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FXチャートのキホン【初心者必読】見方のコツや相場分析方法、おすすめツール解説

FXにおけるチャートの必要性、チャートの見方、便利な使い方、注意点(だましなど)を解説。チャートの図版はFOREX.comウェブ版のTradingViewを用います。

著者 forex.com
2024年10月25日 午後20:24

目次

FXで利益を出していくには、チャート分析が欠かせません。チャートからは過去の値動きや現在の相場動向、今後の値動きのヒントが得られるため、チャート分析能力の向上は利益や勝率の向上に影響します。

当記事ではFXで勝つために必要なチャートの知識を網羅しますが、チャート分析も万能ではありません。チャート分析どおりにならない「ダマシ」についてもその対策を解説しますので、ぜひこの機会にチャート分析の基本をマスターしていきましょう。

FXで利益を出していくには的確な相場分析が欠かせません。そのために役立つのが、チャートです。最初にチャートについての基本や、なぜFXではチャート分析が重要なのかについて解説していきます。

チャートとは、過去の値動きを視覚化したグラフのことです。過去の値動きを単純に折れ線グラフにしたものはラインチャートと呼ばれますが、一般的にチャートとして広く利用されているのはローソク足チャートです。

こちらは、FOREX.comで利用できる米ドル/円の日足チャートで、す。FOREX.comでは当ページで紹介しているチャートが無料で利用できます。

FXチャートとは

このチャート画面では移動平均線やRSIといったテクニカルインジケーターが表示されていますが、これらについても順次解説します。

赤と青のローソク足が並んでいる様子で、米ドル/円の値動きが視覚化されているのが見て取れます。このチャート画面を一目見ただけでも、「2024年になってから米ドル/円は上昇トレンドが続き、7月にそのトレンドが転換した」という大まかな傾向がすぐに分かるのではないでしょうか。

引き続き解説を読み進めていただくと、このチャート画面からさらにさまざまなことが分かるようになります。

FXでチャート分析が重要であるといわれる背景には、大きく2つの理由があります。

1つは、チャートには一定の統計学的な信憑性があるため、そこから得られる示唆に基づいて相場分析をすると今後の値動きを予測しやすくなるからです。すでにチャート分析はさまざまな手法が確立しており、それぞれの手法には数学的、統計学的な根拠があります。

チャートはそういった根拠に基づいた分析結果が視覚化されているため、複雑な計算式を知らなくても相場分析に役立てることができます。
もう1つは、世界中の投資家が同じチャートを見ているという点です。ケインズの美人投票論理でも提唱されているように、為替レートが上に行くのか下に行くのかは、投資家による「多数決」で決まります。買いが多ければレートは上昇し、売りが多ければ下落します。世界中の投資家がチャートから得られる示唆で行動するため、チャート分析をマスターすると「多数決」の結論を導きやすくなるわけです。

値動きを示すチャートには、主にローソク足チャート、ラインチャート、カギ足チャート、エリアチャートなどがあります。先ほど紹介した米ドル/円のチャートは、これらのなかでも最もポピュラーなローソク足チャートです。
このチャート画面はTradingViewという世界標準ともいえる高性能チャートツールで、ローソク足以外にもラインチャートやカギ足チャートなど多彩なチャートを利用可能です。なお、PCブラウザ用のwebtraderではこのTradingViewが標準装備されています。さらにスマートフォン用のモバイルアプリでもご利用いただけます。

FXチャートの種類

値動きを示すチャート以外にも、過去の値動きから現在と今後の相場展開を分析するのに役立つテクニカルインジケーターがあります。

ローソク足とテクニカルインジケーターを使って相場分析をするのが一般的なスタイルで、書籍やネット記事などもほとんどがこの組み合わせでチャート分析を解説しています。

チャートには、表示する時間軸によって「足」の分類があります。最も短いのは1分足で、短い順に5分足、15分足、1時間足、4時間足、日足、週足、月足などがあります。チャートツールによってはさらに細かく30分足や8時間足などといったように小刻みに足を使い分けられるものもあります。

