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【FXの基礎知識】マージンコールは損失拡大を防ぐ仕組み!ロスカットとの違いとは

ロスカットとは口座に預け入れた証拠金以上の損失が発生することを防止するために、損失が膨らんだポジションを強制的に決済する仕組みで、マージンコールは口座資金の欠損率が高くなっている状態を通知するアラート(お知らせ)をいいます。このマージンコールとロスカットについて詳しく解説しています。

著者 forex.com
2024年8月3日 午後13:37

目次

ロスカットとは口座に預け入れた証拠金以上の損失が発生する可能性が出てきたことにより、保有ポジションを強制的に決済する仕組みを指します。ロスカットは投資家の損失拡大を防ぐ目的があり、基本的には預け入れた資金以上の損失が出ないようにするためのものです。ロスカットは個人投資家の間では「強制決済」「強制ロスカット」などと呼ばれており、どれもこのロスカットのことを指します。

当社のロスカットの仕組み

当社のロスカットの仕組みを例にとりご説明します。保有するポジションの含み損が拡大し口座の証拠金維持率が100%を下回ると、システムによって保有ポジションを強制的に決済する仕組みです。複数のポジションを持っている場合は、評価損が大きいものから順次決済され証拠金維持率が100%を回復するまで続きます。強制決済をしても100%まで回復しない場合は全てのポジションが強制決済されます。

ロスカットと証拠金維持率の関係

ロスカットの仕組みに大いに関わる証拠金維持率について詳しく深掘りしていきましょう。

証拠金維持率とは

当社を例に証拠金維持率をご説明します。証拠金維持率(%) は有効証拠金額÷必要証拠金額×100で計算されます。この証拠金維持率が100%を下回るとロスカット(強制決済)が執行されることになります。 証拠金維持率はポジション保有のための必要証拠金額と有効証拠金額で計算されます。証拠金維持率が高ければ口座資金の欠損割合が大きい状態でポジションを保有していることになりロスカットが執行される可能性が高くなります。一方証拠金維持率が低ければロスカットのリスクは小さく、口座資金の欠損割合が小さく保たれているということになります。つまり証拠金維持率は取引の安全性を示す指標としての役割もあるのです。

証拠金維持率の計算式

証拠金維持率を計算してみましょう。証拠金維持率は以下の計算式で算出されます。
証拠金維持率(%)=(有効証拠金額 ÷必要証拠金額)× 100

そして必要証拠金の計算式は以下のとおりです。

必要証拠金=(為替レート × 取引数量) ÷4%(レバレッジ 25倍 )

例えばUSDJPY1万通貨を150円で買った場合の必要証拠金は60,000円です


具体的な例でみてみましょう。

例えば口座に10万円を入金してドル円1万通貨を150円で買い、そのポジションに3万円の差損(含み損)が発生した場合の証拠金維持率を計算してみましょう。
3万円の含み損が発生しているので有効証拠金は10万円から7万円に目減りしています。必要証拠金は6万円です。このときの維持証拠金率は70,000円÷60,000円×100=116.66%となり、ロスカットレベルの100%に近い状態であるといえます。

逆に3万円の差益(含み益)が発生した場合は、
有効証拠金は13万円に増えていますので、維持証拠金率は130,000円÷60,000円×100=216.66%となり、ロスカットレベルには比較的遠く、この時点では余裕がある状態であるといえます。  

ロスカットが執行されるタイミングの違い

日本国内のFX会社のロスカットには2つのタイプがあります。マージンコールでロスカットが近いことをメールなどでお知らせするとともにリアルタイムでロスカットを執行するFX会社。そしてマージンコールをポジション維持のための追加入金のお知らせとし、予め指定した日時に追加入金がなかった場合にロスカットを執行するFX会社。当社ではリアルタイムによるロスカットを採用しており、お客様資産状況をほぼリアルタイムで監視管理できる仕組みをご提供しています。

どのような流れなのか、次項で解説していきます。


一般的にマージンコールとは「証拠金維持率がまもなくロスカット水準に達します」というアラート(お知らせ)をする通知のことをいいます。当社のマージンコールは維持証拠金率が125%を下回ったことをメールでお知らせしています。

