金利とはお金を借りるときのコストです。それが現金であれ、商品または財産であれ、合計借入の%で表されます。また、預金口座への入金に対して得られる金額でもあります。 お金を借りた場合、元の金額(元本)と、その利息を返します。これは、返金額が借りた金額よりも大きくなることを意味します。
金利はその国の中央銀行が決めます。
たとえば英国では、金利はイングランド銀行の基準金利(ベースレート)に基づいて設定されています。 イングランド銀行(BOE、英中銀)は、イギリスの主要な都市・地方銀行が中央銀行からお金を借りるときの金利を増減させることで、消費者や企業に転嫁される金利に影響を与えることができます。
銀行や住宅金融組合は、さまざまな要因に基づいて融資に個別の金利を設定していますが、主な要因となるものは債務不履行のリスクです。債務者が全額返済できない可能性が高いと見なされれば、金利は高くなります。
インフレーションと金利は通常、逆相関関係にあります。金利が低くなれば、インフレは上昇します。つまり、商品とサービスのコストが上がります。そして金利が高くなれば、インフレは低下する傾向があります。
しかしながら、この関係は、危機の際に低金利でほとんどインフレが起こらないこともあるため、常にそう定まっているわけではないことに注意してください。新型コロナウイルス(Covid-19)の世界的流行の折もそうでした。
中央銀行の主な仕事はインフレをコントロールし続けることです。物価が高くなりすぎることなく成長を促すために、インフレ目標を設定してその達成を目指します。ほとんどの場合、この目標は年2~3%です。
中央銀行はインフレの操作に金利を使います。借入コストを増減させることで、企業や消費者の消費行動に影響を与えます。それぞれの内容を見てみましょう。
中央銀行がベースレートを引き上げると、借入コストが上昇し、銀行は企業や消費者にもっとお金を借りるよう促します。しかし、預金口座に支払われる利息も増え、消費者は銀行に資本を預け続けることになります。
これにより、経済における支出水準が下がり、経済成長が減速します。マネーサプライが引き締まり、消費財需要が落ち込み、これはドミノ効果として企業の収益に影響します。
需要が減り供給が減らなければ、商品は安くなりインフレは低下します。
中央銀行がベースレートを引き下げると、消費者や企業に転嫁される金利も下がります。そのため、銀行口座に貯蓄する費用対効果は低くなり、お金を使ったりローンを組んだりすることがより価値のあるものとなります。
それによって経済は成長します。さらに多くのお金が循環し、商品とサービスの需要が増え、企業の収益が上がるからです。
供給が増えることなく商品の需要が高くなれば、多くの企業が商品の値段を上げます。これがインフレです。インフレには良いものもありますが、行き過ぎたインフレは経済にダメージを与えます。
金利は経済、企業、消費者に影響を与えるため、その効果は金融市場に及びます。
金利の影響をよく理解するために、金融市場をリスクオフ(リスク回避)資産とリスクオン(リスク選好)資産に分けてみましょう。すべての金融資産には一定レベルのリスクがあります。そのため「無リスク資産」という言葉は使用しないようにしますが、インフレと金利ということになると、他のものよりもさらに危険がついてまわるものがあります。
債券およびその他の債務は通常、金利と逆相関関係にあります。債券の期間が長くなればなるほど、決定が反映されるまでに時間がかかるため、金利の変動に敏感になります。
債券では、固定金利が投資家に支払われます。金利が下がれば、この固定金利は投資家にとってさらに魅力的になります。ですが、借入が簡単になればなるほど、企業や政府は債券市場に頼る必要がなくなるため、より低い利回りの債券を提供するようになります。そのため、たとえ債権の需要が高まっても(債券の価格が上昇しても)、利回りは低下する可能性があります。
逆に金利が上昇すると、債券は現金を預金口座に置いておくよりも魅力的ではなくなるかもしれません。需要の低下は通常、債券価格が下落することを意味します。そうすると、債券投資家は高いリスクをとるより、高いリターンの方を期待するようになります。
金利の変動は通常、非常に早く投資家に伝わります。特にニュースを待っている投機筋は敏感です。
金利が上がると企業にマイナスの影響があるため、株価は下落する傾向にあります。消費者は、商品やサービスではなく、預金口座にお金を入れ、利益成長は抑えられます。そして企業は投資家への分配を少なくし、投機筋は短期的に株価の見通しをさらにネガティブに捉えるようになるかもしれません。
反面、低金利は、経済において支出が増えるため、株価にとってプラスになる場合が多いです。企業収益が増え、配当が高くなり、投資と投機の両面から強気の姿勢が示される可能性が高まります。
金利が株式市場に与える影響も経済情勢によって大きく左右されます ― ですから、どのような状況であるかが非常に重要です。経済が低迷する恐れがあれば、低金利は株式にマイナスになるだけです。
たとえば、FRBが2020年3月、新型コロナウイルス(Covid-19)の世界的流行が発生する中、金利をほぼゼロ近くまで引き下げましたが、このときにダウ平均株価は大きく下落しました。低金利は通常、経済を刺激しますが、ロックダウン措置は株価の急落を意味しました。
歴史的に、金利とコモディティ(商品)も逆相関関係にあります。
この背景にある主な理由のひとつは「コスト・オブ・キャリー」です。これは資産の保持に関連した付随コストを意味する言葉です。
ハーバード大学による研究* では、金利が高くなると、保管コストも上がることがわかりました。そのため、企業は資産を長期間保有することをためらうようになり、商品の需要が減ります。
投資家は金や銀を保有するより預貯金でリターンを得ようとし、商品価格は下落する傾向にあります。
しかしながら、金利が下がれば商品の保管コストも下がります。企業は再度原料を保管するようになり、投資家は再びリスクオンの資産クラスに切り替えます。
金利は為替市場を動かす重要な要素です。一国の中央銀行が設定する金利は、その国の通貨の価値を決める最大の要因のひとつです。これは一国の通貨と別の国の通貨の関係についてFXトレーダーの心理に影響を与えます。
預金口座をどれにするか決めるとき、金利が1%のものよりも2%のものを選ぶように、この原理は通貨でも同じです。
ある国の金利が高くなればなるほど、その通貨はさらに強くなる可能性があります。国際的な取引関係者が報酬の高い国の銀行に資金を預けるようになるのはそうした理由からです。このような「ホットマネー」は、その国の通貨の需要を高め、通貨の価値を押し上げます。そのため、国内通貨では輸入品が安く、国際通貨では高くなります。
詳細は世界の最強の通貨ランキングを参照してください。
逆に金利が低い国は、弱い通貨を持っているとみなされます。その国に海外資本があまり流入しないため、国内通貨の購買力が弱まり、輸入品が高く、輸出品は安くなります。
FXトレーダーは通常、より金利の高い通貨を買い、金利の低い通貨を売ります。これはキャリートレードとして知られています。買った通貨に生じた高い金利は、利益に加算されます。
詳細はFX金利戦略を参照してください。
しかし、経済成長が変化するには何年もかかる一方、市場のセンチメントはほんの数秒で変化します。消費者物価指数などのマクロ経済指標と中央銀行の発表が、FXトレーダーにとって注視すべき最も重要なイベントの一部となるのはそのためです。
利上げがあれば、国内通貨の価値は高まります。また、利下げでは、通貨の価値は低くなります。
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