10日は、米長期金利上昇、ドル円も小幅に上昇
10日の東京早朝を155.47円で迎えると、155.27円まで下押したものの、このレベルが底となり反転、東京時間のうちに円安を主因として155.70円台まで上昇した。なお発表された日本3月経常収支は+3.40兆円と強い数値であったが、ドル円相場への影響は限定的に留まった。
ロンドン時間は特段イベントのないなかで底堅い動きが継続。
21:30に発表されたカナダ4月雇用統計が新規雇用者数増減+9.04万人、失業率が6.1%とそれぞれ好調な数値で155.88円まで上昇。
また23:00に発表された5月ミシガン大学消費者センチメントは67.4と予想を下振れたが、同指数の期待インフレが年率+3.5%と高い数値であったことから米長期金利が上昇、ドル買いが優勢となり155.90円を記録。
週末に掛けてはポジション調整の動きに終始し、155.77円でNYクローズ。
08:50 日本4月マネーストックM2
21:00 インド4月CPI
①財務省による為替介入の動向。155円を突破したことで少しずつ為替介入警戒感が高まっている印象。当局の円安牽制発言を含めて動向を注視しておきたい。
②弱さを見せ始めた米国の経済指標。やや弱い4月雇用統計に加えて、新規失業保険申請件数が増加、5月ミシガン大学消費者センチメントが悪化と、ここにきて米国の経済指標に弱さが見え始めている。こうした指標が続くかどうかが1つの大きな注目点と言える。
③中東情勢。イスラエルとハマスの交渉は決裂した模様。ガザ地区南部ラファに対して避難警告が出されているとの情報がNHKより入っており、状況は緊迫している。相場への影響としては特にリスクオン、オフといった投資家センチメントに影響を与えるため、注目してみておきたい。
156円手前でやや上値が重くなっているものの、週明けにどのように動き出すか?が注目点と言える。引き続き円安圧力は強いことから、早々に156円丁度を突破しても不思議はない。
為替介入警戒感は強いものの、日本円を積極的に買い戻す材料がないだけに、何がきっかけとなってドル円、クロス円の反転が起こるのかイメージしづらい状況ではある。
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