3日のニューヨーク外国為替市場でドル円は4営業日ぶりに大幅反発。終値は131.19円と前営業日NY終値(128.68円)と比べて2円51銭程度のドル高水準だった。米労働省が発表した1月米雇用統計で非農業部門雇用者数が前月比51.7万人増と予想の18.5万人増を上回り、失業率が3.4%と予想の3.6%より強い内容だったことが明らかになると、米連邦準備理事会(FRB)が早期に利上げを停止するとの期待が後退。米長期金利の上昇とともにドル買いが広がった。1月米ISM非製造業指数が55.2と予想の50.4を上回ったことも相場の支援材料となり、131.20円まで上値を伸ばした。市場では「米労働市場の需給ひっ迫が改めて確認された。3月と5月の会合でも利上げが続くとの観測が高まった」との声が聞かれた。
主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時103.01まで上昇した。
ユーロドルは続落。終値は1.0795ドルと前営業日NY終値(1.0910ドル)と比べて0.0115ドル程度のユーロ安水準だった。前日に大幅下落した反動でショートカバーが先行。22時過ぎに一時1.0940ドルと日通し高値を更新した。ただ、欧州中央銀行(ECB)の金融引き締めが想定より早く終了する可能性があるとの期待が強まる中、戻りは限定的だった。良好な米雇用統計やISM非製造業指数を手掛かりに全般ドル買いが活発化すると、一時1.0793ドルと日通し安値を更新した。
ユーロ円は反発。終値は141.62円と前営業日NY終値(140.42円)と比べて1円20銭程度のユーロ高水準。ユーロドルの下落につれた売りが出た半面、ドル円の上昇につれた買いが相場を押し上げ、一時142.35円と日通し高値を更新した。ただ、引けにかけては141.54円付近まで伸び悩んだ。
ポンドドルは一時1.2048ドルと1月6日以来約1カ月ぶりの安値を付けた。英中銀(BOE)の利上げサイクルがピークに近づいているとの観測を背景にポンド売りが出たほか、良好な米経済指標を手掛かりにドル買いが進んだ。
本日の東京外国為替市場のドル円は、米国1月の雇用統計がポジティブサプライズだったことや次期日銀総裁候補に雨宮副総裁の可能性が高まったことで、堅調推移が予想される。
米国1月の雇用統計のポジティブサプライズは、FEDピボット(FRBの利下げ転換)を先送りし、雨宮日銀総裁の誕生は、BOJピボット(日銀の利上げ転換)を先送りする可能性を高めることで、ドル高・円売り要因となる。
日本時間6日午前2時に日本経済新聞電子版が「日銀次期総裁、雨宮副総裁に打診。政府・与党が最終調整」との速報記事を出したことを受け、日銀の金融緩和継続期待が高まっている。
ドル円は、早朝のオセアニア市場では、3日のニューヨーク市場の終値131.19円(高値131.20円)から窓を空けて上昇して、132円台まで買われている。
米国1月の非農業部門雇用者数が前月比51.7万人の増加、失業率は1969年5月以来の低水準となる3.4%だったことで、パウエルFRB議長が懸念していた労働市場の需給逼迫が確認された。
フェデラル・ファンド(FF)金利先物市場では、3月と5月の米連邦公開市場委員会(FOMC)でも0.25%の追加利上げが続き、ターミナルレート(利上げの最終到達点)が5.10%(※FF金利誘導目標5.00-25%)まで上昇し、12月のFOMCでのドット・プロット(金利予測分布図)で示されたように、今年末まで高金利が維持される可能性が高まりつつある。
懸念材料としては、1月の平均時給は前月比+0.3%、前年同月比+4.4%となり、12月の前月比+0.4%、前年同月比+4.8%から低下していたこと、不完全雇用率と長期失業者の割合が上昇していたこと、年次基準改定と季節調整と産業分類の改定によるポジティブサプライズの可能性が指摘されていることなどが挙げられる。すなわち、米国の1月の雇用関連指標は、以下の通りにまちまちの結果だった。
【2023年1月】 【2022年12月】(〇改善・●悪化)
【改善】
