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フィボナッチエクステンション分析の引き方や仕組みを簡単に解説

フェイバリット・フィボは、フィボナッチ・リトレースメントとトレンドの勢いをベースにした取引戦略の1つです。FXだけでなく様々なマーケットでも活用できます。

Article By forex.com
2024年9月18日 午後15:47

目次

フェイバリット・フィボは、フィボナッチ・リトレースメントとトレンドの勢いをベースにしたトレードストラテジーです。メジャー通貨、株価指数、商品先物取引等、広範なマーケットに適応し、かつタイムフレームの設定も柔軟なため、様々なトレーダーに利用されています。 例えば、主要経済指標の発表直後はマーケットが大きく動きますが、そのような急騰急落時にも大活躍します。また、史上最高値(または史上最安値)や、直近の最高値(または最安値)を更新しているとき等、明らかにトレンドの勢いが強いときには最適です。一方で、トレンドの勢いが弱いときや、インパクトのある発表にも関わらず、その影響が単なる調整程度に留まったり、値動きがレンジ内に収まるようなマーケットではうまく機能しません。

FFストラテジーは、タイムフレームが長いほど精度が高まります。1時間足か4時間足で利用するのが一般的ですが、日足等さらに長いタイムフレームでも確認するとベターです。長めのタイムフレームに基づいてトレードしている場合は、5分足またはさらに短いタイムフレームを利用することで、エントリーのタイミングを計ることができます。なお、短いタイムフレームに基づいてトレードをする場合は、15分足より長く設定すると良いでしょう。

FFストラテジーは、フィボナッチ・リトレースメント・レベルとフィボナッチ・エクステンション・レベルを活用したストラテジーです。リトレースメント・レベル(=反転の水準)として38.2%と50%を、エクステンション・レベル(=決済の水準)として、127.2%、161.8%、261.8%を利用します。 ※50%のリトレースメント・レベルというのは、正式には、フィボナッチの水準ではありません。

それでは、FFストラテジーがどのような仕組みかを見ていきましょう。下図ではAからBに対し強い上昇トレンドを形成し、その後、利食いと天井を狙った決済によって、ポイントCまで小反落しています。そして、Bの水準を上抜け、再度上昇トレンドを形成しています。このようにFFストラテジーは、3本のスイングラインで構成されます。1波がAB、2波がBC(=コレクション)、3波がCD(=エクステンション)で、これがFFストラテジー(買い)の典型的なチャートパターンです。

フェイバリット・フィボ分析とは?

FFストラテジーでは、CD上にいくつかのポイントがあります。特に、エントリーポイントとなるレートBを上抜けた水準からの値動きが重要です。利食いのターゲットは、値幅BCに対するフィボナッチ・エクステンション・レベルに基づきます。詳細は後述します。

FFストラテジーがうまく機能するためには、マーケットの勢いが必要です。全体の値動きとしては、上昇ABに対し小反落したCがあり、その後の反転でレートBの水準を上抜け、当初の上昇トレンドを回復、というチャートパターンが期待されます。それゆえ、Cへの反落が50%以上となったり、レートBの水準を上抜ける前に方向性にかける値動きが続く場合、FFストラテジーに基づくエントリーは無効となります。

言い換えると、ABにおいてしっかり上昇した後、比較的短時間の小反落(=値幅ABの50%未満にとどまる反落)によってCに到達、その後Dに向けて勢いよく上昇、という値動きこそ、エントリーのシグナルとして信頼性の高いチャートパターンとなります。

以上の通り、FFストラテジーでは、Cの確定によって全てのパラメータが定義されます。 次に、エントリーと決済の水準について説明します。以下、FFストラテジーをプロットしたチャートを幾つか例示しています。

例1:NZD/USD(買い)

Before:

 フィボナッチエクステンション例 NZD/USD(買い) ビフォー

After:メインターゲットに到達

フィボナッチエクステンション例 NZD/USD(買い) アフター

例2:GBP/USD(買い) – 重要指標の発表直前

Before:

フィボナッチエクステンション例 GBP/USD(買い) ビフォー

After: メインターゲットに到達

※このケースでは、261.8%のエクステンション・レベルも大幅に上抜けています。

フィボナッチエクステンション例 GBP/USD(買い) アフター

例3:ブレント原油(売り)

フィボナッチエクステンション例 原油(売り) ビフォー

After: ストップロス(買い決済)

(ダマシのブレイクによる早まったエントリー)

フィボナッチエクステンション例 原油(売り) アフター

例4:金(買い)

フィボナッチエクステンション例 金(買い) ビフォー

After:無効

(勢いを失い、値幅ABの50%のレベルに到達)

フィボナッチエクステンション例 金(買い) アフター

エントリーは、レートBの水準を上抜けたタイミングです(買いのケース)。メインターゲットはDのため、以降の上昇にはしっかりした勢いが求められます。なお、Dは、値幅BCによって定義されるフィボナッチ・レベルです。