例えば1分足は1本のローソク足で1分間の値動きを示し、日足は1日の値動きを示すといったように、足を切り替えること値動きの時間軸が変わります。

一般的に1時間未満の足は短期的な値動きを示し、日足以上の足は中長期の値動きを示すとされています。チャート分析をする際には異なる時間軸の足を表示し、総合的な相場の方向性を探ります。

チャートに表示されるのは、過去から現在の値動きです。特に今この瞬間の値動きを知ることは重要なので、リアルタイムの値動きが刻一刻と反映されるチャートツールを使うのが基本です。

FXは原則平日の24時間いつでも取引が可能なので、隙間時間にチャートをチェックしたり、売買するといった投資スタイルの人も多いでしょう。こうした機動的な投資スタイルを実現するには、いつでもどこでもFXリアルタイムチャートを見られることができる環境が重要です。

FXのリアルタイムチャート

FOREX.comではモバイルアプリでリアルタイムチャートを確認可能で、うまく利用すれば売買チャンスを逃さず取引できます。

FXでチャート分析をする際に基本となる知識として、ここではチャートの基本的な見方と線(ライン)の活用法について解説します。※FXのおすすめチャートパターンの種類と見方・使い方

チャート画面の縦軸は対象となる通貨ペアの為替レート、そして横軸は時間の経過を示しています。一般的に左から右に時間が流れるように表示されるため、一番右に表示されているのが現在のレートです。そして左にいくほど過去にさかのぼれます。

これを踏まえて、先ほどの米ドル/円チャートを見てみましょう。

FXチャートの見方 縦軸と横軸

右肩上がりになっている時は時間の流れとともに米ドル/円の上昇を示し、右肩下がりになっている時は下落していることが分かります。

これは日足チャートなので、1本のローソク足は1日の値動きを示します。上下に長いローソク足になっている場合、その日は大きな値動きがあったと示されています。

ローソク足の値動きを見ていると、ある部分で上昇が下落に転換したり、逆に下落から上昇に転換している部分があります。このように相場はどこかで反転するわけですが、そのヒントとなるのがサポートラインとレジスタンスラインです。

過去の高値や安値などを手がかりにチャート上に水平線を引くと、相場の節目として意識されやすいポイントが視覚化されます。下落トレンドが止まりやすいラインをサポートライン(支持線)、逆に上昇トレンドが止まりやすいラインをレジスタンスライン(上値抵抗線)といいます。

こちらのチャートでは、レジスタンスラインを引いてみました。

FXチャートの見方 サポートラインとレジスタンスライン

一度つけた直近の高値がレジスタンスラインとして意識され、再度高値をつけた際にはここで相場が反転しています。これは多くの投資家がこのレジスタンスラインを意識し、買いポジションの利益確定や売りに転じた可能性が高いでしょう。

値動きの方向性に沿って線を引くと、相場のトレンドを視覚化しやすくなります。そのために引く線を、トレンドラインといいます。

それでは実際にトレンドラインを引いてみましょう。

FXチャートの見方 トレンドライン

上昇トレンドのチャートにトレンドラインを引いてみると、トレンドラインにタッチするたびに相場が上昇を繰り返しているのが分かります。

トレンドが発生している時にはこうしてトレンドラインを引くと、押し目買いや戻り売りのタイミングを掴みやすくなります。

なお、これらのチャートはFOREX.comの取引ツール「Web Trader」のウェブ版(PC版)で表示させているものですが、スマホ版(アプリ)でも同様のチャートを利用できます。下の画像からもわかるように、スマホを横向きにさせるとウェブ版に近いチャート体験が可能です。

FXチャートの見方 トレンドライン アプリ版

App Store、またはGoogle Playで「FOREX.com」と検索してください。以下のリンクからもご利用いただけます。

iPhone用アプリ

Android用アプリ

値動きを示すチャートのなかでも最もポピュラーなローソク足について、分析に役立つ基本をマスターしておきましょう。1本のローソク足には多くの情報が詰まっており、そのローソク足が並んでいるチャートからは実に多くのことが分かります。