〇失業率: 3.4% 3.5%
〇非農業部門雇用者数:+51.7万人 +26.0万人
〇新規失業保険申請件数(1/12週):19.2万件 21.6万件
〇失業保険継続受給者数(1/12週):166.6万人 171.8万人
〇消費者信頼感指数(勤労市場格差):36.9% 34.5%
〇ISM非製造業雇用指数:50.0 49.8
【悪化】
●ISM製造業雇用指数:50.6 50.8
●ADP全国雇用者数:+10.6万人 +25.3万人
●シカゴ購買部協会雇用指数:42.0 42.6
●米企業の人員削減数(チャレンジャー社):+440.0% +129.1%
米1月チャレンジャー人員削減予定数は、前年同月比で+440%、すなわち、約5.4倍増の10万2943人だった。そして、3カ月連続で2倍を超える増加となっており、米国のIT企業による人員削減の影響が現れている。
先週のFOMC後のパウエルFRB議長の会見では、ハト派的な見解としては、ディスインフレへの言及と適切な金利水準までの「道半ば」を封印したことが挙げられる。
タカ派的な見解としては、年内の利下げの可能性を否定し、労働市場の逼迫への警戒感を示したことが挙げられる。
1月の米雇用統計は、パウエルFRB議長の労働市場への警戒感を堅持させる内容だったことで、パウエルFRB議長と共に「今後の状況を見て(we’ll see)」いくことになる。
※時刻表示は日本時間
<国内>
特になし
<海外>
○16:00 ◎ 12月独製造業新規受注(予想:前月比2.0%/前年同月比▲11.4%)
○17:15 ◎ ホルツマン・オーストリア中銀総裁、講演
○17:40 ◎ マン英中銀金融政策委員会(MPC)委員、講演
○18:30 ◎ 1月英建設業購買担当者景気指数(PMI、予想:48.2)
○19:00 ◎ 12月ユーロ圏小売売上高(予想:前月比▲2.0%/前年比▲2.8%)
○24:00 ◇ 1月カナダIvey購買部協会景気指数
○7日02:00 ◎ ピル英中銀MPC委員兼チーフエコノミスト、講演
○ニュージーランド(ワイタンギ・デー)、休場
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。
3日08:47 鈴木財務相
「日銀新総裁については未だ確定していない。現時点でコメントすることはない」
3日13:08 黒田日銀総裁
「国債購入と共担オペの組み合わせで適切な利回り促す」
「賃金上昇伴う物価2%の安定的・持続的な実現を目指す」
「日本経済を巡る不確実性は極めて大きい、金融緩和の継続が適当」
「消費者物価の前年比、来年度半ばにかけて2%下回る」
3日17:15 シムクス・リトアニア中銀総裁
「0.5%利上げは3月が最後にならない可能性」
「今年の利下げの可能性はかなり低い」
3日18:04 カジミール・スロバキア中銀総裁
「3月の利上げが最後だとは思わない」
「3月以降、何回利上げするかはまだ決めていない」
3日19:22 ミュラー・エストニア中銀総裁
「インフレ抑制のためには3月に0.50%利上げする必要」
「経済減速がインフレ緩和にはならないだろう」
「コアインフレが不安の種」
3日21:45 ピル英MPC委員・チーフエコノミスト
「市場はイングランド銀行の意向を正確に解釈している」
4日04:47 デイリー米サンフランシスコ連銀総裁
「雇用統計はすごい数字だったが、傾向は驚くべきものではない」
「FRBはより多くのことをする準備ができている」
「金融政策の決定はインフレ次第」
「会合ごとに何をするかについて話すには時期尚早」
「方向性のある政策は追加の引き締めであり、その後しばらく据え置かれるだろう」
「パンデミックによる最大の驚きは、米国経済の回復力」
「強い労働市場を予想している」
「インフレ率が2%に低下すると本当に信じるまでは、制限的な政策スタンスをとる必要がある」
※時間は日本時間
<ドル円=2/1高値を支持に押し目買いスタンス>