買いのケースでは、レートBより数pips上の水準でのストップオーダーが基本です。様子を見てエントリーする場合には、ストップオーダーを利用せず、レートBの水準を一度下抜けるのを待って、マーケットオーダーやリミットオーダーで発注する、という方法もあります。

  • ●ストップオーダーであれば、確実にエントリーすることができますが、ダマシのケースでは高値掴みとなってしまいます。また、ギャップができる場合には、設定した水準よりかなり高値で掴むことになります。
  • ●マーケットオーダーまたはリミットオーダーでエントリーする場合、レートBのブレイクが本物かダマシなのかを判断する猶予ができます。もし値動きがレートBより上で数分間留まるようであれば、良いレートを狙ってエントリーします。デメリットとしては、値を戻さずにメインターゲットに向かって急騰する場合には、エントリーのチャンスを逃すことになります。

4時間足のような比較的長めのタイムフレームに基づいてトレードする場合、5分足または10分足等を参考にして、エントリーのタイミングを掴み、直前では、さらに短いタイムフレームで、レートBの水準をブレイクする瞬間を待つと良いでしょう。以上は買いのケースですが、上下逆さのチャートパターンが売りのケースです。

FFストラテジーでは、ターゲットが2つあります。

  • ●最初のターゲットは、値幅BCに対し127.2%の水準です。この水準が、ストップロスオーダーでリスクを回避するためのブレイクイーブンポイントです。
  • ●メインターゲットは、値幅BCに対して161.8%のエクステンション・レベルです。この水準が利食いのポイントです。マーケットの状況によっては、261.8%をターゲットにすることもあります。

上昇幅ABと下落幅BCが確定すると、その後に期待されるあらたな上昇幅CDが算出されます。もし、値幅BCが値幅ABの38.2%以下なら、メインターゲットのDは、値幅BCに対してエクステンション・レベルである161.8%か、状況によっては261.8%の水準となります。しかし、値幅ABに対しフィボナッチ・レベルの60.8%または78.6%の水準まで反落するような場合は、ターゲットのDは、値幅BCのエクステンション・レベルとなる127.2%の水準にとどまる可能性が高いといえます。無論、BCでの反落が値幅ABの50%以上となる場合は、FFストラテジーに基づくエントリーは無効となります。

買いのケースでは、ストップロスオーダーはレートBより少し下の水準に設定します。CDにおいて上昇トレンドを形成する中で、そのトレンドを下支えする短期的なサポートラインの少し下の水準が、理想的なストップロスの水準となります。なお、エントリーとストップロスの最大幅は、エントリーとターゲットレベルの幅以下に設定しましょう。言い方を変えれば、リスクリワード比率は100%以上(損失:利益=1:1~)とすべきです。もちろん、200%またはそれ以上に設定するのが理想的です。

  • ●勝率を高めるためには、中長期的なトレンドに乗ってエントリーしましょう。
  • ●FFストラテジーを利用する場合には、マルチタイムフレーム分析をおこなうと共に、その他のストラテジーも参考にして、様々なテクニカル水準を意識しましょう。例えば、200期間移動平均が1.8560で、ロングポジションに対するメインターゲットが1.8580となるようであれば、エントリーはすべきではありません。もしエントリーしてしまったら、エクステンションの161.8%の水準まで上昇するのを期待せず、200期間移動平均を参考水準として利食いをする方がベターです。ターゲットを定めるために利用したタイムフレームが短い場合にはなおさらです。そのような時は、トレンドに変化を求めてしまいますが、変化を求めている自分に気がついた瞬間こそ、トレードに問題があることを自覚すべき瞬間です。そんな時にはできるだけ早くポジションを決済しましょう。
  • ●同じようなマーケットで、反対売買になるような取引をしてはいけません。例えば、DAXのロングとFTSEのショートを同時に持ったり、NZD/USDのロングとAUD/USDのショートを同時に持つようなことは避けましょう。もし、AUDが弱気でNZDが強気だと感じたならば、AUD / NZDのショートを持ちましょう。
  • ●マーケットレートがレートBの水準をブレイクし、エントリーの注文が発注されたものの、その後、最初のターゲットである127.2%の水準に達するまでの勢いがなくなったのであれば、できるだけ早くポジションを決済しましょう。例え損切になったとしても、ストップロスの水準まで様子を見るのはやめましょう。なぜなら、FFストラテジーにおいてエントリーに求められるのは、エクステンション・レベル(=161.8%または261.8%)までのしっかりした上昇ですが、全くそのような値動きとはなっていないためです。残念ながら、あなたの期待に応えてマーケットが変動するということはありません。もちろん、思い通りにならないからといってマーケットに文句をいっても仕方がありません。変化し続けるマーケットのダイナミクスや状況に順応できるよう、ぜひ自身のトレードスキルを鍛えてください。

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