出所:FOREX.com/USDJPY/日足/9月27日取得
平均足はローソク足から値動きのブレを排除しトレンドの流れを視覚的に掴みやすく修正したものです。上昇トレンドでは陽線が連続して出現しやすく、下降トレンドでは陰線が連続して出現しやすいなどトレンドをより明確に捉えることが可能になるテクニカル指標です。
平均足はローソク足と同じように四本値を使いますので、見た目はローソク足とほとんど同じに見えます。しかし平均足は始値と終値に通常のローソク足とは違う値を使います。そのためローソク足では陰線になっていても平均足では陽線になっていることがあるのです。
平均足の始値の算出方法はひとつ前の平均足の始値と終値の平均値を取ります。わかりやすく言えば平均足の始値は直前の平均足の実体の中心から始まるのです。
また、終値の算出方法は計算する平均足の高値、安値、始値、終値の平均値を使います。つまり、該当する足の四本値の平均を取って計算しています。
このように前の足の平均と該当足の平均で形成することで価格が全体的に上がっていれば陽線、下がっていれば陰線となり視覚的に偏りの強い方向がわかりやすく表示されるのです。
出所:FOREX.com/USDJPY/日足/9月27日取得
平均足はその形によって様々な情報を読み取ることができます。代表的なものをいくつかご紹介します。
平均足では上昇トレンドの場合、基本的に上髭のある陽線が続きます。特に上髭の長い陽線が続く場合、上昇トレンドの継続を強く示唆していると言えます。
平均足では下降トレンドの場合、基本的に下髭のある陰線が続きます。特に下髭の長い陰線が続く場合、下降トレンドの継続を強く示唆していると言えます。
陽線が連続していても下髭のある陽線が出た場合、上昇力が弱まりトレンドが転換する可能性を示唆しています。特に長い下髭が付いている陽線が出たときは転換が近い可能性が強まります。
陰線が連続していても上髭のある陰線が出ている場合、下降力が弱まりトレンドが転換する可能性を示唆しています。特に長い上髭が付いている陰線が出たときは転換が近い可能性が強まります。
平均足では実体の長さも重要です。実体が長ければ強いトレンドを表し、実体が短ければトレンドはあまり強くないと判断できます。また長い実体が続いた後に極端に短い実体が出たときはトレンドが弱まり転換が近いことを示唆します。合わせて逆側の髭が長ければかなり強い示唆として捉えます。
ローソク足ではなく平均足を採用することによるメリットやデメリットはなにか比較していきます。
出所:FOREX.com/USDJPY/日足/9月27日取得
平均足のメリットはなんといってもトレンドの視覚的把握の容易さです。上昇トレンドなら陽線が連続し、下降トレンドなら陰線が連続することで明確なトレンドとして認識することができます。
一方、ローソク足では上昇トレンド中にもところどころに陰線が出現し、転換するかもしれないと迷いが生じやすくなります。
トレンドの方向を明確に判断できる反面、レンジ相場になったときは平均足は全く役に立ちません。平均足の基本的な使い方はトレンドの継続と転換を確認するためのものですので、レンジ相場のように狭い範囲で行ったり来たりする相場ではダマシが頻発し負けが連続することも。使い所の見極めが必要です。
平均足は単独で使うよりもインジケーターなどのテクニカル指標と組合わせるとさらに効果を発揮します。ここでは代表的な2つのインジケーターとの組合せをご紹介します。
出所:FOREX.com/USDJPY/日足/9月27日取得
上図チャートは2023年のUSDJPY日足です。年初から大きな上昇トレンドとなっていた場面ですが、トレンドフォローで攻めるためにボリンジャーバンドと平均足の2つの根拠でエントリーをしています。短期的なトレンドの転換点と判断したのは、平均足で連続していた陰線が陽線に変わったタイミングとボリンジャーバンドのバンドウォークが崩れた-1σ抜けのタイミングで、両方が確定した次の足からの買いエントリーです。
チャート上では2ヶ所のエントリーポイントがあり、1つ目は価格がボリンジャーバンドの-1σを抜けた位置でイグジット、2つ目はチャート上では保有したままとなります。
出所:FOREX.com/Japan 225/日足/9月27日取得
上図チャートは2020年末頃の日経225日足です。緩やかに上昇を始めていた価格が一気に上昇した場面ですが、2つの転換示唆を確認していれば3か所のエントリーチャンスがあります。
①の場面では平均足の転換示唆が発生時に移動平均線を勢いよく上抜けており、確定足の次の足から買いでエントリーすることができます。ただし大きなトレンドの根本となり、発生が確定していないので損切りになる可能性も少し高めの場所です。
②の場面は移動平均線に支えられたタイミングで平均足の転換示唆が発生しています。ここは自信をもって買いでエントリーしたいトレンドフォローの位置です。
③の場面はわずかに平均足が移動平均線を抜いていますが、平均足の転換示唆が発生した時点で移動平均線を再度上抜けているので、ここも買いでエントリーできる場所です。ポイントは移動平均線の傾きの方向にしかエントリーしないこと、平均足の転換示唆が発生しても移動平均線の下側(売りの場合は上側)にあればエントリーを見送ることです。
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