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移動平均線のFXトレードアイデア〜短期、中期、長期で最強の設定とは?〜

移動平均線は一定期間内の価格の平均値をグラフに描いたもので、相場の方向性やトレンドを視覚的に把握するために使われます。

移動平均線を使うことで、価格変動のトレンドを判断するのに役立つため、FXトレードで多く活用されています。

著者 forex.com
2024年11月13日 午前01:48

目次

テクニカル指標の中で最もポピュラーといえる存在の移動平均線。シンプルな作りでありながら読み取れる情報が多いため、初心者から上級者まで世界中のトレーダーが愛用しています。

一方で、移動平均線は設定を自由に変更できることから、どの設定にしようか悩んでいる人も多いと思います。

はたして最強の設定はあるのか? どの設定が多く使われているのか? 移動平均線の見方やトレードアイデアも含めて解説していきます。

そもそも移動平均線はどのようなテクニカル指標なのでしょうか。

移動平均線はポピュラーなテクニカル指標であるため、名前は知っている人は多いと思いますが、「移動平均線はどんなテクニカル指標?」とあらためて聞かれると説明が難しいかもしれません。

まずは、移動平均線についておさらいしていきます。

移動平均線は平均価格を線をつないだテクニカル指標

移動平均線は一定期間の価格を平均し、線で結んだテクニカル指標です。世界中のトレーダーが愛用している最もポピュラーなテクニカル指標の一つとされています。

例えば、5日移動平均線の場合だと、過去5日間の価格を合計して5で割った数を結んだ線をチャートに表示します。

現在が9月5日であれば9月1日〜9月5日における平均、9月10日であれば9月6日〜9月10日における平均ということです。平均の計算は基本的に終値を基に行われます。

移動平均線は傾きやローソク足との位置関係から、現在の相場の方向性やトレンドの有無を判断するのに用いられます。

チャートに線が引かれるため視覚的に分かりやすく、初心者でも比較的使いやすいテクニカル指標です。

ただし、過去の平均値を基にしているため、直近の値動きとはタイムラグがあります。

そのため、実際の相場よりもやや遅れて新しいトレンドの発生や売買シグナルを示す点に注意が必要です。

移動平均線の見方はさまざまです。いくつか解説していきます。

・移動平均線の傾きからトレンドを判断

オーソドックスな分析方法として、移動平均線の傾きによって相場の方向を判断できます。

移動平均線の傾きからトレンドを判断する

移動平均線が上を向いていれば相場は上昇基調、反対に移動平均線が下を向いていれば相場は下落基調、横ばいなら相場はレンジ状態と判断できます。

これは「移動平均線が上向きなら直近は平均値が大きくなっている=値上がりしている」という考え方です。反対に、「下向きなら直近の平均値が小さくなっている=値下がりしている」と考えられます。

移動平均線が横ばいだと、「直近の平均値はあまり変化していない=目立った値上がりも値下がりもしていないから相場はもみ合っている状態」と考えられます。

移動平均線の傾きで判断するというのはシンプルな方法ですが、トレンドがどの方向に発生しているのかを視覚的に判断できます。

・移動平均線とローソク足の位置関係から相場の勢いを判断

移動平均線とローソク足の位置関係からも相場の動きを判断可能です。

移動平均線とローソク足の位置関係から相場を判断する

ローソク足が移動平均線の上に位置していれば上昇基調、反対にローソク足が移動平均線の下に位置していれば下落基調と判断できます。

これは、ローソク足が移動平均線の上にあるのは価格が平均値を上回っているので直近は上昇の勢いが強いと考えられます。反対に、ローソク足が移動平均線の下にあるのは価格が平均値を下回っているので、直近は下落の勢いが強いと考えられるからです。

