ローソク足とは期間内で変動した値動きをローソクの形1本だけでチャート上に表現した日本発祥の価格表示方法で、相場分析に必要な4つの価格を視覚的に一目で確認することができます。
ローソク足には、期間が始まった価格よりも終わった価格の方が高い「陽線」、期間が始まった価格よりも終わった価格の方が低い「陰線」の2種類があります。色によって分けられており、一目でどちらかわかることが特徴です。定める期間は任意で設定でき、1分や1時間、1日、1週間など取引スタイルに合わせて自由に選択できます。
出所:FOREX.com/USDJPY/1時間足/9月19日取得
期間を定めたローソク足を連続して並べたもので、ローソク足の並びにより価格が上がってきたのか下がってきたのか過去の値動きも把握できます。他の価格表示方法よりも多くの情報を一つのチャート画面で確認できるため、多くの投資家が採用しています。
ローソク足は値動きによって様々な形を形成し、それ単体で多くの意味を持ちます。今後の価格の行き先を知るために必要な情報ですので基本的な形や意味を覚えておきましょう。
ローソク足は設定した期間内の値動きによる4つの価格によって形成されます。
● 始値・期間が始まった時の価格
● 高値・期間内で1番高くつけた価格
● 安値・期間内で1番安くつけた価格
● 終値・期間が終わった時の価格
この中で重要とされるのは期間内の価格の終着点である終値で、ほとんどのテクニカル指標の計算式に使われます。
また始値から終値までの太くなった部分を「実体」、実体から高値や安値に伸びる細い部分を「ヒゲ」と呼びます。
ローソク足では実体とヒゲの長さや形状が重要視されます。実体が長くヒゲが短いローソク足は相場の勢いが強いことを表し、実体が短くヒゲが長いローソク足は相場の勢いが弱まり反転の可能性を示唆します。基本の形については後述しますが、ローソク足の形で相場の方向がわかる理由はその作られ方に関係しています。
実体が長くヒゲが短いローソク足は期間内に一方向に価格が動き続けたことを意味しており、勢いは収まっておらずこの後もまだまだ伸び続ける可能性が十分にあります。
一方で実体が短くヒゲが長いローソク足は期間内の値動きが激しく上下動したことを意味しており、勢いよく上昇したが勢いよく戻されてしまった場合など価格が反転する可能性が高まっていることがわかります。
ここでは実際のチャートを使ってローソク足の基本の形の意味とその後のチャートの動きを合わせて確認していきます
周りのローソク足と比べて明らかに実体が大きなローソク足を指します。大陽線なら今後も上昇が続く可能性を示唆し、大陰線なら下落が続く可能性を示唆します。また安値圏で大陽線、高値圏で大陰線が出ると転換のシグナルともされています。
上ヒゲが長く実体が下部分についているローソク足を指します。陽線陰線共に上昇の勢いが弱まり下落方向へ傾く可能性を示唆します。どちらも高値圏で出た場合は転換のシグナルとされますが、陰線の方がより強い転換のサインとなります。
下ヒゲが長く実体が上部分についているローソク足を指します。陽線陰線共に下降の勢いが弱まり上昇方向へ傾く可能性を示唆します。どちらも安値圏で出た場合は転換のシグナルとされますが、陽線の方がより強い転換のサインとなります。
期間の開始と終わりの価格がほぼ同じになり実体が無いローソク足を指します。ヒゲも短い場合は期間内の値動きが無く売買がほとんど行われていないことを意味し、取引を控えるなどの判断に使えます。
一方でヒゲが長い場合は売りと買いが拮抗していることを指し、高値圏や安値圏で出ると転換のシグナルとされます。十字線の場合陽線や陰線の区別はしなくて構いません。
ローソク足は単体でも意味を持ち相場の方向性を知ることができますが、複数本を組み合わせることでより信頼度の高い分析を行うことができます。代表的なローソク足の組み合わせを見ていきましょう。
2本のローソク足を使った分析の中で頻出する2つを見ていきます。