ローソク足は、実体部分と髭(ひげ)で構成されています。中央の太い部分が実体で、陽線(1本前よりも高値で終わったローソク足)の場合は下が始値で上が終値です。逆に陰線(1本前よりも安値で終わったローソク足)の場合は上が始値で下が終値です。

FXチャートの見方 ローソク足の基本
FXチャートの見方 ローソク足の4本値

そして、実体から上下に伸びているのが、髭です。この1本のローソク足が示している時間のなかで最も高かったレートと、最も安かったレートがそれぞれ描画されます。

このように実体部分からローソクの芯のように髭が出ている形状がローソク足の語源で、英語でもローソクを意味する「Candle Stick」といいます。

先ほど少し触れたように、1つ前のローソク足よりも高いレートで終わったローソク足を陽線、逆に1つ前のローソク足よりも低いレートで終わったローソク足を陰線といいます。

陽線と陰線は色で分けられており、そのローソク足が示している時間に相場が上昇したのか下落したのかが色で分かりやすく描画されています。

FOREX.comで利用できるTradingViewの初期設定では、陽線は赤、陰線は青で示されます。そのため、赤のローソク足(陽線)が続いている時は上昇トレンド、逆に青のローソク足(陰線)が続いている時は下落トレンドの可能性が高くなります。

FXチャートの見方 ローソク足の陽線と陰線

こちらのチャートを見ると、上昇トレンドが続いている局面(赤い色をつけた部分)では陽線の赤が多く、下落トレンドになってから(青い色をつけた部分)は陰線の青が多いことが見て取れます。

この陽線と陰線の色はチャートツールによって初期設定の色が異なります。MT4は初期設定ではローソク足発祥国の日本仕様で、陽線は白抜き、白く塗りつぶしたローソク足が陰線です。(どちらのツールも任意の色に変更できます)

FXチャートの見方 ローソク足の陽線と陰線 ツールでの違い

ローソク足は、その形状からも相場のさまざまな傾向を読み取れます。ローソク足の実体部分が上下に長い場合は短時間に相場が大きく動いたことを示しており、強いトレンドが出ている可能性が示唆されます。また、上下に髭が出ておらず実体部分のみのローソク足はトレンドの継続と解釈されます。

その一方で長い髭が出ている場合はトレンドの転換を示しているかもしれません。なぜなら、実体部分が短ければ始値と終値がそれほど離れていないことになりますが、髭が長ければ一時的に実体部分から値が離れたものの最終的には実体部分に戻ってきたことを示し、トレンドが終わりに近づいているのではないかと読み取れるからです。

特にトレンドが発生している方向に長い髭が出た場合は、そのトレンドが終了に近づいている可能性が高くなります。

十字線とは、「+」ような形をしたローソク足です。実体部分がほとんどなく上下に髭が伸びた形をしているので、チャート上に現れたらすぐに分かります。

実体部分がほとんどないということは始値と終値がほぼ同じで、しかも上下に髭が伸びていると「上にも下にも行けなかった」結果を示しています。それまでトレンドが発生していた場合は十字線の出現によって、トレンドがまもなく終わるのではないかと解釈されやすくなり、実際にトレンドが終わる、もしくはそのまま転換する局面が多く見られます。

それでは、実際のチャートで十字線を見てみましょう。

FXチャートの見方 ローソク足の十字線

赤い丸印を入れた部分に、連続して十字線が出現しています。これは1時間足チャートなので、4時間ほど相場が上にも下にも行けない状態だったことになります。それまで下落トレンドだった相場はこの連続十字線の後で反発し、上昇に転じているのが分かります。

FXの相場分析に役立つテクニカルチャート(インジケーター)のうち、ここではトレンド系と呼ばれるカテゴリーのインジケーターを紹介します。トレンド系のインジケーターは相場の方向性や強さを知るのに用いられます。

