ECBは市場の予想通り50bpの利上げを実施し、市場介入金利を3.00%とした。これで2008年以来最高利率となる。 加えて、声明の中では3月にさらに50bpの利上げを行うことが事前に明言された。 それ以降は会合ごとに決定していくという。
しかし記者会見でクリスティーヌ・ラガルド総裁はどちらともとれる発言をしていたように思われ、 ある時点ではECBが50bpの利上げを「意図している」とも述べた。 そのため3月の利上げは既定路線というわけでもないように見える。 とはいえその後ラガルド総裁は(3月の50bpの利上げを指して)どのシナリオでも大幅な利上げが必要だとも語っている。
昨日のFOMC会合と同様、ECBの声明は「予想通り」でありつつ、ラガルド総裁の記者会見はそれよりはタカ派的姿勢が弱い、やや混乱を招くとさえ言えるものであった。
利上げとその後の記者会見を受けて最も大きな値動きを見せたのはユーロ/円だった。先週から今週前半にかけて、50日間移動平均と200日間移動平均(140.92円~141.79円)の間で横ばいの値動きが続いた後、ユーロ/円は積極的に売られた。 この通貨ペアは最近のレンジを割り込み、今後さらに値下がりする可能性も十分にある。 最初のサポートラインは1月3日の安値である137.39円。 その下では、2022年の安値から2022年の高値までの50%のリトレースメントレベルにあたる136.40円、また同じ値幅の61.8%のフィボナッチリトレースメントレベルにあたる133.56円まで下がる可能性がある。 レジスタンスラインはそれほど高くなく、最近のレンジの下端と200日間移動平均にあたる。 レンジの上端と50日間移動平均を超えれば、価格は上昇ウェッジパターンの下側をなす上向きのトレンドラインにあたる146.65円(2022年12月20日に割り込んだ価格)まで上がるかもしれない。
Source: Tradingview、Stone X
**ここ数回の記者会見と同様、今回の記者会見の数時間後に、ECBの「情報筋」が、伝達不足や誤解がありそうな点について補足を伝えた。今回、この情報筋は25bpないしは50bpの利上げがあと1~2回行われうると述べ、ターミナルレートは3.5%を見込んでいると語った。
ECBは市場の予想通りに50bpの利上げを行い、3月の会合でも利上げを続ける意図があると述べた。 とはいえ、クリスティーヌ・ラガルド総裁のトーンはそこまで積極的なものではなかった。会合後の記者会見の間、ユーロ/円は積極的に売られた。 レジスタンスラインはかなり強固だが、 最近のレンジより上まで値を戻せばその後値上がりする可能性は十分にある。
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