10日は日米長期金利の差が小幅に縮小、ドル円は下落

主要プロダクトの概況と、ドル円相場の概況

10日は日米長期金利の差が小幅に縮小、ドル円は下落

※外国為替市場は相対取引のため、各社によって安値、高値は異なります。

東京早朝を149.32円で迎えると、東京午後にかけて上昇し149.55円を記録。ただ心理的な節目である150円を前に売りが優勢となり以後は緩やかに下落した。

ロンドン時間序盤は小動きながらも売りが優勢で149.00円を割り込むと、中盤～終盤は149.00円を挟んでの推移が続いた。NY時間に米国9月CPIを控えて積極的な売買は手控えられた印象。

21:30に発表された米９月ＣＰＩ（消費者物価）は前年同月比で総合が+2.4％、コアが+3.3％と事前予想を上振れ。特にコアは前月公表の数値よりも高く、引き続き強いインフレ圧力が確認された。一方で同時刻に発表された新規失業保険申請件数は25.8万件と大きい数値で、労働市場の緩みを感じさせる内容となった。これらの指標が米金利に与える影響は逆であり、ドル円は初動で前者の指標に反応し149.57円まで上昇したものの、次第に後者の弱い数値が意識され148.31円まで下落する場面も見られた。なお、新規失業保険申請件数の内容にはハリケーンや航空機大手ボーイングの一時解雇の影響も含まれていると見られる。

その後も上値の重い時間帯が続いたが、NY午後にウォ―ルストリートジャーナル紙が米アトランタ連銀のボスティック総裁のコメントとして「11月のＦＯＭＣ会合では経済見通し次第で政策金利の据え置き、もしくは0.25ポイント引き下げにオープン」と伝えたようで、米長期金利が上昇、一時4.12％を記録するなか149円台を回復する場面も見られた。

ただ終盤はあらためて経済指標の結果に市場の意識は戻っていき米長期金利が低下、これをうけて148.58円まで値を下げNYクローズを迎えている。

なおブルームバーグによれば、ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁、シカゴ連銀のグールズビー総裁はインフレが今後も減速していくことに自信を示した一方で、リッチモンド連銀のバーキン総裁はインフレ上昇圧力を強め得る潜在的リスクを示すなど、地区連銀総裁の間でインフレに対する見方が異なっていることが確認された。

本日のドル円相場の注目点

香港祝日

韓国中銀、金融政策決定会合

08:50　日本9月マネーストックＭ２

15:00　ドイツ9月ＣＰＩ（改定値）

15:00　英国8月月次ＧＤＰ

15:00　英国8月鉱工業生産

15:00　英国8月製造業生産指数

15:00　英国8月商品貿易収支

15:00　英国8月貿易収支

21:30　カナダ9月新規雇用者数

21:30　米国9月ＰＰＩ

23:00　米国10月ミシガン大学消費者態度指数

25:00　ロシア9月ＣＰＩ

• 米国経済指標。本日は９月ＰＰＩ（生産者物価）と１０月ミシガン大学消費者センチメントの公表が予定されており、注目したい。

• 地政学リスク。特に中東情勢について、状況を注意深く追っていく必要がある。リスクオフの火種は引き続き燻っている状況。

ドル円チャート（４時間足）の注目点

昨日は結果的に149.40円付近のレジスタンスで反落した。指標次第の展開にはなっているが、引き続き底堅さは見られている状況。

昨日のやや弱い指標をうけて本日の東京、ロンドン市場がどのように反応するか注目したい。

レジスタンス： 149.40円、155.00円、162.00円

サポート：140.00円