ドル円は方向感がなかった。日経平均株価が上昇して始まったことを背景にやや買いが先行し一時142.56円まで値を上げたが、先週末高値の142.66円が目先のレジスタンスとして意識されると伸び悩み。東京仲値にかけて売りが持ち込まれたほか、日経平均株価が上げ幅を縮小したことも嫌気され、午後には一時142.14円まで下押しする場面があった。一方、売りが一巡すると142.40円付近まで切り返すなど、クリスマス休暇で市場参加者が極端に少ないなかで値が振れやすかった面もあった。
なお、植田日銀総裁は経団連の審議員会で講演し、「2%物価目標が持続的・安定的に実現していく確度は少しずつ高まっている」「政策変更にいつ踏み出すのか、現時点で決め打ちはできない」などと述べた。
ユーロ円も方向感がなかった。日本株高を受けて一時157.04円と先週末高値の156.99円を上抜けたが、日本株の失速とともに156.30円まで一転下落した。一方、一巡すると156円台後半まで反発するなどドル円と同様の展開となった。
ユーロドルは小安い。ユーロ円が失速したタイミングで一時1.0994ドルまで下げたが、売りは続かず、その後は1.10ドル台前半での推移となった。
本日のアジア市場も、シンガポールが休場明けとなるが、オセアニア(オーストラリア、ニュージーランド)と香港市場が休場、また欧州の主だった市場も引き続き休場ということもあり、値動きは限られたものになりそうだ。
なお、本邦からは11月の雇用統計や企業向けサービス価格指数が発表されるが、他国と異なり失業率は低位安定していることもあり、市場を動意づけるのは難しいだろう。
昨年のクリスマス休暇明けの値動きを振り返ると、米国が休場明けとなったことでドル決済が可能となると、当日付の取引がまとまって入り、ドル円は仲値にかけて本邦実需勢の買いで約50銭程度上昇した。しかし、その後は時間外の米10年債利回りが低下したことをきっかけに、上げ幅をほぼすべて削っている。本日もサプライズとなるニュースなどが流れない限りは、レンジの中で上下することが予想される。
なお、昨日の植田日銀総裁の講演内容は、先週の日銀政策決定会合の後の会見を踏襲したものだったことで市場を動意づけることはできなかった。ただし、明日は18-19日の日銀金融政策決定会合の「主な意見」が公表されることには留意しておきたい。
※時刻表示は日本時間
<国内>
○08:30 ◎ 11月完全失業率(予想:2.5%)
○08:30 ◎ 11月有効求人倍率(予想:1.30倍)
○08:50 ◇ 11月企業向けサービス価格指数(予想:前年比2.4%)
<海外>
○14:00 ◎ 11月シンガポール消費者物価指数(CPI、予想:前年比3.8%)
○23:00 ◇ 10月米住宅価格指数(予想:前月比0.5%)
○23:00 ◎ 10月米ケース・シラー住宅価格指数(予想:前年比5.0%)
○ニュージーランド、オーストラリア、ドイツ、フランス、英国、カナダ、(以上、ボクシングデー)、香港、スウェーデン、ノルウェー、ポーランド(以上、セカンドクリスマスデー)、スイス(聖ステファンデー)、南アフリカ(親善の日)、休場
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。
25日13:19 植田日銀総裁
「企業の賃金・価格設定の動きに変化みられる」
「日本銀行が目指している2%の物価安定の目標が持続的・安定的に実現していく確度は、少しずつ高まっている」
※時間は日本時間
<ドル円=200日線を下回る水準の推移継続>
小陰線引け。クリスマスで動意は東京などアジアだけで状況は特に変わっていない。
強弱の判断の分かれめとなる200日移動平均線を下回った状態が継続している。本日143円割れとなった一目均衡表・転換線は明日にも143円台を回復する切り上がりを見せるはずだが、やがて低下する見込みで不安定な推移。相場動向が安定しないことを示唆する状況が続いている。
レジスタンス1 143.05(12/19-22下落幅の38.2%戻し)
前日終値 142.35
サポート1 141.87(12/22安値)
サポート2 141.43(12/15安値)
<ユーロドル=下押し局面では転換線が支えになりそう>
小陰線引け。値動きが乏しく状況は変わらず。高値圏で次に動き出す方向性をうかがう状態となっている。本日1.0997ドル前後で推移している5日移動平均線絡みの調整が入りそうな見込みにも変化はない。引き続き、下押しが入った場合に上昇傾向の一目均衡表・転換線(現在1.0957ドル)がサポートになりそうだ。
レジスタンス1 1.1086(12/22-25下落幅の倍返し)
前日終値 1.1008
サポート1 1.0957(日足一目均衡表・転換線)
<ポンド円=転換線に沿った上下想定>
下影小陰線引け。21日に一時179.79円と180円割れとなった後は下値を切り上げる動きが続いている。反発力は限られているが、いったん切り上がる可能性がある一目均衡表・転換線の動きへ沿うように戻りを試すか。ただ、同線は来週早々に低下へ転じる見込み。現水準183.01円前後から低下が続く見込みの21日移動平均線がやがて抵抗となり、転換線とともに再び下値を探る展開が想定される。
レジスタンス1 181.34(12/22高値)
前日終値 180.68
サポート1 179.79(12/21安値)
<NZドル円=レンジ切り上げ転換線の頭打ち回避したい>
下影小陰線引け。一目均衡表・基準線89.61円や一目・雲の上限89.53円付近の攻防となっている。現水準89.10円から切り上がりが予想される一目・転換線がやがて相場の押し上げを支援する場面もありそう。ただ、そのタイミングまでにレンジを切り上げられないと同線は頭打ちとなる見込み。基準線や雲付近から早急に上放れることが転換線の切り上がり継続をともなう上昇維持のためには必須となる。
レジスタンス1 89.98(12/20-22下落幅の61.8%戻し)
前日終値 89.57
サポート1 89.10(日足一目均衡表・転換線)
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