詳細は後述しますが、ローソク足が移動平均線を上抜く、もしくは下抜くタイミングをエントリーや決済のポイントとして用いられています。

・移動平均線からローソク足が大きく乖離しているか

さらに、ローソク足が移動平均線からどのくらい乖離しているかも重要です。これは価格が移動平均線から大きく乖離すると、移動平均線に戻っていく傾向があるからです。

移動平均線からローソク足が大きく乖離しているかを分析

この傾向を利用し、ローソク足と移動平均線の乖離の大きさによって、今が買われすぎなのか、売られすぎなのかを判断し、逆張りを狙う手法もあります。

・移動平均線がレジスタンスラインやサポートラインとして機能する

移動平均線がサポートラインやレジスタンスラインとして機能することがあります。

移動平均線をレジスタンスラインやサポートラインとして分析に使う

ローソク足が下に位置する移動平均線まで下落したら反発、ローソク足が上に位置する移動平均線まで上昇したら下落する可能性があることは知っておきましょう。

このように、移動平均線は平均値を結んだ線というシンプルな作りでありながら、相場の方向性、エントリーや決済のタイミングを分析可能な奥深いテクニカル指標です。

移動平均線は多くの人に使われているポピュラーなテクニカル指標のため、ユーザーが作成したMT4カスタムインジケーターも含めるとさまざまな種類があります。

その中でも、単純移動平均線(SMA)、指数平滑移動平均線(EMA)、平滑移動平均線(SMMA)、加重移動平均線(WMA)については、MT4や各FX会社の取引ツールに初期搭載されていることが多いので、知っておくと移動平均線を使った分析方法の幅が広がります。

・単純移動平均線(SMAもしくはMA)

一般的な移動平均線といえば、この単純移動平均線を示しています。一定期間の終値を平均して線で結んでいます。デメリットは過去の値動きを基にしているため、直近の相場よりもタイムラグがあることです。

・指数平滑移動平均線(EMA)

直近の価格に大きな比重を置いて計算している移動平均線です。単純移動平均線よりも直近の値動きに反応しやすいという特徴があります。

・平滑移動平均線(SMMA)

直近の値動きに比重を置き、過去になるほど比重が小さくなるように計算している移動平均線です。単純移動平均線や指数平滑移動平均線、加重移動平均線よりも直近の相場への反応が遅い特徴があります。

・加重移動平均線(WMA)

過去の価格になるほど影響が小さくなるように計算している移動平均線です。単純移動平均線や指数平滑移動平均線よりも直近の動きに敏感に反応します。

移動平均線の種類

上の画像では単純移動平均線(赤色の線)、指数平滑移動平均線(青色の線)、平滑移動平均線(緑色の線)、加重移動平均線(紫色の線)の4本の移動平均線をチャートに表示させています。

これを見ると、指数平滑移動平均線と加重移動平均線は単純移動平均線よりも直近の相場の動きへの反応がよく、反対に平滑移動平均線は他の3種類よりもなだらかなラインになっているのが見て取れます。

どの移動平均線が良いのかはトレーダーによって異なります。一般的によく使われているのは単純移動平均線なので、他の市場参加者と合わせるなら単純移動平均線です。

直近の価格変動への追従性を重視したい場合は指数平滑移動平均線、平滑移動平均線が良いと言われています。

移動平均線は世界中のトレーダーが利用しているMT4やTradingviewにも搭載されています。つまり世界中のトレーダーが移動平均線からチャート分析をして売買ポイントを探っていることになります。

MT4搭載の移動平均線例1

例えば、FOREX.comのウェブ番取引ツール(Webtrader)ではインジケーターからMA(移動平均)を選択すると移動平均線を表示可能です。

MT4搭載の移動平均線例2

期間や線の色などを変更したい場合は、左上のインジケーター名にマウスカーソルをあて、歯車マークをクリックするとパラメーターを変更できます。

なお、これは単純移動平均線の表示方法です。指数平滑移動平均線ならEMA、平滑移動平均線はSMMA、加重移動平均線はWMAを選択してください。

MT4搭載の移動平均線例3

MT4で移動平均線を表示させたい場合は、ナビゲーターもしくは上部のメニューの「挿入」から「インディケータ」→「トレンド」にある「Moving Average」を選択すると表示されます。