移動平均線は、最も広く用いられているインジケーターです。「Moving Avarage(移動平均)」の略なので、MAとも表記されます。移動平均線にはいくつかの種類があるのですが、ここでは最もシンプルな単純移動平均線(SMA)について解説します。

移動平均線は過去の値動きの平均値をグラフ化しているため、移動平均線に寄り添うような値動きになっている場合はトレンドに逆らわず穏やかな動きを示しますが、逆に移動平均線から大きく離れるような値動きは相場急変を示唆している可能性があります。

為替相場には回帰性といって同じレートに収斂する傾向があるとされており、仮に移動平均線から大きく離れると移動平均線に戻るような動きが起きやすく、それをトレードに役立てられます。

こちらのチャートは1時間足で、オレンジ色の線は200時間移動平均(200MA)です。長期移動平均線の下で推移している時は下落トレンドが示唆されますが、何度も200MAに近づこうとして、200MAにタッチしたら再び下落している様子が観察できます。

FXテクニカルチャート SMA例1

長期移動平均線に戻ろうとする動きがあるものの下落トレンドでもあるため、このような値動きになったものと思われます。

また、移動平均線には短期、中期、長期の使い分けがあります。例えば日足の場合、短期は5日間、中期は20日間、長期は200日間といった具合です。移動平均線の向きは相場の方向性を示すため、短期から長期まですべての移動平均線が同じ向きになっている場合は、トレンドがしっかりと表れていると解釈できます。

こちらのチャートを見ると、短期から長期まで3本の移動平均線がすべて下を向いており、実際の値動きも下方向です。こうした局面では赤い丸印を入れた部分で一時的な反発が見られますが、全体のトレンドが下方向なので戻り売りの優位性が高いといえます。

FXテクニカルチャート SMA例2

このように移動平均線はとても有用性が高く、テクニカル分析の基本です。さらに移動平均線同士の関わりによって売買シグナルを察知する方法もあるので、それについては後述します。

ボリンジャーバンドは、名称のとおり「バンド(幅)」が重要な意味をもちます。統計学の標準偏差を応用したインジケーターで、それぞれのバンド幅のなかに一定の確率で値動きが収まるとされています。

ボリンジャーバンドには、3つのバンドがあります。それぞれのバンドはσ(シグマ)で示され、それぞれのσに値動きが収まる確率は以下のとおりです。

σ(シグマ)そのバンドに収まる確率
±1σ68.2%
±2σ95.4%
±3σ99.7%

数字が大きくなるほどバンド幅は広くなっていくため、レートがバンドに収まる確率は高くなります。±3σに至っては99%の確率なので、ほとんどの値動きが±3σに収まるというのがボリンジャーバンドの考え方です。


それでは、実際のチャートを見てみましょう。

FXテクニカルチャート ボリンジャーバンド例

中心にあるオレンジ色の移動平均線から、上下にそれぞれ3つの線が描かれています。上から順に+3σ(標準偏差の3倍)、+2σ(標準偏差の2倍)、+1σ(標準偏差)、そして下が-1σ(標準偏差)、-2σ(標準偏差の2倍)、-3σ(標準偏差の3倍)です。標準偏差の倍数が大きくなるほど「その範囲に収まる確率」は高くなるため、±1σだと時折バンドの外に出ている局面もありますが、±3σからは一度も出ていません。


このようにボリンジャーバンドが有効に機能している場合、「バンド幅に収まる」ことを前提にしたトレードが可能になります。

エリオット波動理論は、ラルフ・ネルソン・エリオットという経済学者が考案した分析手法です。相場には一定のサイクルがあって、そのサイクルに入ると次の値動きを予測しやすくなる、というものです。

エリオット波動は推進5波と修正3波で構成されており、以下がその基本形です。

FXテクニカルチャート エリオット波動理論例1

この図は上昇トレンドの場合なので、下落トレンドの場合は上下が逆になります。

上昇トレンドの場合、①の③それぞれの上昇の後で②と④の押し目が入り、⑤で大きく上昇します。ここを天井として、修正波の①で下落が起きると一度②の反発があり、再度③で大きく下げるという流れで一連のエリオット波動は終了です。

