RSIは相対的に相場が過熱しているのかどうかを判断しますが、相対的とは「他と比べて」という意味なのでそれまでの相場の動きと比べて現在の価格がどうなのかを見ていることになります。
RSIが高ければ相場が過熱しており価格が高騰し、それまでと比べて買われていて、RSIが低ければ過熱感は無く価格が下落し、それまでと比べて売られていると判断できます。
(同じくテクニカル指標として使われるRCIは、オシレーターであること変わりませんが、日付にも順位をつけて計算する違いがあります。メリットや計算式も異なるため、それぞれの違いを理解しながらトレードに活用してみましょう。)
出所:FOREX.com/USDJPY/15分足/期間14/9月27日取得
RSIをFXで活用するには、買われ過ぎと売られ過ぎを判別して売買判断を行います。株式取引と違いFXは2カ国間の通貨価値をやりとりしますので、片方の通貨を買えばもう片方の通貨を売ることになります。そのため買いにも売りにもRSIを有効に活用することができます。
具体的には0%から100%の数値の中で、70%以上を買われ過ぎ、30%以下を売られ過ぎと判別して取引判断に活かします。
FXでRSIを使う場合にどのような場面で使えばいいのかを見ていきましょう。基本的な使い方はトレンドの継続と転換を予測する目安として利用します。
出所:FOREX.com/USDJPY/15分足/期間14/9月27日取得
価格が上昇中にRSIが70%のラインよりも上に位置している場合、買われ過ぎと判断され転換しやすい状態として売りのサインとなります。逆に価格が上昇していてもRSIが70%に到達していなければまだ上昇余地があるとも言えます。
出所:FOREX.com/USDJPY/15分足/期間14/9月27日取得
価格が下降中にRSIが30%のラインよりも下に位置している場合、売られ過ぎと判断され転換しやすい状態として買いのサインとなります。逆に価格が下降していてもRSIが30%に到達していなければ、まだ下降余地があると判断できます。
RSIは価格が往復するような動きを見せるレンジ相場で1番の威力を発揮します。レンジ上限付近で70%ラインを越えれば売り、レンジ下限付近で30%ラインを越えれば買いとしているだけで、連勝することも珍しくありません。
一方でトレンド相場でトレンド方向にRSIを見てしまうと負けが続くこともあります。例えば上昇トレンド中に70%ラインを越えたからと売りを仕掛けていてはほとんどの場面で負けてしまいます。RSIの弱点としてトレンド中はライン上部、または下部にRSIが張り付いてしまう現象が起こりますが、これはRSIの計算上防ぐことはできませんのでトレンド中は逆側のラインだけ見るなどの工夫も必要です。
RSIの計算式と推奨設定値を解説します。テクニカル指標には製作者による推奨期間はありますが、その時により効果的な数値は変動するものですので、効果があると思う期間を自身で設定していても問題ありません。
RSIの計算式は以下の通りです。
RSI = n日間の上昇幅合計 ÷ (n日間の下落幅合計 + n日間の上昇幅合計)
上昇幅や下落幅は終値を使いますので、前日の終値よりも当日の終値が高ければ上昇、前日の終値よりも当日の終値が低ければ下落として計算していきます。また合計ではなく平均を使う計算式もありますが答えは同じになりますので、どちらを使っても構いません。
RSIの推奨期間は14日間(期間を14)です。開発者であるJ.W.ワイルダー氏の研究結果では、あらゆるものの周期が28日であるとしておりその半分の14を使用することが効果的であるとしています。
実際のチャートを使ってRSIを使った取引を確認してみましょう。
出所:FOREX.com/USDJPY/15分足/期間14/9月27日取得
上図チャートは2023年7月のUSDJPY15分足です。緩やかな下降トレンドが続く中、70のラインを超える上昇が発生。勢いがあったので再度70を割り込むまで待ってからの売りエントリーです。その後しばらく価格はもみ合った後に急落。そのまま下落する期待がありましたが、30以下のゾーンから抜けたところで決済をしています。
70を超えてすぐにエントリーしなかったのは上昇に勢いがあったこと、レンジ帯ではないので買われ過ぎエリアに突入で価格の折り返しが期待できないことの2点です。なお、下落トレンド中なので30エリアから抜けた際の買いエントリーは検討しません。
出所:FOREX.com/Japan 225/1時間足/期間14/9月27日取得
上図チャートは2021年8月の日経225の1時間足です。下落トレンドが続いていましたが、安値を更新した位置でRSIとのダイバージェンスが発生。売られ過ぎの30ラインも越えていたため、30ラインを下から抜けたところでトレンド転換を狙った買いのエントリーです。その後戻り高値を抜いて下降トレンドが崩壊した位置で買い増しを入れ、そのラインの少し下に損切りを設定しています。上昇トレンドへの転換を根元から狙っていますが、ポイントはダイバージェンスと売られ過ぎの同時発生による根拠の重複があったということ、30ラインからの回帰を待ってからエントリーしていることの2点が挙げられます。
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