MT4搭載の移動平均線例4

設定を変更したい場合は、チャート上で右クリックし、「表示中のインディケータ」を選択。一覧の中にある「Moving Average」を選択すると、パラメーターを変更可能です。

MT4搭載の移動平均線例5

MT4でEMAやSMMA、WMAを表示させたい場合は、単純移動平均線のパラメータータブの「移動平均線の種別」から変更可能です。

ほぼ全ての取引ツールに初期搭載されているため、すぐに利用できます。それほどまでにメジャーなテクニカル指標といえる存在が移動平均線です。

移動平均線は計算する期間を変更することが可能です。

期間を変更することで短期目線だけでなく、長期的に相場がどう動いているのかを判断できるようになります。

期間を変更できるとはいうものの、「どの設定にすればいいの?」と迷ってしまうと思います。

ここからは移動平均線の期間設定について解説していきます。

移動平均線は設定した期間内の平均価格を計算したものと解説しましたが、期間を変更することで平均を出す期間を変更可能です。

例えば、日足であれば期間を25に設定すれば過去25日分のローソク足の平均を線で結んだ移動平均線が表示されます。日足における25という期間は、おおよそ1か月における平均値ということになります。

つまり、25日移動平均線を見れば、過去1か月で相場がどのように動いたのかを分析できるということです。

日足で75に設定した移動平均線ならおおよそ3か月、120日ならおおよそ半年、200日ならおおよそ1年の価格を平均化した線ということです。

注意点としては、過去のローソク足の終値から平均を計算しているため、移動平均線を表示する時間足によって計算も異なります。

例えば、日足で25に設定した移動平均線なら過去25日を計算した平均ですが、4時間足で25に設定した場合、4時間×25=100時間の平均を線で結んだ移動平均線になります。5分足で25に設定した場合だと、5分×25を計算した移動平均線が表示されるということです。

これを利用して、上位足や下位足の移動平均線を表示させ、各時間足の相場がどのように動いているのかを判断する方法もあります。

例えば、1日は24時間です。これを1週間にすると24×5=120時間になります。

つまり、1時間足で期間120に設定した移動平均線は、日足換算で5日移動平均線ということになります。

仮に、1時間足に日足における200日移動平均線を表示させたい場合は、24×200=4800に設定すると表示されます。

期間設定を変えることで他の時間足の移動平均線を表示できることは、移動平均線の使い方として大きなメリットがあるので、ぜひ覚えておきましょう。

移動平均線のメジャーな使い方として、設定する期間ごとに短期線、中期線、長期線の3つを組み合わせる方法があります。

これは、短期線は短い期間の平均なので短期的な相場の動き、中期線は短期よりも長い期間の平均なので中期的な相場の動き、長期線は長い期間の平均なので長期的な相場の動きを3つの線から分析できるメリットがあるからです。

移動平均線の期間

例えば、日足だと、短期線は20日移動平均線、中期線は75日移動平均線、長期線は120日移動平均線を表示させ、それぞれの傾きや位置関係で相場分析を行います。

期間の異なる移動平均線を複数表示させることで、分析できる内容も異なってきます。

移動平均線は期間を変更可能といっても、「どの期間設定が良いの?」と思う人は多いのではないでしょうか。

おすすめは、「多くの人が使っているようなメジャーな期間を選ぶこと」です。

これは、市場参加者の心理が相場に大きな影響を与えるからです。要するに、多くの人が使っている期間だと、その期間を基に取引する人が多いから機能しやすくなるという理屈です。

