11日の日経平均株価は続落、前日比▲139.18円、▲0.35%となる39,442.63円で大引け。
前日に米国3月CPI(消費者物価)が公表され、事前予想比、実数ともに強いインフレ圧力が確認されたことで米長期金利が4.50%台まで急上昇、ドル高、米株安の流れの中、11日の東京株式市場オープンを迎えた。
日経平均株価は前日の終値より491円安い39,091円で寄り付くと、序盤は下値を試す展開で39,065円まで下落。しかしこのレベルでは買戻しが優勢となり次第に反発、39,373円まで値を戻して前場クローズ。
後場に入っても買戻しが優勢で一時39,473円まで反発したのち、39,443円で大引け。ドル円相場が1ドル153円前後の円安水準で推移し続けたことも日経平均株価を支えた。
なお鈴木財務相より「円安の要因を分析する」といった趣旨の発言がなされたことで、市場参加者は当局が早急に為替介入へ踏み切らないと考えた可能性がある。
当日は小売業、通信、電気機器の下げが目立った。ユニクロで有名なファーストリテイリングが▲25円、半導体銘柄の東京エレクトロンが▲36円、ソフトバンクグループが▲17円それぞれ日経平均株価を押し下げた。
なお11日のNY時間に米国株が買われたことで、NY午後の日経平均株価CFDは39,700円で取引されており、12日の東京株式市場は大きく上窓を開けてオープンしそうな状況。
11日の米国株式市場ではハイテク企業を中心に買いが広がった。
21:15にECBが金融政策会合の結果を報告、5会合連続で政策金利を据え置いたが、「インフレ率が低下すると確信を得られた場合には近く利下げすることが可能」としたことで、最速で6月の利下げが意識されることになった。
21:30に発表された米国3月PPI(生産者物価)は前年同月比で+2.1%、前月比で+0.2%と事前予想比を下回ったことで初動は米長期金利が低下、市場はドル売り、株買いで反応したが、実数としては根強いインフレ圧力を感じさせる数値であり次第に米長期金利が反発、ドルも買い戻された。
11日のS&P 500指数は、前日終値より15ドル高い5,176ドルで寄り付くと序盤は売られ5,139ドルまで押し下げられた。しかしこのレベルでは買戻しが優勢でNY午前のうちにオープンと同水準まで値を戻した。
NY午後も買いが優勢で5,212ドルまで上昇したのち、5,199ドルで引けた。NY連銀のウィリアムズ総裁は、「インフレと雇用の改善が進んだ」とした上で、「近い将来に利下げする必要はない」との考えを示したことで、米長期金利が上昇し、米国株も買われる展開が助長された。
業種別ではITが+2.36%と上昇を牽引した。AI分野を強化する方針のアップルが+4.33%、グーグルが+2.09%、アマゾンが+1.67%と続いた。またエヌビディアが+4.11%、その他の半導体銘柄も軒並み好調を維持し、いわゆるハイテク銘柄が買われている。
①米国4月ミシガン大学消費者態度指数。日本時間23:00に発表予定で景気や期待インフレに関する調査情報が公表される。政府公表の数値ではないが、速報性のある伝統的な指標で、注目度は低くない。
②米長期金利の推移。昨日は米国3月PPIが事前予想を下回ったにもかかわらず、結局4.59%台まで上昇しており、長期金利に先高観が見られている様子。さらなる上昇は株価を抑える可能性が高く、注目して見ておきたい。
③中東情勢に注目。引き続きイスラエルとイランを取り巻く状況を注視しておきたい。
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