それでは、実際のチャートで観察してみましょう。

FXテクニカルチャート エリオット波動理論例2

推進の第5波が大きく上昇しているのが見て取れます。2回目の押し目をつけた時点でエリオット波動理論による分析をしていた場合、この推進5波や修正波で利益を取れた可能性が高いでしょう。

オシレーター系のインジケーターは、相場の過熱感を知るのに役立ちます。買われ過ぎや売られ過ぎといった相場の過熱感を知ることができれば、逆張りエントリーの根拠になります。

オシレーター系インジケーターのなかから、FXのチャート分析でよく用いられる2つを紹介します。

RSIは「Relative Strength Index」の略で、日本語では相対力指数といいます。0から100の間を1本の線で示すシンプルな指標で、RSIが100に近づくほど買われ過ぎ、0に近づくほど売られ過ぎを示します。

一般的に70以上が買われ過ぎで80を超えるとかなり買われ過ぎ、30以下は売られ過ぎで20を下回るとかなり売られ過ぎと判断する投資家が多いようです。

RSIが買われ過ぎや売られ過ぎを示すと相場は反転しやすい地合いになるため、逆張りエントリーのヒントになります。

FXテクニカルチャート RSI

こちらのチャートでは、RSIが30~70のところに赤い色をつけています。70を超えて買われ過ぎを示すと相場は反落し、逆に30を下回って売られ過ぎを示した後には反発が起きているのが分かります。

先ほどのRSIは1本の線で示されるシンプルなインジケーターですが、このストキャスティクスはSlow%DとSlow%Kという2本の線が描かれます。この2本の線が上にあると買われ過ぎ、下にあると売られ過ぎという点はRSIと似た分析が可能です。

注目したいのは、このSlow%DとSlow%Kという2本の線の交わりです。Slow%Dが20%以下でSlow%KがSlow%Dを下から上に抜けると買いシグナル、逆にSlow%Dが80%以上でSlow%KがSlow%Dを上から下に抜けると売りシグナルです。

これだけだと分かりづらいので、実際のチャートを見てみましょう。

FXテクニカルチャート ストキャスティクス

青い線がSlow%K、赤い線がSlow%Dです。20〜80に赤い色をつけているので、この色がついた部分をはみ出しているところが買われ過ぎ、売られ過ぎを示しています。

買われ過ぎゾーンでSlow%KがSlow%Dを上から下抜くと売りシグナル、売られ過ぎゾーンでSlow%KがSlow%Dを下から上抜けると買いシグナルといわれているので、それぞれに丸印を入れました。実際の値動きがそれぞれのシグナルどおりになっていることが分かります。

ここまでの解説を踏まえて、初心者も無料で今すぐ実践できるチャート分析手法を8つ紹介したいと思います。

FXチャート分析の基本である移動平均線は、線の傾きがトレンドを示唆します。どちらかというと長期移動平均線のほうがトレンドの判断に適しており、線の傾きが強い(直角に近くなる)ほど、強いトレンドが出ていると判断できます。

先ほども解説したように、長期移動平均線と短期、中期の移動平均線が同じ向きに傾いて並行になっているチャートパターンの場合はトレンドの確度が高くなり、順張りエントリーの根拠になります。

異なる時間軸の移動平均線が交わるところは、相場の転換点の可能性があります。短期移動平均線が長期移動平均線を下から上に抜けるとゴールデンクロスと呼ばれ、下落トレンドが上昇に転じるサインとされています。

逆に短期移動平均線が長期移動平均線を上から下に抜けるとデッドクロスとなり、上昇トレンドが下落に転じるサインといわれます。

それでは、実際のFXチャートで見てみましょう。

FXチャートパターン分析 ゴールデンクロスとデッドクロス

ゴールデンクロスとデッドクロスが発生したところに丸印を入れました。いずれも相場のトレンドが転換しています。

この丸印は大きなトレンド転換があったところのみに入れていますが、それ以外にもゴールデンクロスやデッドクロスは頻繁に発生しており、小規模なトレンド転換が起きていると分かります。