逆に言えば、誰も使っていないような期間設定は機能しにくいデメリットがあるということになります。

よく使われている期間については後述していきますが、【移動平均線とは〜FXとCFDで使えるテクニカル分析】も合わせてお読みください。

なお、期間設定に明確な正解はありません。これはどのテクニカル指標にも言えることですが、設定を変えたからといって利益を出せるようになるわけではありません。

移動平均線はあくまでも相場の動きを判断する手助けをしてくれるツールです。5日移動平均線を使って利益を出せないからといって25日移動平均線や120日移動平均線に乗り換えたとたんに利益を出せるようになるわけではありません。このことはテクニカル指標を利用するなら理解しておきましょう。

ここからは一般的によく使われる期間を紹介していきます。これらの数値は多くのトレーダーが使っているため、機能しやすいというメリットがあります。

絶対にこの数値が良いというわけではありませんが、参考になると思います。

一般的によく設定されている期間は5、10、14、20、21、25、50、60、75、120、200です。

例えば、短期線は25、中期線は75、長期線は200の3本の移動平均線を表示させ、それぞれの位置関係から分析する方法があります。

あとは、3、5、8、13、21、34、55、89、144、233なども好まれます。これはフィボナッチ数列の数字です。

フィボナッチ数列とは有名な数学者であるレオナルド・フィボナッチが発見した数列で、前の2つの数字を足した数字が次の数字になります。

このフィボナッチ数列を移動平均線の期間に設定するトレーダーも多いので、おすすめです。

アレンの4-9-18手法

3本の移動平均線を使った手法として、「アレンの4-9-18手法」という組み合わせがあります。これは期間4の短期線、期間9の中期線、期間18の長期線の組み合わせで分析していくという手法です。

移動平均線 アレンの4-9-18手法

アレンの4-9-18手法と聞くと特別な手法なイメージがありますが、使い方は上から短期、中期、長期と並んでいたら上昇トレンド、反対に上から長期、中期、短期と並んでいたら下落トレンド、ゴールデンクロスやデッドクロスで売買シグナルを判断するなど、3本の移動平均線を使った相場分析方法と変わりはありません。

気になる方は「アレンの4-9-18手法」でバックテストしてみるとよいでしょう。

移動平均線についての基本的な部分と期間設定について解説してきました。

移動平均線をどのように使えばいいのか、多くの市場参加者が使っている期間はどの数値なのかを理解できたかと思います。

ここからは、移動平均線を使ってエントリーや決済のポイントを見つける方法について紹介していきます。

ぜひ参考にし、トレードに役立ててください。

オーソドックスな使い方としては、移動平均線の傾きによってトレンドを判断し、その方向にエントリーするトレンドフォロー戦略があります。

トレンドフォローとは相場の流れに乗っていくトレード手法です。上昇トレンドなら買い、下落トレンドなら売りで利益を狙います。

移動平均線の基本的な見方として、傾きで方向性を判断する方法があります。上向きなら上昇基調、下向きなら下落基調と判断できます。そして、トレンドの勢いが大きいほど、移動平均線の角度も大きくなるという特徴があります。

そのため、移動平均線の傾きと角度でトレンドを判断し、その方向に向かってエントリーする方法が有効です。移動平均線が上向きなら上昇トレンドと判断して買いエントリー、移動平均線が下向きなら下落トレンドと判断して売りエントリーを狙います。

また、期間が異なる複数の移動平均線を表示させている場合は、規則正しく並んでいるかどうかで判断する方法があります。

移動平均線の角度でトレンドの有無を分析する

例えば、短期線、中期線、長期線の3本の移動平均線を表示させているなら、上から短期線、中期線、長期線と並んでいて、かつ上向きなら強い上昇トレンドが出ていると判断できます。