他FX会社ではロスカット水準が近いことをマージンコールでお知らせし、指定の日時までに証拠金を追加入金することでポジションを維持できるルールもあるようです。この追加証拠金ルールは個人投資家の間では「追証(おいしょう)」や「ロスカットアラート」などとも呼ばれているようです。ただし、マージンコールが発生した時点で予想に反して損失が拡大している状態であるということになります。追加証拠金を預け入れ、そのポジションを保有し続けることでさらに含み損が大きくなる可能性もあります。この点に十分注意をしましょう。


マージンコールによる追加入金あるいは建玉決済の依頼、いわゆる追証(追加証拠金)がある他FX会社の場合を見ていきましょう。

マージンコールが発令

追証の仕組みを、当社の維持証拠金率に当てはめながらみていきます。FX会社がFX取引で追証サービスを提供する場合、追証レベルは証拠金維持率100%(必要証拠金額)に設定する必要があります。この場合、ロスカット水準はたとえば証拠金維持率50%(FX会社ごとで異なります。)というように、マージンコールとは別の水準で設定されます。FX会社では、1日のうち決められた時点で、証拠金維持率が100%を下回っている口座に対し、追証通知(マージンコール)を行うことになります。マージンコールでは、FX会社が指定する日時(通常翌営業日)までに、マージンコール判定時点で計算された必要証拠金額までの不足額の入金あるいは建玉決済(決済することで拘束中の証拠金を解放します)の依頼が記載されています。

追加証拠金(追証)の入金期限

マージンコールを受けた投資家の方が、FX会社が指定した期限までに入金あるいは建玉決済を行えば、建玉は強制決済されることなく維持されます。しかし、期限までに入金、建玉決済のいずれも行われなかった場合、FX会社はマージンコールに記載された不足額を満たす数量の建玉を強制決済します。
なお、たとえ追証サービスがある場合でも、口座資産状況がロスカット水準(たとえば維持証拠金率50%)を割り込むと、マージンコールの発生有無にかかわらず、口座の資産保全を目的に即座に強制ロスカットは執行されます。


強制ロスカットはトレーダーとしてできれば避けたいものです。ここでは強制ロスカットを防ぐための方法と対策を解説していきます。

証拠金を追加し証拠金維持率を回復させる

証拠金維持率が著しく低下したり、マージンコールを受け取ったら証拠金を追加入金することで証拠金維持率を回復させることができます。ただしポジションを持った時点の根拠が崩れているにもかかわらず、延命のための資金入金は更なる損失の拡大を招くだけですのでやめておきましょう。

保有ポジションを整理し証拠金維持率を回復させる

複数のポジションを保有している状態で証拠金維持率の著しい低下、またはマージンコールを受け取った場合は、ロットの大きいポジションや損失の大きいポジションを損切決済することでも証拠金維持率を回復させることができます。決済を行うことでポジション保有に必要だった維持証拠金の拘束が無くなり、その金額を余力資金として使えることによる証拠金維持率の回復が見込めます。

適正ロットを把握し無理な取引をしない

証拠金維持率の著しい低下、またはマージンコールを受け取るということは、ポジション保有時のロットが大きくレバレッジをかけ過ぎている可能性があります。ロットを大きくすれば大きく稼ぐこともできますが、資金を一瞬で失う可能性も十分にあります。 投資はギャンブルではありません。FXの損益計算に注意しながら、適正なロットで無理のない取引を行うことが成功の秘訣です。

損切り注文を必ず入れる

ロットを適正に保っているはずなのに証拠金維持率の著しい低下、またはマージンコールを受けとるということは、損切り注文を入れておらず価格の逆行が大きく進行していることが原因です。外国為替は大きな目線で見れば常にレンジを形成しているので「いつかは戻ってくる」と塩漬け(ポジションが含み益になるまで放置する行動)にしてしまう方がいますが、これが有効なのは潤沢な資金があるときのみとなります。つまり塩漬けにしても証拠金維持率を圧迫しない資金量があることが前提となります。保有することにデメリットしかない悪いポジションは損切注文を入れて早々に切ってしまうように心がけましょう。
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