FOREX.comはStoneXによって運営されています。

パラボリックSAR~トレンドの転換を察知する~

パラボリックSARはチャート上に放物線状のドットやマークを表示し、視覚的な取引判断の目安として利用できます。パラボリックは「放物線」、SARは「ストップアンドリバース」を意味しており、トレンドの方向や転換を示唆するテクニカル指標です。

著者 forex.com
2024年1月4日 午前02:31

目次

出所:FOREX.com/USDJPY/日足/SAR設定0.02/9月27日取得

パラボリックSARはチャート上に放物線状のドットやマークを表示し、視覚的な取引判断の目安として利用できます。パラボリックは「放物線」、SARは「ストップアンドリバース」を意味しており、トレンドの方向や転換を示唆するテクニカル指標です。

トレンドの勢いと転換点がわかる

パラボリックSARでは上昇トレンドのときはSARが価格の下に表示され、下降トレンドのときはSARが価格の上に表示されます。価格がSARに到達するとSARの表示位置が反転しトレンドの転換を示唆します。

SARの意味

SARはストップアンドリバースと呼ばれる通り、表示されたSARに価格が到達(ストップ)するとトレンドが転換(リバース)する位置を描写するものです。そのため、いわゆる途転(ドテン)売買を繰り返すようにサインが出続けるのが特徴です。

パラボリックSARの見方は、SARが価格の上にあるか下にあるかだけのとても単純な表示なのでわかりやすく初心者でも使いやすいインジケーターです。

ローソク足とSARの位置関係

出所:FOREX.com/USDJPY/日足/SAR設定0.02/9月27日取得

上図チャートの拡大部分を見ると、価格が上昇を続けているときはSARは価格の下側に位置し上昇トレンドが継続していることを示唆しています。その後陰線が出始めたタイミングで下側のSARが価格に到達しSARの位置が価格上側に移動しました。ここでトレンドの転換を示唆しています。

売りか買いの2択が基本(途転)

パラボリックSARの売買判断は価格の下側にSARがあれば買い、上側にあれば売りという単純なものなので、SARが移動すると反対売買を行うことになります。買いでポジションを保有していれば「利益確定と同時に売りの注文を入れる」ドテン売買が基本となります。

ローソク足とのSARの交差が売買タイミング

出所:FOREX.com/USDJPY/日足/SAR設定0.02/9月27日取得

上図チャートをみると全体的に上昇トレンドが続いている場面でもところどころで売りのサインが出ています。買いで取引したところはすべて勝ちとなっていますが、売りで取引して利益になったのは後半の2つだけです。つまりパラボリックSARのすべてのサインだけに従うのではなく、視覚的なトレンド方向のみに絞れば高い勝率を出せることがわかります。出現したサイン全部に従う必要はないということです。

【FX】USDJPYチャートを使った取引実例

出所:FOREX.com/USDJPY/日足/SAR設定0.02/9月27日取得

チャートは2014年から2015年にかけてのUSDJPY日足で、赤枠で囲ったレンジを抜けて上昇トレンドが発生した後の場面です。上昇に対する調整下落が続いている状況でどこまで押してくるのか、どこから再上昇するのかをパラボリックSARの反転で確認しています。連続していた陰線に陽線が混ざり始め下落の勢いが小さくなってきたタイミングで価格の上側にあったSARに価格が到達。SARが価格の下側に反転が確認できた次の足でエントリーしています。決済は次にSARが反転したところで行っています。

パラボリックSARはトレンドが出ていなければうまく機能しないので、しっかりとトレンドが出た後からついていく使い方が有効でしょう。

【CFD】Japan 225チャートを使った取引実例

出所:FOREX.com/Japan 225/日足/SAR設定0.02/9月27日取得

上図チャートは2019年の日経225日足で、下落トレンドが崩壊し上昇トレンドが始まるのかという場面です。画面中央あたりの黒丸が下落トレンドの最後の戻り高値であり、その高値を抜いたことで下落トレンドが崩壊しています。ここから新しい上昇トレンドが始まることを見越して下落トレンドを崩壊させた波に対しての調整の押しの終了位置をパラボリックSARの反転(緑丸)でタイミングを取っています。赤点線を超えるまでは上昇トレンドが確定しませんが、損切り距離も短く大きな値幅を狙えることから下落トレンドの崩壊とパラボリックSARの反転を根拠にエントリーした状況です。決済はSARの再反転の位置で行っています。

パラボリックSARを使う場合のコツや計算式を紹介します。

パラボリックSARの計算式

パラボリックSARの計算式は次の通りです。

AF = Acceleration Factor(加速因数)

EP = Extreme Price(極大値)

SAR = 前期間のSAR + AF × (EP – 前期間のSAR)

EPはパラボリックSARで指定した期間中の最高値(上昇トレンド時)、または最安値(下降トレンド時)を指します。高値安値が更新されるたびにEPも更新されていきます。

AFはEPが更新されるたびに設定したAFの上限値まで加算していく数値のことです。トレンドはいつまでも続くわけではないので、高値安値が更新されるたびに加速的に数値を足して計算していきます。これにより無理のないトレンド継続示唆や転換示唆が算出されることになります。

レンジでは機能しない

出所:FOREX.com/USDJPY/日足/SAR設定0.02/9月27日取得

パラボリックSARは価格の反転を示唆するテクニカル指標ですが、トレンド系のインジケーターなのでRSIやストキャスティクスのように買われ過ぎや売られ過ぎを知ることはできません。そのためレンジ相場では上図チャートのように負けが続いたりわずかな利益のみになってしまいます。逆に赤枠の中のように一時的にでもトレンドが出れば有効に機能するので、今がトレンド中なのかどうかを判断できるテクニカル指標と組合わせると高い効果が期待できます。

短期売買に向いているテクニカル指標

パラボリックSARは価格の細かい動きを追いかけるので短期的な売買スタイルに向いています。トレンドの方向にサインが出たらエントリーをし反対のサインが出たら利益確定をするだけでも比較的高い勝率で取引することができます。

一方で長期的な取引に利用したい場合は、移動平均線などトレンドの大まかな方向を知ることができるテクニカル指標と組み合わせることでエントリータイミングをパラボリックSARで、決済タイミングは移動平均線で行うなどで対応することもできます。

FX
指数
通貨ペア売り買いスプレッドオープン
ポジション
売り{{item.Bid}}
買い{{item.Offer}}
スプレッド{{item.Spread}}
{{intNumber(item.sentiment.volLong)}}% 買い
{{intNumber(item.sentiment.volShort)}}% 売り
売り{{item.Bid}}
買い{{item.Offer}}
スプレッド{{item.Spread}}
{{intNumber(item.sentiment.volLong)}}% 買い
{{intNumber(item.sentiment.volShort)}}% 売り