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【FXの基礎知識】スプレッドの意味と取引への影響

FXでは買い取引と売り取引の参照価格に差があり、この価格差をスプレッドと呼びます。スプレッドは通貨ペア、時間帯、FX会社によってその開きは様々です。この記事ではスプレッドの概念について詳しく解説していきます。

著者 forex.com
2024年8月2日 午後13:06

目次

FX取引では買値と売値の価格は基本的には同じではありません。この買値と売値の価格差はFX会社の両替手数料のようなものでスプレッドと呼ばれます。ここではスプレッドの基本的な仕組みについて解説していきます。

 

スプレッドは買値と売値の差

出所:FOREX.com/USDJPY/15分足/211日取得

FX取引では買い取引時の価格と売り取引時の価格に差=スプレッドが存在し、基本的には買い価格の方が高く、売り価格の方が安くなっているのが特徴です。例えばUSDJPY100円で購入し、価格が全く変わらないうちにすぐに売却したとしても売り価格の方が安いのでスプレッド分の損失が発生します。この損失分が取引ごとにかかるコストとなるため、買い価格(Ask)と売り価格(Bid)の価格差=スプレッドが狭ければそれだけ取引にかかる実質的なコストが減ることになります。

 

FXではスプレッドの広さをpips(ピップス)で表します。pipsとは単位が異なる様々な通貨の変動幅を統一して表示できる共通単位のことです。例えばUSDJPYの買い価格が100.015円、売り価格が100.000円だった場合その差は「0.015(1.5)」となりますが、一方でEURUSDの買い価格が1.10015ドル、売り価格が1.10000ドルだった場合その差は「0.00015ドル」となります。比べてみると単位が違うので比較しづらいですが、どちらもpipsで表すと1.5pipsとなります。

スプレッドは取引する通貨ペアによって異なる

出所:FOREX.com/212日取得

スプレッドは取引する通貨ペアによって大きく変わります。一般的に取引量が多い通貨ペアほどスプレッドは狭く、取引量が少ない通貨ペアほどスプレッドは広くなっていきます。例えば取引量が世界一の通貨ペアであるEURUSD(ユーロ/アメリカドル)はどのFX会社でも比較的スプレッドは狭く設定されていますが、GBPNZD(イギリスポンド/ニュージーランドドル)などのあまり馴染みのないマイナーな通貨ペアはスプレッドが広くなります。

スプレッドは一定ではなく変動する

本来、為替市場ではスプレッドは一定ではなく、常に変動しています。通貨ペアの取引量以外にも、時間帯や経済指標発表時、イベント発生時など様々な要因で大きく変動します。
また一部のFX会社では時間を指定して固定スプレッド制を採用していることもありますが、対象時間外のスプレッドが他よりも広くなっていることもありますのでご自身が取引を行う時間が一部の時間だけなのか、24時間なのかを加味しながら選択するといいでしょう。



スプレッドコストはどのように計算され、いつ支払い、どのような影響があるのか詳しくみていきましょう。

スプレッドの計算方法と取引コスト

スプレッドによる取引コストの計算方法は「スプレッド(pips)×取引数量」で計算できます。USDJPYをスプレッド1.5pips1万通貨取引する場合で計算してみましょう。

1.5pips(1.5) × 10,000通貨 = 150(15,000)

上記条件での取引コストは150円ということになります。例えばUSDJPY1万通貨を100.000円で購入して100.100円で売却した場合、スプレッドが1.5pipsと仮定すると以下のようになります。

1,000(売買差益) – 150(スプレッドによる取引コスト) = 850
上記計算では総利益に対して取引コストが150円かかり利益は850円ということになりますが、実際の取引は買い価格と売り価格で行われるためスプレッドが考慮された状態で損益が計算、表示されます。そのため取引コストが見えにくくなっているのです。

スプレッドが取引に与える影響

では上記のスプレッドがもし5pipsの場合に取引するとどうでしょうか。同じ値幅を取れたとしても取引コストが500円かかりますので利益は500円となります。逆に0.2pipsしかないときはどうでしょう。取引コストが20円になるので利益は980円にもなり、同じ値幅を取れたとしても約2倍もの開きが出てしまいます。このようにスプレッドが取引に与える影響は大きなウェイトを占めていることを理解しておきましょう。

スプレッドが変動する要因

通貨ペアの取引量以外にスプレッドが拡大する要因は主に次の3つです。

市場の流動性

スプレッドは時間帯によって市場参加者が増減し取引量が変化することでも変動します。例えばNY市場が閉まり東京市場が開くまでの朝6時から9(日本時間/夏時間の場合)の間は開いている市場が少なく相場参加者も少ないため、全通貨ペアのスプレッドが比較的広くなりがちです。また、年末年始やクリスマス休暇など為替相場に関係する企業が休業の時は流通量が著しく減少するためスプレッドは広くなりやすい傾向があります。市場の流動性が落ちるとスプレッドが拡大すると覚えておきましょう。

重要指標発表時

経済指標や中央銀行の政策金利発表、要人の発言など経済に直接影響のある何かしらの発表があった際もスプレッドが拡大します。特にアメリカ雇用統計やFOMCなど重要指標の発表時には普段よりもスプレッドの拡大が大きくなりやすいので、発表日時は調べておくようにしましょう。  

サプライズ的な事象

大統領選などのイベント、コロナパンデミックなどの世界的災害、リーマンショックなどの突発的な経済不信などが起こった場合にも価格の急変動によるスプレッドの拡大が発生します。




実取引を行う場合にスプレッドの狭さは取引コストを抑えるために必要な要素のひとつですが、同じぐらい重要なのが「約定力」です。約定力とは発注した価格と実際に約定された価格のズレの大きさを指し、スリッページと呼ばれます。

 

約定力が弱いと発注価格と約定価格のズレが大きくなります。例えばUSDJPY100.000円で1万通貨成行買いを発注したが、実際には100.020円で約定されてしまい2pips(2)分のズレが生じた場合、スプレッドが1.5pipsFX会社なら合計で3.5pipsの取引コストがかかったことになります。もしスリッページが全く発生しないスプレッド2pipsFX会社があったとしたら、スプレッドだけを見れば後者が高く見えますが合計取引コストは安くなる計算となります。もちろん決済の時にもスリッページが発生する可能性があるため、さらに差は広がるかもしれません。

ご自身が狙った価格で約定してくれないということは、損益計算にも影響を与えます。FX会社を選ぶ時は公式ホームページ上でのスプレッド、実際の取引画面でのスプレッドを確認することをおすすめます。

FX
指数
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