反対に、下から短期線、中期線、長期線と並んでいて、全ての線が下向きなら強い下落トレンドと判断できます。

期間が異なる複数の移動平均線が順番に並んでいて、全てが同じ方向を向いている状態を「パーフェクトオーダー」と呼びます。

移動平均線の傾きでトレンドの方向を見定め、その方向に順張りを狙っていくのが移動平均線を使った基本的なトレード手法です。

ゴールデンクロスと呼ばれる買いシグナルが発生したタイミングでエントリーを狙う方法があります。

移動平均線におけるゴールデンクロスとは、ローソク足が移動平均線を下から上に突き抜けた状態を表します。

ゴールデンクロスの発生は、相場が上昇傾向になるかもしれない買いサインとして知られています。

これが発生したタイミングで買いエントリーを狙う、もしくは売りポジションを保有しているなら決済のタイミングとして判断できます。

また、ゴールデンクロスは複数の移動平均線を表示させた場合にも有効です。短期線と中期線の2本の移動平均線を表示させているなら、短期線が中期線を上抜いたらゴールデンクロスの発生です。

移動平均線の:ゴールデンクロスで買いエントリーを狙う

短期線、中期線、長期線の3本の移動平均線なら、短期線が中期線と長期線を上抜いたタイミングがゴールデンクロスです。

視覚的に分かりやすい売買サインなので、移動平均線をチャートに表示させる場合は注目してみてください。

なお、ゴールデンクロスが発生したからといって、必ずしも上昇するわけではありません。ゴールデンクロスが発生したものの、すぐに逆行してしまう「ダマシ」は多かれ少なかれあります。

特にゴールデンクロスは市場参加者のほとんどが理解している売買サインのため、ダマシも多いので、注意して取引をしましょう。

デッドクロスと呼ばれる売りシグナルの発生で売りエントリーを狙うのも、移動平均線の基本的なトレード手法です。

デッドクロスはゴールデンクロスとは反対で、ローソク足が移動平均線を上から下に突き抜けた状態を表します。

デッドクロスの発生は、相場が下落基調になるかもしれない売りサインとして知られています。

これが発生したタイミングで売りエントリーを狙う、もしくは買いポジションを保有しているなら決済のタイミングとして判断できます。

また、デッドクロスも複数の移動平均線で判断可能です。短期線と中期線の2本の移動平均線なら、短期線が中期線を下抜いたらデッドクロスです。

移動平均線のデッドクロスで売りエントリーを狙う

短期線、中期線、長期線の3本の移動平均線なら、短期線が中期線と長期線を下抜いたタイミングです。

もちろん、デッドクロスも必ず下落するわけではありません。ゴールデンクロスと同じく、市場参加者のほとんどが理解している売買サインのため、ダマシも多いです。

ゴールデンクロスとデッドクロスは移動平均線を使ったトレード手法の基本ともいえる存在です。移動平均線以外のテクニカル指標でも判断材料とされることが多いので、覚えておきましょう。

移動平均線を使ったトレード方法として、「グランビルの法則」というものがあります。紹介したゴールデンクロスとデッドクロスもグランビルの法則に出てきます。

グランビルの法則とは、米国のジョゼフ・E・グランビル氏が考案したトレード理論で、価格と移動平均線の位置関係から売買タイミングを判断するという理論です。

移動平均線でグランビルの法則を活用する

4種類の買いシグナル、4種類の売りシグナルの合計8種類の売買シグナルがあります。それぞれ解説していきます。

・買いシグナル①

移動平均線が横ばい、もしくは上向きのときに価格が移動平均線を下から上に突き抜けたタイミング。いわゆるゴールデンクロス。

・買いシグナル②

移動平均線が上向きの状態で、価格がいったん移動平均線を下抜くも、再上昇して移動平均線を下から上に突き抜けたタイミング。押し目買いを狙う際に有効。

・買いシグナル③

移動平均線が上向きの状態で、価格が移動平均線まで下落するものの、移動平均線を下抜けることなく再上昇していくタイミング。こちらも押し目を狙うときに有効だが、そのまま移動平均線を下抜いてデッドクロスになるリスクもある。

