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景気のゆくえを決める政策金利とは

現在のアメリカと日本の景況感は大きく異なります。政策金利の推移の面でも景気の面でも正反対と言えるでしょう。その国の景気のゆくえを左右する政策金利とは?景気と物価の関係、米国と日本の政策金利の推移をわかりやすく解説します。

Article By forex.com
2024年1月19日 午後17:46

目次

各国の景気を左右しているのは各国の中央銀行※1が決める政策金利※2です。政策金利が上がれば民間銀行の貸出金利も上がり、企業は資金を借りづらくなります。そのため資金投資をできず業績も拡大できず賃金を上げることもできないのです。政策金利が下がればこの逆となります。
過熱しすぎた景気やインフレを抑えるために政策金利を上げたり、景気が悪くデフレになってしまったときは政策金利を下げて景気を刺激するなどをして経済をコントロールしているのです。両国の現在の政策金利の推移を見てみましょう。
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中央銀行とは同じ通貨を使用している地域や国の金融組織の中核となる機関のことを指します。物価の安定と金融システムの安定を命題としており、通貨の発行や政策金利の決定などを行います。銀行の銀行と呼ばれ、一般の方は中央銀行と取引することはできません。
2
政策金利とは景気や物価の安定などの目的を達成するために中央銀行が設定する短期金利のことです。この金利は民間銀行の預金金利や貸出金利などに影響を与えます。
米国の政策金利は中央銀行であるFRB(米国連邦準備制度理事会)によるFOMC(連邦公開市場理事会)にて決定されます。FOMCはアメリカの政策金利などの最高意思決定機関です。 現在(2023年10月)のアメリカでは急激なインフレに対応するための大幅な利上げが行われている最中で、FRBは通算11回の利上げを行いました。2022年3月時点で0.00%〜0.25%だった政策金利は2023年7月には5.25%〜5.50%まで引き上げられたのです。これにより行き過ぎた米国経済にブレーキがかかり、正常な数値に戻りつつあります
日本の政策金利は中央銀行である日本銀行が決定しています。日本は長く続いたデフレに対応するため2013年に当時新たに日銀総裁となった黒田総裁のもと異次元緩和を開始し、2016年にはマイナス金利を導入しました。2023年に黒田総裁の任期が終わり、新しく植田総裁となった現在もそれは続いています。政策金利がマイナスということは貸す側がお金を払ってでも円を借りて使って欲しい状態とも言い換えられます。景気刺激を10年以上続けていますが、目標である2%の物価上昇は一向に改善していないほど今の日本の状態は良くないのです。
円高と円安には両国の政策金利が大いに関係します。政策金利が上がるということは、その国の通貨価値が高くなることを意味し、逆に政策金利が低くなれば通貨価値は下がります。「金利を低くするから借りてください」と言っているイメージを持つとわかりやすいですね。。
ここ最近の円安はアメリカの政策金利が引き上げられたことに対して、日本はマイナス金利の継続を発表したことに起因します。2022年3月時点では1ドル=115円程度で推移していましたが、FRBの金利引き上げが始まると2022年10月には1ドル=150円まで上昇しました。これは3月まで115円で買えていたものが、10月には150円払わないと買えなくなってしまったことを意味し、わずか8か月で3割もの値上げが行われたことと同じ意味を持ちます。両国の政策金利を見ていれば、今後も円安が続くのか落ち着くのかがある程度把握できるのです。
インフレとデフレはニュースでよく聞く言葉ですが、正式には「インフレーション(Inflation)」と「デフレーション(Deflation)」と呼びます。インフレは物価の価値が上がり通貨の価値が下がることを意味しモノが高くなります。一方でデフレは物価の価値が下がり通貨の価値が上がることを意味し、モノが安くなります。
現在の米国と日本の状況を例に先の政策金利に絡めてインフレとデフレを解説していきます。

米国内の状況

2022年の米国は行き過ぎたインフレによる急激な物価高騰で、賃金の上昇が追いついておらず人々の生活を圧迫しており消費が落ち込む可能性が高まっていました(現地でのラーメン1杯が3,000円程度)。そこでFRBは政策金利を引き上げ通貨価値を上げることで、物価の上昇を食い止める対策をしました。一度で収まらなければ2度、3度と金利の引き上げを行い、約1年半かけて合計11回の政策金利引き上げを行いました。
これによりアメリカ国内の行き過ぎたインフレは正常値に戻りつつあり、経済崩壊の危機は避けられたことになります。

日本国内の状況

1990年代前半のバブル崩壊以降、日本の経済は低迷期が続いていました。1999年から進めていたゼロ金利政策も大きな効果は期待できず日本は長いデフレの時代に突入します。デフレになってしまうと物価が上がらないので賃金も上がらず、そのため消費も控えてしまう悪循環が起こります。世界の中で親世代と今の新卒者の初任給がほとんど変わらない国は先進国の中では日本だけと言われています。
そこで行われたのが2013年からの日銀による異次元緩和で、お金の価値を下げることでモノを買いやすくして消費を促し経済を活性化させることを始めたのです。一時期牛丼の並盛が280円で食べられていたことを覚えている方も多いでしょう。お金を使いやすくし個人消費を底上げする目的でしたが、期待していたほどの効果はなく2016年にマイナス金利を導入しました。徐々に状況は改善されて来ていますが、世界各国が政策金利を続々と引き上げている中、いまだにマイナス金利を続ける日本はまだまだデフレの真っ只中にいるということになります。
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