テクニカル分析の王道ともいうべきボリンジャーバンド。名前は知ってはいるけど実際に何を見るものなのか、どう取引に活かせばいいのかわからない方向けに解説していきます。
出所:FOREX.com/USDJPY/日足/BB期間20/9月20日取得
ボリンジャーバンドは相場の状態やトレンドの向き、勢いを判断できます。一定期間の値幅を基に統計学を用いて変動幅を予測するトレンド系インジケーターです。
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ボリンジャーバンドの5本のラインを使ってどのように相場を判断すればいいのでしょうか。ここではボリンジャーバンドの基本分析の3つを解説します。
出所:FOREX.com/USDJPY/日足/BB期間20/9月20日取得
エクスパンションとは上下のボリンジャーバンドの幅が大きく拡大している、または拡大し始めている状態を指します。ボラティリティ(値幅)が大きく一方的なトレンドが出やすい状態になっており、利益を狙いやすい場面と言えるでしょう。
出所:FOREX.com/USDJPY/日足/BB期間20/9月20日取得
スクイーズとは上下のボリンジャーバンドの幅が小さく収縮している、または収縮し始めた状態を指します。レンジ相場などボラティリティがなく上下に行ったり来たりしやすい状態になっており、大きな利益を出しにくい場面です。
出所:FOREX.com/USDJPY/日足/BB期間20/9月20日取得
バンドウォークとは価格が±1σや±2σに沿って一方向に動き続けている状態を指します。価格がボリンジャーバンドの上や下に張り付くように歩いて見えることからバンドウォークと呼ばれます。トレンド方向に強く動き続けるのでバンドウォークが崩れるまで付いていくだけで売買の成功率が高くなります。
実際のチャートを使ってボリンジャーバンドの使い方をエントリーポイントと一緒に解説します。
出所:FOREX.com/USDJPY/日足/BB期間20/9月20日取得
ボラティリティ・ブレイクアウト手法は、収縮していたボリンジャーバンドが価格変動を伴いながらエクスパンションし、±2σの外側で終値を付けた時にブレイクした方向へついていくトレンドフォロー型の取引手法です。
上図は2022年3月から6月にかけてのUSDJPY日足チャートです。年初からレンジが続いていましたが2022年3月第2週にボリンジャーバンドがエクスパンションを起こし、3月11日に+2σの外側でローソク足が実体で確定しブレイクアウトを確認。次の足で買いエントリーとなった場面です。
この取引手法のポイントはボンド幅がこれまでより明らかに広がっているか確認することと、±2σの外側で終値が確定するまで待つことです。利益確定はミドルラインをローソク足が割って確定した時です。
出所:FOREX.com/Japan 225/4時間足/BB期間20/9月20日取得
平均回帰を狙った逆張り手法は、トレンドが出ておらずスクイーズしているボリンジャーバンドの中を価格が行ったり来たりする動きを狙った逆張り型の取引手法です。
上図は2020年10月の日経225の4時間足チャートです。上位の日足ではボリンジャーバンドがスクイーズし値幅が小さくなっています。そこで下位の4時間足に時間軸を落としてボリンジャーバンドの±2σからの逆張りを仕掛けました。トレンドが無くレンジ状態になっている価格は平均値から離れると平均に近いところへ戻ってくる平均回帰の法則があります。これを利用しボリンジャーバンドの±2σの外側まで終値が到達し、内側に戻ってきたところから移動平均線までの小さな値幅を狙っていきます。チャート内では8回の逆張りチャンスがありすべて勝ちで終えています。
この取引手法のポイントは上位足でのスクイーズも確認すること、イグジットは移動平均線までにすること、この取引手法の有効期限はトレンドが出るまでなので最後は必ず損切りで終わることです。
ボリンジャーバンドをチャートに表示する際の推奨の設定数値やその計算式などをみていきましょう。
ボリンジャーバンドの開発者であるジョン・ボリンジャーが推奨する設定値は「期間20に±2σ」の組み合わせで、中期的なトレンドとボラティリティの情報を得るにはこれで十分としています。つまり開発者本人は±1σは使用せず3本表示で使っていることになります。また、取引スタイルが短期か長期かによって使い分けを推奨しており、短期取引なら「期間10と±1.9σ」、長期取引なら「期間50と±2.1σ」としています。しかし、そこまで細かく設定する必要もなく期間20で十分に機能していることも事実です。
ボリンジャーバンドは以下のように計算されています。
● ±1σ = n日の移動平均 ± n日の標準偏差
● ±2σ = n日の移動平均 ± n日の標準偏差 × 2
● ±3σ = n日の移動平均 ± n日の標準偏差 × 3
nは期間を示しており移動平均線の設定値となります。
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