オシレーター系チャートの定番ともいえるRSIでは売られ過ぎや買われ過ぎといった相場の過熱感を探れます。

先ほど紹介したRSIのチャートでも、買われ過ぎや売られ過ぎを契機に相場が反転している場面があると分かりました。

FXチャートパターン分析 RSIの売られ過ぎと買われ過ぎ

単純にRSIが80を超えたら売りを検討、20を下回ったら買いを検討する材料にしてみるだけでも、エントリーのヒントを得やすくなるでしょう。

ダブルトップとダブルボトムは、いずれもFX相場のトレンドが転換するチャートパターンの一種とされています。ダブルトップは上昇トレンドの終了から転換、そしてダブルボトムは下落トレンドの終了から転換を示唆します。

以下のような形が示現したら、ダブルトップもしくはダブルボトムです。

FXチャートパターン分析 ダブルトップとダブルボトム例1

両者に共通しているのは、「高値(安値)を2度トライしたものの超えられず反転した」ということです。つまりダブルトップやダブルボトムのチャートパターンが発生したら、そこからFX相場が転換する可能性が高いといえるでしょう。

それでは、チャートで見てみましょう。

FXチャートパターン分析 ダブルトップとダブルボトム例2

赤い「W」はダブルボトム、青い「M」はダブルトップが示現しています。それぞれ相場のトレンドが転換しているので、こうしたFXチャートパターンが観察できた時はトレンドの転換を見越したトレード戦略の優位性が高まります。

尊天井や逆三尊天井は、上記のダブルトップやダブルボトムと並ぶ有名なチャートパターンです。人の頭と肩の形にも見えるため、「ヘッド・アンド・ショルダーズ」とも呼ばれます。

以下が、基本形です。

FXチャートパターン分析 三尊天井と逆三尊天井例1

上昇トレンドの時に三尊天井が示現したらトレンド終了と転換、逆に下落トレンドの時に逆三尊天井が示現したらトレンド終了と転換が示唆されます。

それでは、実際のチャートで見てみましょう。ここでは上昇トレンドでダブルトップが示現した例を紹介します。

FXチャートパターン分析 三尊天井と逆三尊天井例2

それまで強い上昇トレンドが続いてきましたが、トレンドが終わるところで三尊天井が出現しているのが見て取れます。

相場にはサポートラインやレジスタンスラインなど、さまざまな節目があります。こうした節目は多くの投資家が意識するため、そこで相場の反転を見越してポジションを保有していることも少なくありません。そのため、こうした節目を超える(ブレイク)するような値動きがあると、損切りのためのストップ注文が大量にヒットする可能性があります。

ストップ注文を巻き込むと値動きが一気に加速します。なぜなら、損切り注文は順張りなので、相場にさらなる勢いをもたらすからです。

例えば上昇トレンドが続いている時にレジスタンスラインに到達、その節目をさらに超えた場合の損切り注文は買いなので、投機筋や大口投資家は損切り注文をヒットさせるような仕掛けをしてくる場合があります。この動きを狙うのがレンジブレイクです。

直近の高値や安値で水平線を引き、何度もそのチャート上の線が意識されていることが分かれば、ブレイクアウトの狙い目となります。

先ほど解説したレンジブレイクは高値や安値といった節目のブレイクを狙う戦略で、このトレンドラインブレイクは名称のとおりトレンドが発生している時に引いたトレンドラインをブレイクした時の損切りを狙う戦略です。

実際のチャートで解説しましょう。

FXチャートパターン分析 トレンドラインブレイク

このチャートでは、2度のトレンドラインブレイクが観察できます。いずれも上昇トレンドからのブレイクで、それぞれブレイク後に大きく下げています。それまでトレンドに沿って買いポジションを建てた多くの投資家が、トレンドラインブレイクで損切りを余儀なくされ、その結果大きく下げたと予想できます。

