グランビルの法則は移動平均線とローソク足の位置関係により、買いなのか売りなのかを判断していきます。移動平均線は過去の価格の平均を表しているため、現在価格が平均よりも離れているのか近づいているのかを目安として移動平均線と価格の収縮と拡散をパターン化したものです。
グランビルの法則には8つの売買タイミングが存在します。売りと買いでそれぞれ確認していきましょう。
グランビルの法則を使った取引を実際のチャートを使って解説します。
出所:FOREX.com/USDJPY/日足/SMA200期間/9月20日取得
上図チャートは2012年から2014年にかけてのUSDJPY日足で200期間のSMAを表示しています。グランビルを使った3つの取引タイミングが確認できます。
①はチャート左側から続いていた下降トレンドが終わり横ばいに近い移動平均線を価格が下から上へ突き抜けた場面で、グランビル1番の買いエントリーポイントです。移動平均線が横ばいのためすぐには上昇できませんでしたが、その後移動平均線を下抜けること無く価格は上昇していきました。
②は上昇した価格が移動平均線から大きく乖離している場面(赤点線)で、グランビル8番の売りエントリーポイントです。その後移動平均線に近づくように大きく下げた後、値動きが収縮しています。逆張りとなるので大きく伸ばさず早めに利益確定をするようにしましょう。
③は移動平均線と乖離していた価格と移動平均線が近づき、価格を下支えするように機能するグランビル3番の買いエントリーポイントです。移動平均線を一度下抜けるのか支えられるのかの判断しなければいけないところですが、チャート図のように価格の値動きが停滞していた場合(緑点線)、価格は支えられることが多い傾向にありますので併せて覚えておきましょう。
出所:FOREX.com/Japan 225/日足/SMA200期間/9月20日取得
上図チャートは2016年から2018年にかけての日経225日足で200期間のSMAを表示しています。グランビルを使った4つのエントリーポイントとひとつの間違えやすいポイントが確認できます。
①は価格と移動平均線が近づき下抜けること無く価格を下支えするグランビル3番の買いエントリーポイントです。チャートのように下落しそうになっている価格が移動平均線付近で停滞している場合は機能しやすいので値動きにも注目して確認しましょう。
②は上昇した価格が移動平均線から大きく乖離している場面(赤点線)で、グランビル8番の売りエントリーポイントです。その後価格は移動平均線まで到達し反発しています。逆張りなので大きく伸ばさず早めに利益確定をするようにしましょう。
③は一度下抜けた価格が再度下から上抜けるグランビル2番のエントリーポイントです。買いのグランビルの中で一番わかりやすく勝率の高いタイミングなので覚えておきたい形です。
次に注意点として2つの場面があります。赤の!マークの位置は価格が移動平均線を下から上抜けしその後上昇していますが、この場面は移動平均線が下向きのままなのでグランビル1番には該当しません。後から見れば買いと思えますがリアルタイムではまだ売りのタイミングで、逆にグランビル7番として売りエントリーを検討する場面とも言えます。
続いて黄色の!マークは価格と移動平均線が近づいているのでグランビル3番に該当する場面です。しかし移動平均線にタッチしておらず本当に反転するのか判断に迷うところです。グランビルに慣れるまでは見送ってもいい場面と言えるでしょう。
グランビルの法則を使ってうまく取引するにはちょっとしたコツがあります。注意点と合わせて解説していきます。
グランビルの法則には番号がついているので、この順番で出現すると勘違いしてしまいがちです。またすべての番号が波の1サイクルの中で全部出現することも稀です。パターン番号と出現順番は関係なく、出るときも出ないときもあることを認識しておきましょう。
グランビルの法則で推奨されている移動平均線の期間は「200日」。そのためなかなか取引チャンスが来ないこともあります。移動平均線の期間を短くすれば取引チャンスは増えますが、その分グランビルの法則が効きづらくなってしまいます。
出所:FOREX.com/Japan 225/1時間足/SMA200期間/9月20日取得
グランビルの法則の基本は買いの2番、売りの6番です。いわゆる「移動平均線の方向に順行している場面」となり、移動平均線を使った取引の基本とも言えます。上図チャートは1時間足ですが10回のエントリーチャンスに対して8回の利益確定、2回の損切りと高い勝率を誇ります。グランビル法則を勉強するためにもまずは2番と6番から始めてみることをお勧めします。