通貨強弱とは各国通貨が市場の需要により価値が変動することを指し、買われやすさや売られやすさを表す指標として取引の目安に使われます。過去の通貨変動を基に算出され、価値が高くなれば買われやすく、価値が低くなれば売られやすくなります。
出所:TradingView/USDJPY/1時間足//12月1日取得
強い弱いというイメージがわかりやすいのが通貨ペアチャートです。上図はUSDJPYの1時間足ですが、画面左から右下がりに価格が進んでいます。通貨ペア表記の並びはUSDが先でJPYが後ろなのでチャートが右下がりということはドルが売られ円が買われているとなります。つまりこのチャートの時点ではドルよりも円の方が「価値が高い=強い通貨」となります。
出所:TradingView/USDJPY/1時間足//12月1日取得
たくさんある通貨の強さや弱さをひとつずつ見ていてはキリがありませんので、専用のインジケーターを使用します。TradingViewには通貨強弱を計測する外部インジケーターとして「 Currency Strength Chart」が開発されていますので、インジケーター挿入画面から検索してみましょう。
通貨強弱を計測できるようになったらどのようにトレードに活かせばいいのかを解説していきます。要は今1番価値の高い=強い通貨と1番価値の低い=弱い通貨の組み合わせを取引すれば値幅が取りやすいということです。
出所:TradingView/USDJPY/1時間足//12月1日取得
まずはインジケーターを使って通貨強弱を確認します。上図は2023年12月1日の午前11時時点で計測した通貨強弱です。冒頭の通貨ペアとの相関性の項でUSDJPYチャートを確認したときはドルが弱く円が強い状況でした。しかしインジケーターで確認すると円は現在2番目の強さ、ドルは現在の2番目の弱さとなっており、最強と最弱の組合わせではないことがわかります。
出所:TradingView/EURNZD.USDJPY/1時間足//12月1日取得
では現在の最強と最弱の通貨はどんな組合せなのでしょうか。インジケーターでは最強がNZD(ニュージーランドドル)、最弱がEUR(ユーロ)となっており、その組合せが上図チャートのEURNZDとなります。2番目同士だったUSDJPYのチャートよりも明らかに下落トレンドが強いことが視覚的にも確認できました。今取引するならばUSDJPYよりもEURNZDの方がトレンド方向に進みやすいことがわかります。
出所:TradingView/NZDUSD.GBPNZD.EURJPY/1時間足//12月1日取得
ここで注意点があります。通貨強弱をトレードに利用する際にはインジケーターの情報だけを信用して取引ペアを決めてはいけません。インジケーターは過去の価格変動を基に計算をしているので現在本当にNZDが強くてEURが弱いのかを他の通貨とのペアをいくつか確認して通貨強弱の相関性を確認します。
上図は2番目に弱かっUSD(アメリカドル)とNZDの組合せであるNZDUSD、3番目に弱かっGBP(イギリスポンド)との組合せGBPNZD、そしてEUR側は2番目に強かったJPY(日本円)と組合わせたEURJPYのチャートです。どのチャートを見てもNZDの強さ、EURの弱さを確認することができました。
出所:TradingView/EURNZD/1時間足//12月1日取得
以上の確認作業でこの時点ではNZDEURで取引を行うことが1番有利であることがわかりました。通貨の強弱はファンダメンタルズ、経済指標、政策金利の状況などの金融的な要素以外にも、選挙や戦争、天災や災害などにも影響を受けます。それら全てを把握するのは難しいので、まずはインジケーターでの直近の通貨強弱の確認、その後に通貨強弱の相関性を確認することで今最も有利な通貨ペアを導き出すことができます。是非、皆様のトレードに役立ててください。
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