テクニカル分析は、過去の価格変動の軌跡からパターンを読み解き、その後どのように動いていくかの可能性を探る手法です。この分析のため、様々な数値分析やその複合理論が開発され、テクニカルインディケーターや分析ツール・サービスとして利用できるようになっています。
テクニカル分析のポイントを凝縮すると、以下の2つのポイントになります。
マーケットの動きは大きく分けて3つだけ。「上がる」、「下がる」、「横ばい」のいずれかです。
価格変動は一般的にジグザグの動きをしながらこの3つの方向性を見せていきます。
テクニカル分析は、「いつ」「どこで」という取引のタイミングをはかるのに用いられます。もちろん仕掛ける(エントリーする=ポジションを建てる)ポイントを決めるのにも有効ですが、よりはるかに重要なのは、「いつ」「どこで」手仕舞うべきかを読むのに活用することです。
テクニカル分析は、「マーケットは基本的に無秩序な動きをするカオスである(誰も次の動きを正確に予測することはできない)が、かといって完全にランダムな動きというわけでもない(一定の理由がある)」という理論を前提としています。つまり、まさに数学的カオス理論にある「カオス」の定義どおり、繰り返し現れるパターンを見つけ出すことが可能というわけです。
このようなカオス的な事象は主に自然界に見られ、天気予報はその好例といえるでしょう。天気予報と同じように、ほとんどのトレーダーは、価格の動きを予測するにあたり、寸分違わぬ正確性、また確実性というのはないということを認めざるを得ないのではないでしょうか。
つまり、トレーディングの成功のカギは、「正しいか間違っているか」ではなく、値動きの「見込み」を選んで予測を定め、可能性が好ましい時に(またリスクが許容できる範囲にある時に)その度合いに応じて取引を行っていくということにあるのです。「見込み」を選び予測を定めるにあたっては、マーケットの動く方向、「いつ」「どこで」注文を入れるべきかといったことを読む必要がありますが、同時にリスクとリターンの割合を測ることが重要です。
常に心に留めておかねばならないのは、どこかにどんなマーケットも読める秘密のストラテジーやインディケーターというのがあるわけではないということです。
トレーディングの成功の秘密とは、一貫した十分なリスクマネージメント、決めたルールの着実な実行、そして感情をコントロールできる能力なのです。
もし、時々予測を的中させて利益を出せたとしても、リスクマネージメントをしていないのであれば、結局のところ長期的に利益を保つことはまず無理でしょう。
リスクマネージメントや、より詳しいテクニカル分析の手法などについては、FOREXラボの他の記事をご参照ください。