・買いシグナル④

価格が移動平均線の下に大きく乖離したタイミング。大きく乖離した価格が移動平均線へ回帰するところを狙う。逆張り的な手法。

・売りシグナル⑤

移動平均線が横ばい、もしくは下向きのときに価格が移動平均線を上から下に抜けたタイミング。いわゆるデッドクロス。

・売りシグナル⑥

移動平均線が下向きの状態で、価格が移動平均線を上抜いたタイミング。戻り売りを狙う手法。そのまま移動平均線を上抜いてゴールデンクロスになるリスクもある。

・売りシグナル⑦

移動平均線が下向きの状態で、価格が移動平均線まで上昇するものの、移動平均線を上抜けることなく下落していくタイミング。売りシグナル⑥と同じく戻り売りを狙う。

・売りシグナル⑧

価格が移動平均線の上に大きく乖離したタイミング。買いシグナル④と同様に、大きく乖離した価格が移動平均線へ回帰するところを狙う逆張り的な手法。

グランビルの法則は移動平均線を使うトレーダーならほとんどの人が知っているほど有名な理論なので、しっかりと理解しておきましょう。

なお、グランビルの法則で使用するべき時間足と期間は特に決まってはいませんが、グランビル氏は日足と200日移動平均線を使用して分析していたようです。

こちらの記事「グランビルの法則~8つの売買シグナル~」でグランビルの法則を取引実例を解説しているので、あわせてご覧ください。

移動平均線は単体で使うだけでなく、他のテクニカル指標と組み合わせると効果的だといわれています。

どのようなテクニカル指標と組み合わせるのが良いのか、解説していきます。

RSIやストキャスティクスなどの相場の過熱感を表すオシレーター系のテクニカル指標と組み合わせるのがポピュラーです。

オシレーター系指標とは、相場の過熱感を示すテクニカル指標です。要するに、今が買われすぎなのか、それとも売られすぎなのかを表します。代表的なオシレーター系指標には、ストキャスティクスやMACD、RSI、RCIなどがあります。

移動平均線はトレンド系指標です。トレンド系指標とは、トレンドの方向性や強さを判断するために使用するテクニカル指標のこと。移動平均線の他に、ボリンジャーバンドや一目均衡表、DMIが有名です。

そのため、移動平均線でトレンドを分析しつつ、オシレーター系指標で相場の過熱感を判断するという手法が有効です。

例えば、移動平均線とRSIを組み合わせて、移動平均線でトレンドの発生や継続を判断し、レンジ相場ではRSIで売られすぎ、買われすぎを判断するという方法もあります。

現在の価格が移動平均線からどれぐらい離れているかを示すインジケーターもおすすめです。

これは前述しましたが、価格が移動平均線から大きく放れると、やがて移動平均線まで収束するという傾向があり、移動平均線からの離れすぎたところを狙って逆張り的に取引するのに有効です。

移動平均線からの乖離を表す有名なインジケーターが「移動平均線乖離率」です。現在の価格が移動平均線からどれぐらい離れているかを数値化してくれるので、売買タイミングを掴みやすいです。

ただし、移動平均線乖離率はMT4にはデフォルトで搭載されていません。移動平均線からの乖離率を示すカスタムインジケーターをインストールする必要があります。

1本の移動平均線ではなく、複数の移動平均線を表示させると相場から読み取れる情報が増えるのでおすすめです。

ポピュラーな方法としては、短期線、中期線、長期線の3本を表示させ、それぞれの傾きや位置関係で売買ポイントや相場の流れを読みとれます。

例えば、上から短期、中期、長期と規則正しい順番に並んでいれば上昇トレンドの可能性が高く、上から長期、中期、短期と並んでいれば下落トレンドと判断できます。そして、順番がバラバラであればもみ合いと考えられます。

