比▲0.2%/前年比6.5%)
○19:30 ◎ ロシア中銀、政策金利発表(予想:7.50%で据え置き)
○21:00 ◎ 12月インド鉱工業生産(予想:前年同月比4.5%)
○21:00 ◇ 12月メキシコ鉱工業生産(季調済、予想:前月比0.1%)
○22:30 ☆ 1月カナダ雇用統計(予想:新規雇用者数変化1.50万人/失業率5.1%)
○23:00 ◎ ピル英中銀金融政策委員会(MPC)委員兼チーフエコノミスト、講演
○23:00 ◎ シュナーベル欧州中央銀行(ECB)専務理事、イベントに参加
○23:10 ◎ デコス・スペイン中銀総裁、講演
○24:00 ◎ 2月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、速報値、予想:65.0)
○11日01:00 ◎ 1月ロシアCPI(予想:前月比0.7%)
○11日02:30 ◎ ウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事、講演
○11日04:00 ◎ 1月米月次財政収支(予想:630億ドルの赤字)
○11日06:00 ◎ ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁、講演
○欧州連合(EU)首脳会議(ブリュッセル、最終日)
○米・ブラジル首脳会談(ワシントン)
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。
9日08:30 バイデン米大統領
「中国経済はあまりうまく機能していない」
「今年か来年にリセッションになるとは思わない」
「プーチン露大統領はすでにウクライナを失った」
9日15:52 ビルロワドガロー仏中銀総裁
「今年上半期にフランスのインフレはピークを見ると予測し、その後インフレ率は低下することを見込んでいる」
「フランスのインフレは、現在から6月の間にピークを迎える可能性があり、もしかしたら6月より前かもしれないと見込んでいる」
「フランスの食品価格インフレは今年の夏以降に緩和される可能性」
「現時点では、フランスのリセッションは避けられると思っている」
9日19:02 ハスケル英中銀金融政策委員会(MPC)委員
「インフレ予測にかなりの上振れリスクがある」
「今年の給与決済データはインフレターゲットと矛盾している」
「経済理論では、インフレに関する不確実性は、より強力な行動で対応すべきとされている」
「持続的なインフレの兆候に注意を払い続け、必要であれば力強く行動する」
9日19:06 ベイリー英中銀(BOE)総裁
「今年はインフレ率が急速に低下すると予想」
「労働市場は非常にタイトである」
9日19:32 テンレイロ英中銀金融政策委員会(MPC)委員
「現在のインフレは高すぎる」
「インフレが低下するのは、かなり確実」
※時間は日本時間
<ドル円=転換線を支持に押し目買いスタンス>
陽線引け。一目・転換線は基準線を下回り、遅行スパンは実線を下回り、雲の下で引けていることで、三役逆転の強い売りシグナルが点灯中。しかし、2手連続陽線で上昇して転換線を上回って引けており続伸の可能性が示唆されている。
本日は、転換線を支持に押し目買いスタンスで臨み、同線を下抜けた場合は手仕舞い。
レジスタンス2 133.00(日足一目均衡表・雲の下限)
レジスタンス1 132.71(2/7高値)
前日終値 131.59
サポート1 130.50(日足一目均衡表・転換線)
サポート2 129.12(2/2高値)
<ユーロドル=転換線を抵抗に戻り売りスタンス>
陽線引け。一目・転換線は基準線を上回り、遅行スパンは実線を上回り、雲の上で引けていることで、三役好転の強い買いシグナルが点灯中。しかし、抱き線で反発したものの転換線を下回って引けており反落の可能性が示唆されている。
本日は、転換線を抵抗に戻り売りスタンスで臨み、同線を上抜けた場合は手仕舞い。
レジスタンス1 1.0851(日足一目均衡表・転換線)
前日終値 1.0740
サポート1 1.0634(1/9安値)
<ポンド円=基準線を支持に押し目買いスタンス>
陽線引け。一目・転換線は基準線を上回り、遅行スパンは実線を上回り、雲の下で引けているものの、買いシグナルが優勢な展開。2手連続陽線で上昇して転換線を上回って引けており続伸の可能性が示唆されている。
本日は、基準線を支持に押し目買いスタンスで臨み、同線を下抜けた場合は手仕舞い。
レジスタンス1 160.59(日足一目均衡表・雲の下限)
前日終値 159.50
サポート1 158.74(日足一目均衡表・基準線)
<NZドル円=雲の下限を抵抗に戻り売りスタンス>
陽線引け。一目・転換線は基準線を上回り、遅行スパンは実線を上回り、雲の下で引けており、買いシグナルが優勢な展開。しかし、抱き線で反発したものの転換線を下回って引けており、反落の可能性が示唆されている。
本日は、転換線83.54円を念頭に置き、雲の下限を抵抗に戻り売りスタンスで臨み、同線を上抜けた場合は手仕舞い。
レジスタンス1 83.81(日足一目均衡表・雲の下限)
前日終値 83.23
サポート1 82.62(2/7安値)
情報提供元:DZHフィナンシャルリサーチ社
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