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【FXの基礎知識】貰うだけじゃなく支払う必要も?スワップポイントの仕組みとは!

スワップポイントは金利の違う2つの通貨を売買する際の2通貨間の金利差に起因して発生するもので、保有するポジションの方向によってスワップポイントの受取り、支払いが発生します。この記事ではスワップポイントがどのような仕組みで計算されているのか、いつ付与されるのかなどを詳しく解説していきます。

著者 forex.com
2024年8月3日 午後13:12

目次

世界各国の金利を比較してみると、国によって金利水準に大きな開きがあり、なかでも日本の超低金利が突出しています。このため、2つの通貨を交換(スワップ)する場合には金利差が生じ、その分を調整することが必要になります。この金利調整分がスワップポイントになります。

FXでの売買取引以外の損益

FXで利益を上げる方法は2つあります。ひとつは売買取引を行って利鞘をとる為替差益です。もうひとつは高い金利の通貨を買いで保有金利調整分受け取るスワップポイントです。為替差益はポジション決済時の1度のみの利益ですが、プラスのスワップポイントはポジションを解消するまで継続的に利益を得ることができます。

一方、売買取引で損をする為替差損があるように、高い金利の通貨側を売りで保有しているとスワップポイントがマイナスになり、ポジションを解消するまで継続的に支払いが続くことになります。

2カ国間の金利差

金利は政治的状況や経済情勢などが加味され国によって異なります。例えば日本ではマイナス金利政策を長年行っており低金利国の代表国とも言えます。この金利差を利用して金利が高い通貨を買い、金利が低い通貨を売りで保有できる通貨ペアを選択することでその差額を受け取ることができます。
例えばUSD(アメリカドル)の金利が4%JPY(日本円)の金利が1%とした場合※、USDJPYを買いで保有すると「4 – 1% = 3%」となり取引額に対して3%の金利を受け取れることになります。

※実際の金利とスワップポイントは関係ありません。わかりやすいご説明のための一例となります。
※実際のスワップポイントは短期金融市場の動向にもとづく金利差、為替レートにより刻々と変動します。

受け取りだけではなく支払いもある

金利が高い通貨を買いで保有しているときはスワップポイントを貰うことができます。一方売りで保有した場合は金利差がマイナスになりスワップポイントを支払う必要があります。為替差益を狙った取引でも長期的に保有する場合はスワップポイントが損益に影響を与えますので、スワップポイントがプラスなのかマイナスなのかを調べておくといいでしょう。


スワップポイントがどのように計算されていつ付与されるのか詳しくみていきましょう。

スワップポイントの計算方法

スワップポイントは次の計算式で求められます。
(ただし下記の計算式は一例であり、各社によって算出方法は異なりますことはご了承ください。

(金利差 ÷ 360) × 取引数量 × 円評価レート = スワップポイント

1年を360日と仮定して計算
※円評価レートはロールオーバー時の対象通貨と円のペア価格を参照
※小数点以下は全て切り捨て

例として

USDJPYロング
・取引数量 = 1万通貨
・金利差 = 3%
・円評価レート = 140円 の場合を計算します。

(3% ÷ 360) × 10,000通貨 × 140 = 116

上記条件では毎日116円のスワップポイントが付与されることになります。

スワップポイントの付与タイミング

スワップポイントはポジションを翌日以降に繰り越したタイミングで付与が行われます。このポジションの繰り越しをロールオーバーと呼び、ロールオーバーとは外国為替市場で外国為替取引の決済日を先延ばしすることをいいます。ポジションを保有し続ける、決済日を先延ばしするたびに金利調整分であるスワップポイントの受け払いが発生します。通常ニューヨーク市場クローズ時間の前後に決済日の先延ばしが行われるので、そのタイミングでスワップポイントの付与が行われることになります。

スワップポイントの付与判断はロールオーバーが行われるタイミングでポジションを保有しているかで判断されるため、ニューヨーク市場がクローズする直前までにポジションを保有し前述のロールオーバーを迎えれば、保有時間に関係なくスワップポイントの付与または支払いとなります。一方ニューヨーク市場がクローズする前までにポジションを解消すればスワップポイントの影響を受けることはありません。

水曜日に持ち越すとスワップポイントが3日分付く理由

スワップポイントはポジションを保有した日数分つくのではなく、決済日を先延ばしした日数分付与されることになります。FXは外国為替取引のスポット取引になるので基本的に取引した2営業日後に通貨の受け渡しが行われます。この通貨の受け渡しをおこなう日を決済日といい、この決済日を先延ばしした日数分、スワップポイントが付与されることになります。スワップポイントはポジションを保有した日数分つくわけではないことも覚えておきましょう。

例えば土日は金融機関がお休みのため、外国為替市場では外国為替取引が行われません。通常、水曜日のニューヨーククローズ時点で保有しているポジションに対し、土日分を含む3日分のスワップポイントが付与されます。ちなみに金曜日から月曜日にポジションを持ち越ししても決済日は月曜日から火曜日の1日だけ先延ばしされるだけなので、スワップポイントは土曜日のニューヨーククローズ時点で1日分のみ付与されます。


スワップポイントはうまく利用すればしっかりとした利益を得ることができる仕組みです。ここではスワップポイントを狙った取引と注意点を解説していきます。

高金利通貨と低金利通貨の組み合わせ

出所:FOREX.com/212日取得

世界には日本とは比べ物にならないほどの高金利が付く国もあります。特に新興国と言われる国の通貨は資金集めの目的もあり高金利を謳っている国も少なくありません。こういった新興国の通貨と低金利の代表格である日本円を組み合わせた通貨ペアを買いで保有すれば大きなスワップポイントを獲得することもできます。

高金利の新興国通貨と日本円との組み合わせをいくつかご紹介します。

・メキシコペソ/
・トルコリラ/
・南アフリカランド/
・オーストラリアドル/
・ニュージーランドドル/

特にメキシコペソ/トルコリラ/南アフリカランドは価格(為替レート)が低いため少ない資金で多くの通貨を保有することができ、投資金額に対する収益が高くなりやすい傾向にあります。

スワップポイント狙いの注意点

スワップポイントを狙う際の注意点として「高金利通貨として魅力的に映る新興国通貨は突然の暴落に見舞われる可能性がある」ことです。新興国は先進国と違ってまだ経済が安定していないことから、海外から自国に資金流入を誘導するため高金利政策をとっています。逆にいうと新興国通貨は基本的に売り圧力がかかっている状態にあります。世界的な金融市場の混乱、その国の政治経済が混乱したときは、その新興国の通貨価値は一気に下がり、急激に売られることで暴落することを念頭に取引を行いましょう。

2018年のトルコショックによるトルコリラの暴落はまだ記憶に新しく、スワップポイント狙いをしていた多くの投資家が損失を被りました。長い時間をかけて獲得したスワップポイント以上の損失が通貨価値の暴落によって出てしまったのです。
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