1本だけ表示するよりも相場分析の判断材料が増えるため、期間の異なる移動平均線を複数表示させるのもおすすめです。

移動平均線の基本から使い方について解説してきましたが、最後に移動平均線を使う場合の主な注意点を解説していきます。

これから移動平均線で相場分析をする人は、覚えておきましょう。

当たり前のことですが、移動平均線は相場分析をするための道具であり、使えば必ずトレードで成績が向上するわけではありません。

単純移動平均線はダメだったが指数平滑移動平均線に変えたとたんに成績が向上するわけではありませんし、移動平均線を基に作成されたカスタムインジケーターを使ったら勝率が向上するわけでもありません。

期間設定も同じで、「必ず勝てる最強の設定(期間)」はありません。

トレードにおいてずっと利益を出し続ける「聖杯」はないということは理解しておきましょう。

相場は市場参加者の心理、思惑によっても動くことがあり、テクニカル指標のパラメーターをあまり使われていないような設定にすると、機能しにくい可能性があります。

例えば、一般的ではない期間設定をしている移動平均線でデッドクロスやゴールデンクロスが表れたとします。一方で、他の市場参加者が表示している移動平均線ではデッドクロスやゴールデンクロスが表れていないため、機能しなかったというケースもありえます。

これはインジケーターの種類も同じで、市場参加者があまり使っていないような珍しいインジケーターは機能しにくい面があります。

もちろん、珍しい期間設定やインジケーターが必ず機能しないわけではありません。しかし、メジャーな期間やインジケーターの方がそれだけ多くのトレーダーが参考にしているということなので、機能しやすいでしょう。

損失ばかり出しているからと期間設定やインジケーターを頻繁に変える人もいます。

例えば、75日移動平均線のゴールデンクロスが発生したところで買いエントリーしたのに、逆行して損失が出たから次は期間を120日、120日でもダメだったから単純移動平均線から指数平滑移動平均線に変更するといった行動です。

設定やインジケーターを頻繁に変えると根拠がブレやすくなるため、あまりおすすめできません。そもそもトレードは勝率100%でい続けることはできません。利益と損失を繰り返しながら利益を積み重ねるのが基本です。

一度使うと決めたのならせめて1か月くらいは使ってトレードをしてみましょう。それで「自分には合わないな」と感じたら、変更するのが良いと思います。

期間の異なる移動平均線をたくさん表示すると、各時間足における相場の動きが把握でき、チャート分析がしやすくなると思われるかもしれません。

しかし、10本も20本も表示してしまうと、チャートの視認性が低下してしまい、どの移動平均線を基準にすればいいのか分からなくなってしまいます。

これは移動平均線以外のテクニカル指標も同じです。

例えば、移動平均線とボリンジャーバンドと一目均衡表を表示させたとして、移動平均線はゴールデンクロスをして買いサインを出しているけど、ボリンジャーバンドや一目均衡表は買いサインを出していないので取引して良いのか迷ってしまうということもあります。

過ぎたるは及ばざるが如しという言葉がありますが、テクニカル指標はできるだけシンプルにした方が分析もしやすいでしょう。

移動平均線の売買シグナルを基にトレードしても必ず利益を出せるわけではありません。どのインジケーターも同じですが、移動平均線にもサイン通りにならないダマシがあります。

例えば、短期線が中期線と長期線を上抜くゴールデンクロスが出たからといって、そのまま上昇していくわけではなく、すぐに逆行するケースも多々あります。

相場に絶対はありません。売買シグナルに従って取引した結果、損失を出す可能性があることは理解しておきましょう。

移動平均線の設定について解説しました。5、10、14、20、21、25、50、60、75、120、200という数値が一般的によく使われている期間です。

基本的に多くのトレーダーが使用している期間を使った方が機能しやすいという特徴があるので、上記の期間を設定し、分析結果が伴うのか確認してみたほうがいいでしょう。

ただし、どの期間設定でも必ず利益を出せるわけではありません。常に最適な設定はない、相場状況に応じて、また成績が悪化した場合は設定の見直しをする作業が必要になることは理解しておきましょう。

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