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【MACD】基本的な使い方: チャート分析の見方と設定 方法

MACDは移動平均線の派生テクニカル MACDとは短期の移動平均線と中期の移動平均線の動きから相場のトレンド発生、継続と、転換を読み解き売買のタイミングを判断することに使うテクニカル指標です。

著者 forex.com
2024年1月4日 午前02:33

目次

取引をする際にテクニカル分析を使うトレーダーであれば、MACDインジケーターをご存知かもしれません。ここではMACDの算出方法や市場での使い方など、MACDについて解説します。

MACDは、トレーダーが分析のために使用する人気のテクニカルインジケーターの一つです。MACDライン、シグナルライン、ヒストグラムを組み合わせ、取引価格の2つの移動平均線の関係からトレンドとモメンタムを把握し、売買シグナルを提供します。

MACDはMoving Average Convergence Divergence(移動平均収束発散法)の略です。取引価格の2つの指数平滑水準の移動平均の乖離を意味する名前で、この線(MACDライン)がシグナルライン(指数平滑法によるMACDラインの平均)とどのくらい乖離しているか、また収束しているかを表します。

日本語では移動平均収束拡散と訳され、移動平均線が近づいたり(収縮)、広がったり(拡散)する動きを計算してサブチャートに表示します。

移動平均線とは、過去のデータの平均値を線で表したものです。トレーダーがモメンタムを判断したり、トレンドを評価するために使います。たとえば、50日移動平均線は過去50日間の取引平均価格を表し、200日移動平均線は過去200日間の平均価格を表します。

トレーダーは複数の移動平均線を参考にし、短期・長期トレンドの詳しい情報を得ることができます。強気または弱気シグナルには、交差がよく使われます。短期の平均線が長期の平均線を上抜ければ「ゴールデンクロス」となり、強気のシグナルです。短期の平均線が長期の平均線を下抜ければ「デッドクロス」となり、弱気のシグナルです。

しかし、移動平均線のクロスのみを使ってマーケットを分析するのは不十分です。多くの場合、移動平均線の動きは現在価格に遅れることに加え、レンジ相場では、マーケットトレンドと反対の誤ったシグナルを出す可能性があるからです。

こうしたデメリットはあるものの、MACDでは、トレーダーは2つの移動平均線の関係から詳しい情報を得て、新規注文や決済を行う際に適切な判断をすることができます。

MACDの読み方ですが、MACDライン、シグナルライン、ヒストグラム、そしてシグナルがどのように作り出されるかに注意する必要があります。

MACDラインは、短期の指数平滑移動平均(EMA)から長期の指数平滑移動平均を減算した値です。これらの値の偏差を評定します。多くの場合、これらのEMAの各期間は12期間と26期間です。

移動平均の乖離が大きくなると、MACDラインの値が強くなります。

MACDとは

一方、シグナルラインはMACDラインの移動平均線のことで、インジケーターとして深みを追加するものです。このシグナルラインは通常、MACDラインの9期間の平滑化平均を表します。

最後に、ヒストグラムは、MACDラインとシグナルラインの関係を示します。

MACDラインがシグナルラインを上抜け、ヒストグラムの値がゼロより上に位置する場合、買いシグナルとなります。MACDラインがシグナルラインを超えて乖離すればするほど、ヒストグラムの値は高くなります。MACDラインがシグナルラインを下抜け、ヒストグラムの値がゼロより下に位置する場合は売りシグナルとなります。MACDラインがシグナルラインを下回って乖離すればするほど、ヒストグラムの値は低くなります。

MACDの使用方法ですが、トレーダーは、MACDラインがシグナルラインを上抜けていれば、通常、買いシグナルであることに気付くでしょう。他のテクニカル分析やファンダメンタル分析にもよりますが、このシグナルが点灯したら、ロングポジションを取ることを考えてもよいかもしれません。

逆に、MACDラインがシグナルラインを下抜けていれば、それは通常、売りシグナルであり、トレーダーはショートポジションを取ることを検討しましょう。

MACDヒストグラムは、MACDラインがシグナルラインから乖離するほど棒グラフが大きくなります。一方で、ヒストグラムが小さい棒グラフを形成するのであれば、トレーダーは、ヒストグラムが下がる方向にエントリーすることを検討しましょう。