陽線引け。一目・転換線は基準線を下回り、遅行スパンは実線を上回ったものの、雲の下で引けていることで、売りシグナルが優勢な展開。しかし、抱き線で切り返して基準線と転換線を上回って引けており、本日は、窓を空けて上昇していることで続伸の可能性が示唆されている。
本日は、1日の高値を支持に押し目買いスタンスで臨み、同水準を下抜けた場合は手仕舞い。
レジスタンス2 134.77(1/6高値)
レジスタンス1 133.90(日足一目均衡表・雲の下限)
前日終値 131.19
サポート1 130.41(2/1高値)
サポート2 129.65(日足一目均衡表・転換線)
<ユーロドル=転換線を抵抗に戻り売りスタンス>
陰線引け。一目・転換線は基準線を上回り、遅行スパンは実線を上回り、雲の上で引けていることで、三役好転の強い買いシグナルが点灯中。しかし、2手連続陰線で下落して転換線を下回って引けており続落の可能性が示唆されている。
本日は、転換線を抵抗に戻り売りスタンスで臨み、同線を上抜けた場合は手仕舞い。
レジスタンス1 1.0913(日足一目均衡表・転換線)
前日終値 1.0795
サポート1 1.0759(日足一目均衡表・基準線)
<ポンド円=2/3安値を支持に押し目買いスタンス>
陽線引け。一目・転換線は基準線を上回り、遅行スパンは実線を下回り、雲の下で引けていることで、売りシグナルが優勢な展開。しかし、孕み線で反発して、窓を空けて上昇しており続伸の可能性が示唆されている。
本日は、3日の安値を支持に押し目買いスタンスで臨み、同線を下抜けた場合は手仕舞い。
レジスタンス1 160.67(2/1高値)
前日終値 158.16
サポート1 156.74(2/3安値)
<NZドル円=雲の下限を抵抗に戻り売りスタンス>
陰線引け。一目・転換線は基準線を上回っているものの、遅行スパンは実線を下回り、雲の下で引けていることで、売りシグナルが優勢な展開。2手連続陰線で下落して転換線を下回って引けており、続落の可能性が示唆されている。
本日は、雲の下限を抵抗に戻り売りスタンスで臨み、同線を上抜けた場合は手仕舞い。
レジスタンス1 84.56(日足一目均衡表・雲の下限)
前日終値 83.04
サポート1 81.81(1/19安値)
情報提供元:DZHフィナンシャルリサーチ社
フォレックス・ドットコムでは、ノックアウトオプション、FX、株価指数CFDを取引いただけます。
口座開設は以下のステップで行えます。
本レポートに記載されている情報や見解は、一般的な情報としての使用のみを目的としたものであり、FX、CFD、その他あらゆる金融商品の購入や売却に関する勧誘や依頼の意図は全くありません。本文書に記載されている見解や情報は、予告や通知なく変更されることがあります。本文書は、特定の投資目的や背景、特定の受領者の意思などに沿って書かれ配布されたものではありません。本文書内で引用・言及されている過去の価格データは、当社独自の調査や分析に基づいており、当社はそのデータの提供元やそのデータそのものの信頼性につき、いかなる保証もせず、また筆者や訳者、各国の支社・ 支店も、本文書の内容の正確性や完全性についても一切保証しません。本文書の内容に基づく直接または間接の損失、そして本文書を信頼したことにより生じた損失についても、当社は一切その責を負いません。
本レポートに記載されている情報や見解は、一般的な情報としての使用のみを目的としたものであり、FX、CFD、その他あらゆる金融商品の購入や売却に関する勧誘や依頼の意図は全くありません。本文書に記載されている見解や情報は、予告や通知なく変更されることがあります。本文書は、特定の投資目的や背景、特定の受領者の意思などに沿って書かれ配布されたものではありません。本文書内で引用・言及されている過去の価格データは、当社独自の調査や分析に基づいており、当社はそのデータの提供元やそのデータそのものの信頼性につき、いかなる保証もせず、また筆者や訳者、各国の支社・ 支店も、本文書の内容の正確性や完全性についても一切保証しません。本文書の内容に基づく直接または間接の損失、そして本文書を信頼したことにより生じた損失についても、当社は一切その責を負いません。