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FX・CFD法人口座のメリットとは?経費・レバレッジなどを考える

FXやCFDで法人化するメリット・デメリット、法人口座にすることで受けられる恩恵、個人口座と法人口座の違いを紹介します。

著者 forex.com
2024年10月25日 午後22:15

目次

個人で行っていたFX取引やCFD取引を事業として会社を設立することを法人化と言います。これまで個人で取引していたものを会社で行うことにどんな違いがあるのか、まずは法人化について解説します。

※本サイトに記載されている内容は、2024年7月時点の法令に基づき作成していますが、今後法令の改正などで内容が変更される場合があります。詳しくは国税庁や、確定申告について所轄の税務署などにご確認ください。

※当社及び当サイトでは個別に税務相談をお受けすることはできません。また税理士のご紹介なども行っておりません。

一般的に法人化とは、個人事業主が会社を設立して自身の事業を法人に引き継ぐことを言います。法人とは「法律により権利義務を認められた存在」のことをいい、個人と同等の権利を持つ組織や団体を指します。法人には株式会社の他に合同会社、合名会社、NPO法人や公益法人など様々な種類があります。

今回のケースではFXや CFD取引を事業として行う株式会社か合同会社の設立という意味で捉えるといいでしょう。

個人口座が個人名での口座開設や契約なのに対し、法人口座では会社名での口座開設と契約を行います。

会社の事業として取引を行うため、自分1人の会社だとしても利益を自由に使えませんし、毎年決算を行う必要があり、利益がなくても税金を支払わなければいけなくなります。

一方で経費の幅が広がることや、最大レバレッジが大きくなることによる資金効率の改善、損失の繰越が延長できるなど有利になることも多くあります。

個人口座を事業化し法人口座として取引することのメリットを確認していきましょう。

FXやCFD取引で被った損失は申告をすることで翌年以降に損失の繰越をして得られた利益から損失分を控除することができます。これを繰越控除と言いますが個人口座では申告から3年間の間だけしか繰越ができないことに対し、法人口座では10年間繰越を行うことができます。個人よりも繰越期間が延長されるため、3年間では返し切れなかった負債をさらに繰り越すことができる優遇制度です。

ただし個人法人問わず、繰越控除を利用するには損失分の申告をする必要がありますので注意してください。

法人口座では前期が黒字で決算を迎え法人税を納めていた場合、今期が赤字となったしまった際には「欠損金の繰戻しによる還付制度」により前期に支払った法人税の一部を還付金として受け取ることができます。

前年度に支払った税金の還付が受けられるのは法人ならではのメリットと言えます。

法人化すると個人とは別の新たな人格として法律で認められるため、経費の範囲が圧倒的に広くなります。例えば個人口座での取引に使うパソコンの購入費などは、取引以外に私的にも使用するものなのかどうかが経費として認められる境界線となります。

一方で法人化していれば事業のために使用するものなので全額を経費に計上することができます。※詳しくは専門の税理士にご相談ください。

個人口座で取引した分の課税期間は毎年の1月1日から12月31日と法律で決められています。確定申告をする際の該当期間と同じです。

法人口座の場合、どこからどこまでの1年間とするか期首を自由に決められます。例えば9月1日から翌年の8月31日までを1年とするなど決算期を自由に決められるため、個人の確定申告タイミングを避けるなど事務処理が重なる時期を分散させることもできます。

FXの個人口座の最大レバレッジが25倍なのに対し、法人口座では最大80倍で取引が可能です。またCFDでは最大200倍までのレバレッジで取引が可能です

※ただし大きなレバレッジで取引するほど相場急変動時、口座に預け入れた証拠金以上の大きな損失が発生する可能性があるため十分、注意が必要です。

トレーディングを事業としている法人の場合、法人として取引を行うため損益は法人へ帰属します。会社としての事業による利益が発生した場合、運用を複数人で行った場合、ても給与や報酬として支払うことができるため、課税所得額を減らして節税できるというメリットがあります。。

法人化にはメリットだけでなくデメリットも存在します。メリットとデメリットをよく見比べてご自身が法人化するべきかどうか判断してください

法人化は会社を設立するので設立時や運営にコストがかかります。それぞれどれくらいの費用がかかるのか目安となる金額を解説します。

設立時の諸費用

会社を設立するときには会社を法人登記する際にかかる税金「登録免許税」を納めなければいけません。登録免許税の基本税率は設立時資本額の1000分の7ですが、株式会社では最低15万円、合同会社で最低6万円と下限が決まっています。

また株式会社の場合は定款を作成し認証してもらわなければいけませんので、その手数料に5万円、定款用の収入印紙に4万円かかります。そのため株式会社の設立では最低24万円、合同会社の設立では最低6万円の費用がかかります。

※合同会社に定款の作成義務はありませんが定款を作成する場合には収入印紙代の4万円が加算されます

設立後の運用コスト

会社の所在地を自宅にしたり、全ての事務処理(税務、社会保険手続き、役員報酬の計算、決算書の作成、経費の精算等)をご自身で行う場合はほとんどコストはかかりません。

しかし、あまりの事務作業の多さにトレードどころではなくなってしまうこともありますので、事務処理を外注する場合(外注する量によって毎月3万円から10万円ほど)の運用コストなどもあらかじめ計算しておきましょう。

一般的な中小企業の運用コスト(家賃光熱費を除く)は合同会社で毎年30万円から70万円、株式会社で60万円から100万円の間となります。

法人で得た利益は個人で得た利益と違い、たとえ社長であっても自由に使うことはできません。法人と個人は別人格として判断されるため、法人で得た利益を個人で利用したい場合はいちど「役員報酬」として受け取る必要があります。

ただし、役員報酬を法人の損金として経費に計上するには毎月同額を計上しなくてはならず、利益が大きかった月だけもらうことや、利益が少ないから今月は受け取らないなど自由に役員報酬額を変更することはできないことに注意しましょう。

個人口座にかかる税金は確定利益に対してのみかかりますが、法人口座の場合は期末時点の確定利益に加えて、含み益(未決済利益)に対しても税金が課せられる可能性があります。

法人口座では長期投資などで保有中のポジションの含み損益を課税所得計算に入れる必要があるため、期末時点の評価益の申告が必要となります。

FXやCFDを法人化した場合、いざ辞めようと思っても即日辞めることはできません。事業としての取引はすぐに辞めても構いませんが、法人を解散する手続きを順を追って行わなくてはいけません。

法務局への解散登記、税務署への解散届出、2ヶ月間の解散公告、債権者への通知などの解散手続きを行なったのち、精算結了登記、精算届出まで行って完了となります。もちろんそれぞれに手数料などの費用がかかりますので、設立の際はよく考えてから行いましょう。

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