値動きとRSIなどオシレーター系インジケーターの動きに矛盾が生じる際、これをダイバージェンスといいます。

相場は上を向いているのにオシレーターが下を向いているというのは、「上昇のエネルギーが弱まってきている」ことを意味します。そのため、ダイバージェンスが発生するとトレンドが転換するシグナルとされています。

こちらも実際のチャートで見てみましょう。

FXチャートパターン分析 ダイバージェンス

値動きでは上昇が続いているのに、RSIは下落基調です。その後値動きも下落に転じて大きく下げているので、ダイバージェンスが機能した一例といえます。

これらのチャート分析はFOREX.comの無料デモアカウントで練習できるので、テクニカルポイントの判断の向上にお役立てください。

FXのチャート分析は万能ではありません。しばしば「ダマシ」といって、分析のセオリーと異なる値動きになる場合があります。チャート分析に「ダマシ」は付き物なので、ここでは「ダマシ」が発生する理由を解説し、注意喚起をしたいと思います。

「ダマシ」は、あらゆるチャート分析手法に存在します。最もシンプルな移動平均線によるトレンド分析で、短期と長期の移動平均線が同じ向きのため、トレンドを意識したトレードをしたとしても、相場が移動平均線を超えて逆行することは珍しくありません。この場合、移動平均線の向きを根拠に順張りトレードをしたら損失につながってしまいます。

FXチャート分析の有効性は高いですが、必ずしも100%ではなく、次項で解説するように意図的な「ダマシ」が発生する可能性を、しっかり留意しておきましょう。

チャート分析やテクニカル分析は、いずれも統計学的に「可能性が高い」分析手法であり、未来を完全に言い当てるものではありません。そのため、FXチャート分析結果と異なる値動きになるケースがあります。

これ以外にも、人為的な「ダマシ」もあります。先ほども解説したように、チャートからの示唆で行動する投資家を狙って、投機筋や大口投資家が敢えてその逆のポジションを取って仕掛けてくる時があります。また、こうした動きに便乗する投資家も多くいるため、これが大きな動きになると「ダマシ」へと発展します。

相場にはさまざまな力や思惑が働いているということです。

「ダマシ」に備える最もシンプルかつ確実な方法は、損切りの徹底です。「ダマシ」はそれほど頻繁に発生するものではないため、的確なチャート分析ができていれば損失リスクを軽減できる可能性があります。

そこで、1回の「ダマシ」で多くの資金を失ってしまわないよう、FXトレードのたびにしっかり損切り注文を入れておく準備が有効です。

1つの分析手法ではなく、FXチャートパターンやインジケーターによるテクニカル分析など複数の分析手法を組み合わせると、分析の精度は向上します。複数の分析手法で同じ結論が得られたのであれば優位性が高いですし、「ダマシ」に遭う確率は低くなります(仕掛けをしても投機筋が負ける可能性が高くなるため)。

複数の分析手法を組み合わせて「ダマシ」に備える方法について、こちらの記事にも詳しい解説があります。ぜひ参照してください。
ダマシを防ぐトレードアイデア!テクニカル指標を組み合わせろ!

為替レートはチャート上の示唆だけで動いているわけではありません。世界の政治や経済、金融政策などといったファンダメンタルズ要素も値動きに強い影響を及ぼします。

特にFXの世界では注目されやすい経済指標や金利差、要人発言などもしっかりチェックしてトレードの精度を高めることが「ダマシ」の回避につながります。

FXで利益を上げるには、チャートがとても重要な役割を担っていると解説してきました。当記事で紹介した分析手法だけでも一定の精度が得られるので、ぜひFXの始め方をリサーチされている方は、トレードで実践してみてください。

FXの始め方とやり方

チャート分析の「武器」となるのがチャートツールですが、FOREX.comでは世界標準の高性能チャートツールとされているTradingViewとMT4の両方が利用可能です。こうした取引環境をしっかり活用して、FXのスキルアップを目指しましょう。

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