香港ハンセン株価指数取引ガイド (構成銘柄、市場取引時間、トレード方法)

香港ハンセン指数(Hang Seng)とは、香港証券取引所(HKSE)で時価総額等の観点から選定された約50の上位銘柄で構成される指数です。これはまた、アジア金融市場の強さを測る重要な基準ともなっています。

1969年に基準値100でスタートしたハンセン指数は、恒生(ハンセン)銀行傘下のハンセン指数会社(HSI)により編纂、公開、管理されています。ハンセン指数では、企業の時価総額別に加重されます。これは英国のFTSE100種総合株価指数やドイツ株価指数と似ており、1株当たりの株価に応じて企業を評価するダウ平均株価とは異なるものです。ハンセン指数における企業への最大加重は10%です。

ハンセン指数はハンセン中国企業指数と混同されることがありますが、 中国企業指数は香港に上場の中国本土H株50銘柄の株価に基づくものです。

香港ハンセン株価指数の構成銘柄50について

ハンセン指数構成銘柄は金融株、不動産株、公益事業株、商工業株のカテゴリーに分類されます。ハンセン指数構成銘柄のうち加重が最大のものは、テンセントやアリババなど。さらにハンセン指数内の大手企業には、HSBCやアジア全域に展開する保険大手AIAグループなどがあります。

サブカテゴリーはさらに合計12に分けられます。2021年7月6日現在ハンセン指数を構成する部門はパーセント表示で次のようになっています（出典：ハンセン指数）。注意：2021年7月現在、原材料部門に該当する企業はありません。

香港ハンセン株価指数銘柄の入れ替え頻度は？

ハンセン50銘柄は四半期ごとに評価され、分析および外部コンサルティングによって承認または取り消しが行われます。企業が選ばれるには、部門、時価総額、売上、財務業績の基準を満たしていなければなりません。また、香港証券取引所に最低3か月間上場した経歴を持つ必要があります。

香港ハンセン株価指数の算出方法

香港ハンセン指数は、現在の価格、終値、発行株式を基に、浮動株調整方式で香港証券取引所の取引時間中に2秒間隔で算出されます。また、浮動株調整因子(FAF)と時価総額因子(CF)を使用しています。これはそれぞれ0～1までの値で四半期ごとに調整されます。

香港ハンセン株価指数価格が意味するもの

ハンセン指数価格は、指数構成銘柄の株価上昇、下落のいずれかを示します。ハンセン指数価格の上昇は、一定の企業または企業グループの株価が上昇していることを意味します。これは指数全体の価格に反映され、逆にハンセン指数価格が下落すれば、指数構成銘柄の株価が下がっているということになります。

ハンセン指数構成銘柄の順位は時価総額に焦点を当てた加重平均に基づいています。ウェイトが大きい銘柄は、株価変動の指数への影響も大きくなる傾向にあります。

香港ハンセン株価指数価格を動かすもの

ハンセンの指数価格は株式指数と同様、中国・香港経済の動きと連携したファンダメンタルおよびテクニカル双方の要素、ならびに国際的な影響を受けます。 しかし、指数構成銘柄の大多数は中国本土が本拠地の企業であるため、香港に限られる出来事よりも中国全体のニュースや経済データが指数に影響を与える傾向があります。特に米中関係、香港ドルの動き、経済指標が価格を大きく動かします。

ハンセン指数でトレードする場合に考察すべき主な事柄には、次のようなものがあります。

米中関係

米中関係はハンセン指数の動きにとって重要になります。米中の緊張が高まれば、下向きの相場へと促されます。例えば、2018年、米中貿易協定の締結に向けた進展の遅れを懸念したことから、ハンセン指数は急落しました。

さらに、2021年始め、中国移動通信や中国電信などのハンセン電気通信株が、中国軍と連携しているとの疑惑からニューヨーク証券取引所の上場を一時取り消され、ハンセン指数ではこれらの企業の株価が下落しました。

こうした出来事により、関連のあるニュースが出た場合、米中関係がどのように展開しているか、またその関係が地域全体の経済にどう連鎖するのか、多角的な注視をすることがトレーダーにはとても重要となります。

香港ドルの強さ

香港ドル(HKD)はハンセン指数の動きを示唆する可能性があるため、注視が必要です。

香港の中央銀行、香港金融管理局は、銀行の流動性をコントロールし、資金の流入・流出を規制するためにいずれかの限度値で売買します。7.85付近で取引すればその価格で資金が流出するため、2018年～2019年の下落で見られたように、ハンセン指数に打撃を与える可能性があります。一方7.75では、資本流入が予想されるため、2014年の例のように指数が上昇する場合があります。

社会政治的出来事/経済指標

経済指標では、ハンセン指数のトレーダーは中国GDPの数字、さらに貿易収支やPMIなどの鉱工業生産に注意する必要があります。2021年6月、ハンセン指数は中国の製造業が前月比から大幅に改善され、1.1%上昇の29,468となりました。こうした指標に注意すべきであるということが、過去の事実からわかります。

上記のような動力は指数を一定方向へ動かすことがありますが、その動きから利益が得られるという保証はありません。トレーダーはひとつの要因のみを見るのではなく、複数の要因を関連付けて考慮する必要があります。

指標カレンダーを見てトレードに影響する発表がある日をチェックしてください。

香港ハンセン株価指数年間平均リターン

2011年以降の過去10年以上にわたり、ハンセン指数の年間平均リターンは2.8%です。ハンセンの平均リターンは、投資家のために信託資金が実質1年間を通して上げる利益です。

2011年～2020年の年間リターンは以下のとおりです。過去のリターンが必ずしも今後の実績を保証するわけではないことに注意してください。(出典：Macrotrends)

香港ハンセン株価指数市場取引時間

ハンセン指数の取引時間は月～金曜日の香港時間9:30～16:00(12:00から昼休み1時間)です。

香港ハンセン株価指数トレード方法

ハンセン指数CFD

差金決済(CFD)は原資産(この場合はハンセン指数)の市場価格を基にしたデリバティブ取引です。資産の所有権を取ることがなくなるため、指数が上がるか、下がるかを予想して取引をおこないます。

詳細はCFDの取引方法を参照してください。

当社ではCFD取引を介して、ハンセン指数を取引することができます。

時価総額別香港ハンセン株価指数銘柄一覧

時価総額別加重平均による香港ハンセン指数銘柄は以下のとおりです(2021年7月6日)。出典：香港ハンセン指数