MACD 基本の使い方

出所:FOREX.com/USDJPY/日足/期間12.26.9/9月15日取得

MACDに表示されるMACD線とシグナル線の2本の交差によりトレンドの転換点を値動きで判断するよりも早く察知できる特徴があります。またヒストグラムや0ラインによりトレンドの方向性も同時に把握できるため、トレンド中の売買タイミングをピンポイントで判断することができます。

MACDの使用を開始するには、ステップバイステップ・ガイドを参照するとチャートに簡単に適用できます。

  1. 1. チャートでMACDインジケーターを開きます。
  2. 2. 短期・長期EMAの値や、必要に応じてシグナルラインを調整します。既定では通常、12日と26日が設定されていますが、より詳細な情報が必要であれば、さらに短期の短期、長期の長期(例:5日、35日など)を試すこともできます。
  3. 3. 自分のトレード計画に応じて他のテクニカル戦略とファンダメンタル戦略を組み合わせ、MACDライン、シグナルライン、ヒストグラムを基にロングまたはショートのチャンスを判断します。たとえば、MACDラインがシグナルラインを上抜けたら、ロングエントリーのチャンスかもしれません。
  4. 4. ショートのときも同じ基準です。ここでも自分の戦略に合わせます。たとえば、MACDラインがシグナルラインを下回ったら、売り時(ショート)などです。

ここではMACDで使われる用語の解説を簡単な計算式と一緒に解説します。

MACDで使う用語 MACD線

出所:FOREX.com/USDJPY/日足/期間12.26.9/9月15日取得

MACD線は短期の移動平均線と長期の移動平均線の差がどれくらいあるのかを線で表示したもので、計算にはEMA(指数平滑移動平均線)を用います。EMAを使ってMACD線を算出することでトレンドの転換シグナルがより早く出現しやすく、直近のトレンドに追従しやすくなっています。

EMAの期間設定は短期12、長期26が主に使用され、計算式は「短期EMA – 長期EMA」で算出されます。単純にMACDと表示されることもあります。

MACDで使う用語 シグナル線

出所:FOREX.com/USDJPY/日足/期間12.26.9/9月15日取得

シグナル線はMACD線を単純平均化したもので、期間は主に9が使用されます。単純平均化とは、例えば期間9の場合、期間内のMACD線の値を全て足して9で割った数字がシグナル線の値となりそれを繋げたものがシグナル線となります。単純移動平均線の対象を終値ではなくMACD線に変えたものと理解して構いません。

MACD線よりも緩やかな動きになるため、長期的な値動きの目安として使います。

MACDで使う用語 ヒストグラム

出所:FOREX.com/USDJPY/日足/期間12.26.9/9月15日取得

ヒストグラムはMACD線とシグナル線の間隔を棒グラフで表示したものです。ヒストグラムがプラス方向にあるときは買い方向、マイナス側にあるときは売り方向への圧力が強いことを表します。ヒストグラムは2本の線の間隔を表示しているため、プラスからマイナスに転じたとき、マイナスからプラスに転じたときはそれぞれMACD線とシグナル線が交差したことを表します。2本の線の交差は売買シグナルとなるのでヒストグラムの転換でも察知することができます。

MACDで使う用語 0ライン

出所:FOREX.com/USDJPY/日足/期間12.26.9/9月15日取得

0ラインはヒストグラムのプラス圏とマイナス圏の境目にあるラインですが、現在のトレンドを分ける境界線としての機能もあります。MACD線やシグナル線が0ラインよりも上にあれば上昇トレンド、0ラインよりも下にあれば下降トレンドと判断する目安として利用できます。

ここではMACDをどう見ればいいのか、それぞれが出すサインに分けて解説していきます。

MACDの見方 0ライン

出所:FOREX.com/USDJPY/日足/期間12.26.9/9月15日取得

MACDを使って売買をする際にまず確認したいのは、ヒストグラムやMACD線、シグナル線が0ラインのどちら側にあるかです。例えばMACD線とシグナル線が0ラインよりも下側にある状態でヒストグラムが0ラインよりも上側にある場合、上昇トレンドが発生または継続の可能性があり売買チャンスが近いことがわかります。無駄な取引を減らすためにも各サインが出る前の各指標と0ラインとの位置関係をまずは確認しましょう。

MACDの見方 シグナル線

出所:FOREX.com/USDJPY/日足/期間12.26.9/9月15日取得

MACD線とシグナル線が交差しただけではトレンド転換に失敗し、サインがダマシとなることも多く見られます。そこで2本の線の交差に加えてMACD線・シグナル線が0ラインと交差するまで待つ方法があります。MACD線やシグナル線が抜けた方向にトレンドが発生する傾向があり、売買サインの信頼度が高まります。ただし短期的なトレンドだった場合、エントリーが遅れることですでに売買タイミングとしては遅いこともあります。

MACDの見方 ダイバージェンス

出所:FOREX.com/USDJPY/日足/期間12.26.9/9月15日取得

ダイバージェンスとは価格とテクニカル指標が逆行している動きのことを指します。例えば価格が高値を更新しているのに対して、MACD線とシグナル線が高値を更新できず切り下げている場合です。大きなトレンドの転換を示唆するサインですので、売買サインの発生でエントリーしたりポジション保有時は利益確定をするなどの目安に利用します。

単体でも十分な取引サインを持つMACDですが、他のテクニカル指標と組み合わせることでさらに確度の高いサインとして利用することができます。ここでは実際のチャートを使ってMACDと他のテクニカル指標を組み合わせた取引例を解説します。

FXで使えるMACD実例 ボリンジャーバンドとの組合せ

出所:FOREX.com/USDJPY/日足/期間12.26.9/9月15日取得

上図チャートは2020年から2021年にかけてのUSDJPY日足です。長い下落トレンドが形成されていましたが、①の位置でMACDとシグナル線のゴールデンクロスが発生しヒストグラムが0ラインを越えました。しかしボリンジャーバンドは下向き、MACD線とシグナル線も0ラインの下側なので見送りです。その後②の位置でMACD線とシグナル線が0ラインを越え、直後に③の位置でボリンジャーバンドが上向きになり価格がミドルラインを上回ったことを確認、次の足で買いのエントリーです。決済はその後ダイバージェンスが発生した位置で行っています

結果①の位置から買ったとしても勝ちにはなった場面ですが、リアルタイムで値動きを見ていた場合①ではまだまだ下落しそうな雰囲気がある場所です。②のMACDのサインに加えて③のボリンジャーバンドの転換の示唆を重ねることで確度の高いサインでのエントリーをおこなうことができました。

CFDで使えるMACD実例 RSIとの組合せ

出所:FOREX.com/Japan 225/日足/期間12.26.9/9月15日取得

上図チャートは2022年から2023年にかけての日経225の日足です。価格は長期間にわたって横ばいで推移しておりレンジ内の逆張りが有効な場面です。レンジ内と言ってもMACDのサインだけでは信頼度に欠けますので、RSIの買われ過ぎ売られ過ぎの判断を加えて売買サインの確度を高めています。

①の場面ではレンジ上限付近でRSIが70に到達、直後にMACD線とシグナル線のデッドクロスが発生したので売りエントリー。決済はRSIの30ライン到達で行っています。②の場面では①のエントリー決済後すぐにMACD線とシグナル線のゴールデンクロスが発生したのでドテンで買いエントリー。決済はMACD線とシグナル線の交差で行っています。③の場面ではRSIが30に到達してからしばらく下落が続いていましたが、その後MACD線とシグナル線のゴールデンクロスが発生したところで買いエントリー。MACD線とシグナル線の交差で決済をしています。

どのエントリーも2つの転換根拠が同時に起こっていること、どちらかの根拠が崩れたら決済していることが共通しています。また赤丸のような位置は転換根拠が片方だけなので見送りとしています。結果勝ちになったであろう場面もありますが、結果論ですのでリアルタイムでは確度の高い場面を選択するように気を付けておきましょう。

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